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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 アニメ映画「チェーンソーマン」。どうも若い世代には知られた作品らしくシネコンの大きなスクリーンで満席。主なお客さんは20代。カップルだったり、3、4人のグループだったりで盛況。

 

 物語は主人公のチェーンソーマン・デンジ君の心臓を狙う輩がいて、彼がそこからサバイバルする。この劇場版「レゼ編」は美人のヒロイン「レゼ」ちゃんにデンジ君は一目惚れ。しかし、レゼちゃんは実はワケありで、という展開。



「劇場版・チェーンソーマン/レゼ編」★★★☆☆

 

 映画冒頭に米津玄師の主題歌が流れる。もし少し派手なアニメなのかと思っていたら、意外に地味だった。「レゼ編」はファンには支持が多いエピソードなんだとか。

 

 とりあえず、その辺の事情を読み込まないと楽しめなのかも。シニアにはツライ。そんなシニアが楽しめたのは、設定が90年代になっていること。車とか街風景が馴染みのある情景なのだ。

 

 その点の美術部門は良く雰囲気を出していた。これは当時を知るシニアがそう認めるのだから、間違いない。(映画を観に来たZ世代の若者にはわからないだろうけど)

 

 そんな本筋に関係ないところでは楽しんだ。欲張れば、せっかく90年代を舞台にしているのなら、あの当時の楽曲も楽しませて欲しかった。

 直木賞受賞作を原作にしている映画「宝島」。戦後の沖縄を舞台に米軍と沖縄の問題を描いている。空前の製作費をかけたと伝えられるが、映画興行的に大苦戦。このままだと大赤字必死。(製作費の1/4にも届かないのではないかとの話も)


 監督は、映画に批判的なSNSに対して、イチャモンをつけるようなリプライをしていると評判になっている。

 

 監督として、作品に力を入れているのは理解できるけど、お金を払って観てくれて、SNSに投稿した、一般ユーザーに噛み付くような行為があるとすれば、大人げない。むしろ、そんな批判も含めて宣伝と考える方がいいのではないか。

 

 個人的には期待はずれだった映画。実は原作も途中でアウトした。沖縄ことばが多すぎて、なかなか内容に入っていけなかった。それなので、映画で原作を完結できるのではと期待した。

 

 映画は原作通りなのかは、原作を読了していないのでわかない。でも、原作には忠実だったとして、結果は物語として食い足りなかった。視点が一方通行というか、単眼、単純なのだ。

 

 米軍=悪という考え。それに、この映画を観ていると沖縄だけに米軍が存在しているように思える。日々の報道などでも、米軍の基地問題というと沖縄だけが取り上げられる。

 

 国内には多くの米軍施設がある。沖縄よりも面積が広いのは北海道。理由は演習場所があるから。国内で有名なのは三沢、横須賀、厚木、横田、岩国、佐世保などの基地。

 

 つまりは全国つづ浦々に米軍施設があるのだ。もちろん沖縄は1945年から72年の長きにわたり米国の直接の支配下にあった。その期間には朝鮮戦争があり、ベトナム戦争があった。


 その時代、負の部分しかなかっのか?映画では水商売を牛耳るヤクザだけが利を得ていたように描かれていた。


 本当に米軍がいたことで、沖縄には負しか残らなかっだったのだろうか?そこは良くわからない。


 せっかく、それを題材にするなら、そこを少しでも納得させてくれる展開を期待していた。その意味で期待ハズレだった映画。


 その点、そのあとに読んだ山崎豊子の「約束の海」は大人の小説だった。潜水艦を題材にして、国防のあり方をわかりやすく伝えている。


 主人公からの視点だけではなく、彼に気を寄せる音楽家の女性、海難事故の弁護士、防衛庁の官僚など複眼的な視点で、国防のあり方を問うている。


 表現者の柔軟性はこのように発揮すべき。批判されるの当然なのだ。そこに文句を言っても、何も前には進めない。





 

 フランス映画「ファンファーレ」の主人公は世界的な指揮者。キャリア絶頂の彼が、突然、倒れてしまう。調べてみると白血病。


 移植のためにドナーが必要になる。妹に頼んでみるとNG。医者から告げられたのは「妹さんはDNA的に、あなたの血族ではない」とのこと。なんで?どうして?

