大学一年の後期が始まりましたが、

相変わらず連絡の取れない日々が続いていました。

 

LINEは既読スルー。
電話をしても折り返しはなし。

そんな毎日です。

 

仕方ないと諦めつつも、

何をしているのだろう?
ちゃんと生活できているのだろうか?
ご飯は食べているのかな?
勉強は頑張っているのかな?

心配は山ほどありました。

 

そんな中、「秋に旅行」という名目で、
夫婦で娘のところへ会いに行く計画を立てました。

ですが――

 

「バイトで忙しいから会えません」

と断られてしまいました。

 

え?
なぜ?

 

親が来ること、そんなに嫌なの?

 

当時は理由が分かりませんでしたが、
今ならはっきり分かります。

 

娘の家には、

推し活で大量に購入したグッズの山があったのです。

 

見つかりたくなかった。
バレたくなかった。

きっと、そういうことだったのでしょう。

 

ちなみに、そのグッズ。
後になってはっきり分かったのですが……

 

公式うちわ、三桁…

 

え?って思いません?

 

そんな枚数、どうするの?って。

でも、今の子たちはそういう文化のようです。

 

グッズを売り切れさせることを「枯らす」と言うらしく、
売り切れ=応援しているアイドルの売り上げに貢献、
という考え方のようです。

 

さらに、売り切れは「人気がある」というアピールにもなるので、
「枯らしました」という写真をSNSにアップする。

それが、今の子たちの応援方法の一つなのだそうです。

 

……私には、正直まったく理解できませんが。

 

今は良くても、
あとでこんなにたくさんのグッズ、邪魔にならないのかな?

推しが変わったとき、
「こんなに買わなければよかった」と後悔しないのかな?

そんなことを、つい思ってしまいます。

 

……と、少し話がそれましたが。

 

大学一年の後期も、
私たち親の想いと娘の感覚の差は広がる一方でした。

 

結局、大学一年の後期に地元へ戻ってきたのは、
二月に二泊三日だけ。

大学一年の一年間を通してみても、

九月に二泊三日。
二月に二泊三日。

それだけでした。

 

LINEの返信も、二、三か月に数回。
電話は、ほとんどなし。

 

なんとも寂しい親子関係です。

こんな思いをするなら、
遠方の大学に行きたいと言ったとき、

反対すればよかった。

そう、心から後悔していました。

 

そして大学二年生。

ここから、本当の悪夢が始まります。

無事に大学に合格した娘。

私は、娘が希望に満ちあふれ、

キラキラとした大学生活を送るのだと、

勝手に思い込んでいました。

 

でも、娘にとって大学生活のスタートは、

親からの脱出――

 

つまり、自由を手に入れ、

一人暮らしという「自分のお城」を手に入れただけだったのかもしれません。

 

慣れない土地での女の子の一人暮らし。

心配しない親はいないでしょう。

 

大学に近く、治安の良い場所を選んだこと。

大学卒業後や就職後のことまで見据えて揃えた家具や家電。

 

今思えば、少しやりすぎだったのかもしれません。

そこまでしなくても良かったのかな……とも思います。

 

そんなふうに、すべての条件が揃ってしまった娘は、

結果として、推し活をさらに強化してしまいました。

 

三月に地元を離れて引っ越し。

四月には大学入学。

 

最初の一週間ほどは連絡がありましたが、

五月になると、ほとんど連絡はなくなりました。

 

ゴールデンウィークも帰省せず、

表向きの理由は「バイトが忙しいから」。

 

でも実際は、あちこち遠征してライブに行っていたようです。

 

そんなことになっているとは夢にも思っていなかった私のもとに、

その情報が入ってきたのは、ママ友の何気ない一言でした。

 

もちろん、悪気があったわけではありません。

 

当時、子ども同士はまだつながっていて、

そのSNSに、娘がライブに行っている写真が頻繁に上がっていたそうです。

 

「楽しそうにしてるね!」

 

そう言って教えてくれただけでした。

 

そのときの私は、

「そうね。バイトもしてるし、自分で自由にやってるんだろうね」

と、何気なく会話をしていました。

 

でも――。

 

その「遠征しているらしいね」という話を、

何気なく娘にしてしまったことで、

私はさらに避けられるようになってしまいました。

 

今思えば、その頃にはもう、

推し活の範囲がかなり広がっていたのだと思います。

 

きっと娘は、

「バレた」と思って、気まずかったのでしょう。

 

結局、大学一年生の前期。

娘が地元に戻ってきたのは、

夏休みの終わり、九月に二泊三日だけ。

 

たったそれだけでした。

 

聞きたいことも、話したいことも、たくさんあったのに。

 

でもその頃には、

娘の中で私は、

もう「敵」のような存在になっていたのかもしれません。

 

それを確信したのは、

一人暮らしの家へ戻った娘とのやり取りでした。

 

私は、

 

「もう少しだけ連絡を入れてくれないかな?

