私が転職して27年間勤務した会社は、コンピュータに関する業務や製品を扱う情報処理業界という業種」でしたが、情報処理業の下流工程専門という立ち位置を社員全員が認識していなくて、多分そういう事実を意識して仕事をしていたのは全社員のでも私一人だけだったと思っています。そういう事実は口を出して説明をするような事ではないので他の社員にあえて説明をすることはありませんでしたが、システムエンジニアと称する世間よりは能力的に落ちる社員の仕事振りに、裏方として顧客と内容を調整しつつ、自分自身の判断で契約が締結できる内容に顧客を誘導するという事は常に行っていました。
情報処理の下流工程専門と言うのは、インターネットで公開されている情報処理業界の大学生の就職先希望会社ランキングとも関連していると思いました。私の勤務していた会社は大学生の就職先希望ランキング会社の10位以下のグループなので名前は聞いた事はあるけれど、どれほどの仕事をしているかどうかは学生にも不明瞭であったと思います。他社が手がけていないような特別な仕事をしているような事も無く、普通に情報処理と一般論でくくられているような仕事をしているだけの会社で、親会社の名前がついているので倒産はしないだろうという安心感だけがあるような会社であると認識されていたと思います。当然ながら、10位以下の会社なので仕事も就職先希望ランキング上位会社が手掛ける事案のから流れてくるもののあり、自然と就職先希望ランキング10以下の会社では下流工程中心にならざるをえないという環境にあったと思います。
情報処理の下流工程専門と言う意識が希薄なので、社内では色々の問題が出ていると感じていたのは、社員の中でもやっぱり私一人だったかも知れないと思っています。
管理職や役員が出入りの業者やコンサルタントの口車にのって色々なツールが上意下達で社員全員のパソコンに突然導入されて、役員指示なのでという理由で社内の情報処理基準ともいうべきものは有るのか無いのかさえも意識されずに、担当者が上司からの言われるままに作らされた適当な言い訳らしき導入理由が社員に説明されることが度々ありました。情報処理専門会社の社内業務専用パソコンは業務ごとに画面を変えては使い分けをしなくてはならないという状況で、こんな不便極まりない社内システムを使っていて、他社の情報システム改善をしますとか、ましてやシステム開発などと言う実務をしたことの無いような仕事を、あたかも何でも出来ますとおこがましく宣伝していたのは、情報処理の下流工程専門と言う極めて技術レベルも低く付加価値の低い仕事しか出来ないという現実を把握できていなかったという事ではなかったと思います。
同様の事は社内の技術情報の掲示板でも示されていて、例えばシステム開発については2・30年も以前の陳腐なコンセプトが事細かに書かれているものが掲載されていたりして、仕事にあぶれたシステムエンジニアが持て余す時間の限り書いたもので、実務経験が無いというのが直ぐに分かろうという代物だったのですが、社内ではこれがわが社の標準だと意味も分からず大声を発している管理職や役員がいました。情報処理そのものが理解出来ない管理職や役員には、何となく細かく書いてあるし、目いっぱい文字が並んでいるのが本当らしく見えていたという風にしか思えませんでした。自社のシステムエンジニアの技術レベルが正確に把握できていないという事が如実に現わされているなと思いつつ、私が自分で判断した限りでは、世の中の常識とか技術動向とはかけ離れた技術資料が掲示板に多数あり、そういう資料を読んで納得はできないと思い見ていました。
資料の掲示板はあちこちのサーバーに分散していて見つけるのも面倒でしたが、本当に役立つ資料はすくないので結局のところ自身で創作するしかないのが実情でした。幸いな事にインターネットでの情報収集が大いに役立ったことは言うまでもありませんが、顧客もインターネットで散々検索をしているだけに提供する情報は最新とか海外の情報とかいうような風にならざるを得ないことも多かったと思います。当然ながら、こういう自主的な営業活動をしていたのは社内でも私一人だったと思います、大半の社員は上司から言われると動くような受動型で自身では何も考えられないような社員が多かったと思いました。