 

 そこでわかったのは、彼は養子だったこと。それまで養子だったことを知らないでいたのだ。ならばドナーになる兄弟、血縁がいるハズと探すと、実の弟は田舎町に住んでいた。そこへ出かけ、実の兄だと告げ、ドナーの依頼をする。

 

 ここまでの展開が10分足らずで展開する。すごく早い。でも、適当に端折っている感じがしない。プロローグだけで引きつけられた。



「ファンファーレ」★★★★★

 

 決してアート性が高い作品ではないけど、この手のウェルメイドな映画が好き。見事なほど無駄がない。スターも出ていないのに、映画として安くなっていない。

 

 効果的なのは音楽の存在。主人公が世界的な指揮者なのでクラシックは当然。でも弟側の庶民のフランス人たちがダリダ、アズナブール、ジョニー・アリディを、どれほど愛しているか、わかる。

 

 そして「ボレロ」。何度も映画のモチーフに使われる名曲だけど、工場の音が「ボレロ」の原点という見事な描写。音楽には富んだ者、貧しい者という差別などない。あるのは、音楽を楽しむ気持ちだけ。

 

 田舎の描写も良かった。本当にリアルなフランスの地方の現状。それを見事に物語に活かしている。

 大相撲秋場所が終わった。今場所も内容の充実した実力伯仲の場所だった。前場所は「荒れる名古屋」らしく上位陣が総崩れだった。


 先場所は大関候補の安青錦が準優勝で終わったことだけが残念。

 

 上位力士が敗れる波乱も楽しいけど、やはり、横綱が強いと、土俵がしまる。今は2横綱、1大関、今場所はその上位が安定していた。(大関、琴櫻は最終盤には休場したけど)


 次の大関に関しては、怪我でもしなければ、安青錦の大関は確実だろう。ウクライナ出身の大関の誕生はめでたい。

 

 ここ数年の大相撲、下位力士まで実力伯仲して、下位の取り組みでも、熱戦で目が離せない。


 実力が接近しているので、幕内上位になった力士は、負け越しすることが多い。逆に下位の力士が勝ち越して、次は上位へ。しかし、その次は負け越して下位へというようなループ状態。(今場所、幕内筆頭の阿炎のように大きく負け越してしまう。)

 

 それだけに相撲内容は目の離せない取り組みが続いている。長い間、大相撲を見ているけど、今ほど、下位の取り組みから内容の濃い、力戦はなかった。


 大鵬時代、北の富士・輪島・貴乃花時代、北の湖・千代の富士時代、若貴曙時代とさまざまな世代で盛り上がりを見せた大相撲。

 

 今は何期目かの黄金期に近づきつつあることを実感できた今回の秋場所。


 

 横綱対戦、迫力の千秋楽。大の里、5度目の優勝は立派!これから先、この数をどれほど伸ばすのか?

 週刊文春のCINEMA別冊の秋号が発売された。表紙は「ミーツ・ザ・ワールド」の主演している板垣李光人。初夏に公開された「ババンバンバンバンパイア」では童貞の高校生を演じた板垣君。新作「ミーツ・ザ・ワールド」では新宿の売れっ子ホストを演じる。

 

 

 その彼のインタビュー。これが彼の役に対する真摯な姿勢が十分に伺える内容だった。彼が惹かれたのは原作が金原ひとみだったからだそうだ。金原のファンで、他の女性作家、西加奈子、湊かなえなどの本もよく読んでいると答えている。

 

 眞栄田郷敦と共演した「ブルーピリオド」では天才絵画少年。「はたらく細胞」では新米の赤血球くん。「バンパイア」では無垢な高校生。そして新作ではホスト。まったく違う役を見事に演じ分けている。

 

 もう一人、日本映画の新しい黄金期を支えている若手俳優、水上恒司。昨年は「あの花は咲く丘で、君とまた出会えたら」が大ヒット。芸名問題で1年間休養を余儀なくされたことがなかったような快進撃。、今年は現在「九龍ジェネリックロマンス」が公開中。


 そして10月には主演作「火喰鳥を、喰う」が公開。12月には「ウィンドブレイカー」が公開と主演作が途切れない。

  

 今、彼らのような20代の俳優が積極的に日本映画への出演を望み、日本映画の層を厚くしている。


 「国宝」のメガヒットで、にわかに日本映画(アニメ以外の)に注目が集まっている。でも、日本映画の勢いは、ここ数年のもの。

 

 日本映画の黄金期は1950年代といわれているが、その時は優れた監督が映画界を牽引していた時代。


 キャスト、スタッフ一丸なった、映画への思いが、日本映画の新・黄金時代を構成しているように見える。

 

 

 遠藤雄弥が主演している「男神」。遠藤雄弥の出演作、地味だけど、なかなか佳作が多かったので、少しばかり期待してみた。でもファーストシーンから仰反った!