色々と心配だから」

 

と伝えました。

 

すると娘から返ってきたのは、たった一言。

 

『ウザイ』

 

その一言でした。

 

そこから、私たちの溝はどんどん深くなっていきました。

 

今思い出しても、

あの溝は、どこまでも深く、真っ暗なものだった気がします。

 

これは、娘が高校生だった頃の話です。

 

推薦で入った公立高校は、

娘にとってあまり居心地の良い学校ではなかったようです。

 

中学時代はそれなりに良かった成績も、

坂道を転がるように落ちていき、

それとは反比例するように、

アイドルの推し活に精を出すようになりました。

 

同じ学校の子に推し活を馬鹿にされたこともあり、

高校二年生の修学旅行前には、

不登校になりかけたこともありました。

 

ですが、学校側と、

そのトラブルになった子たちとの話し合いが行われ、

大きな問題にはならずに済みました。

 

そんなこともあって、

娘には他校に推し活仲間がたくさんいました。

 

そんな中で起きた出来事です。

 

高校三年生、共通テストの一か月前。

そう、12月のことでした。

 

娘から

 

「他校の友達の家で、受験のための勉強会をするから泊まりに行ってもいい?」

 

と聞かれました。

 

勉強のためなら、それは行かせてあげなければ。

そう思い、お土産のクッキーを持たせて送り出しました。

 

一泊二日で帰ってきた娘。

 

ですが実は――。

 

娘はその日、

一人で東京の、とあるテレビのイベントに行っていたのです。

 

飛行機もホテルも自分で予約し、

現地ではSNSでつながった推し活仲間と合流して、

イベントを楽しんでいたようでした。

 

……という、目が点になるような真実を知ったのは、

この出来事から約一年半後のこと。

 

皮肉にも、娘のSNSで知ることになりました。

 

発覚したときには、すでに親子関係はかなり悪くなっていて、

それはそれは激しい大喧嘩になりました。

 

……といっても、直接ではなくLINE上でのことです。

 

娘はとにかく、直接連絡を取ろうとしません。

基本的に、逃げてばかりです。

 

まあ、色々言われたら返す言葉もないでしょうから、

顔を合わせない方法でしか接触してこないのだろうと思います。

 

今でも娘は、嘘をついて出かけたことを悪かったとは思っていないようです。

 

そのことも、私たちとの距離がなかなか縮まらない理由の一つだと、私は感じています。

 

今、冷静になって考えても思うのです。

 

大学受験の大事な時期だったのだから、

できれば行かずに我慢してほしかったな……と。

 

でも。

 

もしかしたら、

そう思ってしまう私の気持ちこそが、

娘に嫌われていく原因なのかもしれません。

私は今、娘と距離を取っています。

 

気持ちの整理をするなら、
過去の出来事から振り返っていこうかなと思っています。

その話につながる出来事を、
これからじっくり、ゆっくり書いていきますね。

 

娘の異変に気づいたのは、中学三年生の二学期でした。

 

部屋の掃除をしていたとき、
いつもは閉まっているクローゼットが、ほんの少しだけ開いていて……

いつもなら気にならない程度のことなのに、
なぜか胸騒ぎがして、私は扉を開けてしまったのです。

すると中から、某アイドルグループの公式写真が山ほど出てきました。

ざっと数えても数百枚以上。
しかも、同じポーズで同じ写真です。

 

え?
えっ⁈

 

驚いたのは、それだけではありません。

 

この写真の入手方法が、SNSでの取引。
しかも、受け取りは郵便局留めでした。

 

緊急家族会議を開きましたが、
娘から反省の言葉はありませんでした。

 

その中で、旦那さんが言った言葉。
今思えば……ちょっと納得がいかない気もします。

 

旦那さんが娘に言ったのは、

「お母さんに謝りなさい」

という言葉でした。

 

うん?
これ、おかしくない?

お母さんに謝るのは、なぜ?

問題はそこじゃないんだけどな……

 

ただ、これも今となって思うことです。

きっと旦那さんも、あのときは一生懸命だったのだと思います。

 

でも結果として、
娘は「何が悪くて謝ったのか」分からないままだったのではないか。

そんな気がしています。

 

これを皮切りに、娘の推し活はどんどんエスカレートしていきました。

 

もちろん当時の私たちは、
そんなことになるとは、まったく知る由もありませんでした。

 

ここから、負の連鎖がスタートします。

はじめまして。
ひまわりと申します。

 

現在は旦那さんと愛犬と、ひっそり暮らしております。

あっ!本当は一人、娘がおりますが……


今は大学進学のため都会へ行っております。

離れ離れになり、はや四年。

早かったような、短かったような……
不思議な感覚です。

 

なぜ不思議か?

 

それは我が家には、この数年、さまざまな出来事があったからなのです。

 

以前、別のブログでまとめていたこともありますが、
今回は改めて、じっくりゆっくり振り返りながら、
後悔しないように前へ進んでいこうと思います。

 

もし前のブログを読んでくださっていた方で、
「あれ?もしかして?」と思われた方は、

「あー!充電期間を経て復活したのね!」と
思っていただけると幸いです。

では、振り返りの人生物語、スタートです。