 

 巫女たちが揃い祈祷している。その背景には大きな滝、それだけならありだけど、滝を囲むのは真っ赤な溶岩。滝と溶岩が流れる山中に神社で祈祷が行われている。その祈祷とは、男の子を生贄に神に捧げるというもの。

 

 遠藤雄弥はその生贄にされる子供の父親。さて、彼の子供は生贄にならずに済むのか?

 

「男神」☆☆☆☆☆

 

 物語として、まったく成立していないので評価のしようがない。遠藤くんは主演の「ONODA」や助演で良かった「Welcome Back」など、地味ながらも佳作に出演していたので、彼に期待してみた。

 

 俳優さんは、彼以外、ゲストで登場する加藤雅也、沢田亜矢子ぐらいしか知っている人が出ない。典型的なC級映画。


 それでも物語なりに見せ所があればいいのだけど、これは支離滅裂。画面も安い。劇場で公開するようなレベルじゃない。

 山崎豊子の遺作「約束の海」。主人公は潜水艦乗りの花巻朔太郎。潜水艦「くにしお」に乗っている。小説は、いかに潜水艦乗りが特別な仲間意識で結ばれていることが描かれている。潜水艦の乗組員は「家族」的意識を持つそうだ。 

 

 

 その「くにしお」が東京湾で遊魚船との衝突事故を起こす。この事故で多数の死者が出て、世間の自衛隊への批判が高まる。物語はその事件を背景に軍備の意味を問う展開になっている。

 

 若き自衛官を主人公にしていながら、決して好戦的な内容ではなく、国民の理解のなさなども丁寧に描かれる。この花巻の父も太平洋戦争では戦士だったという設定。この主人公は小説の創作なのだけど、他の登場人物や、起こる出来事にはモデルがある。

 

 特に重要なポイントは花巻の父。戦争中にアメリカで4年間捕虜になった軍人。この設定には実在のモデルがいて、山崎豊子はこの人物を描きたくて、この小説を書いたそうだ。

 

 それにしても今日的国際情勢を背景に物語を進める力のある小説、勉強になった。小説は彼女の死去により未完。パート1部分だけが出版された。予定では3部構成だったらしく、2部3部のシノシプス(概要)が掲載されている。2部の主人公は花巻の父が主人公。捕虜になったアメリカでの4年間が描かれるはずだったそう。

 

 山崎豊子は、この小説を通じて、21世紀の世界情勢を反映した「戦争と平和」を描きたかったそうだ。「戦争はダメ」「軍備反対」などというお花畑な「平和」でなく、現実を踏まえた「平和」。ゆえに「戦争」は回避すべきという結論を考えていたそうだ。それは第一部を読んだだけでも、わかる。

 ソ連時代のスパイ伝記映画「リモノフ」。演じたのは英国のベン・ウィショー。いつもの優しげな風情ではなく、ある意味、狂っている男を熱演。一見、ウィショーには見えないほど。

 

「リモノフ」★★☆☆☆

 

 このリモノフという男が相当に不愉快な人物。魅力的な俳優ベン・ウィショーが演じても、不愉快さは変わらない。徹底的に自己中な男なのだ。

 

 ソ連のから亡命してアメリカに移り住み、ヨーロッパへと移動する。そして、ソ連(ロシア)に戻る行程が描かれる。NYでは単なる無名の一市民。ヒモのような生活をしている。

 

 そしてパリへ。ここではプチセレブのようになる。そしてロシアへ帰る。ゴルバチョフのペレストロイカを徹底批判。そして、ロシアのクリミア半島侵攻を支持する。

 

 このリモノフの出身はウクライナ。育ったのはソ連時代のウクライナ。でもロシアの侵攻は正当化できるそうなのだ。信条をどう持とうと、それは個人の自由。

 

 でも、祖国が侵攻されても、それを容認できる人は少ないだろう。彼はその少ない貴重な変人。

 

 だから映画にする価値があるのだろうか?刺激的ではあるけど、不快さは苦く残る。

 山崎豊子の遺作になった「約束の海」を読んだ。潜水艦の話なので、今週、公開される「沈黙の艦隊」の予習になった。 


 もちろん、話は関係ないが、潜水艦の存在意義を知るには、適切な物語だった。

 

 

 主人公は海自の潜水艦乗り。彼は、父がかつてアメリカの捕虜になった軍人だと知る。戦争のことを家族には語ることのない父。そんな父の違う顔を知り、自衛官を目指す。

 

 授業料が免除になるという魅力もあり、彼は防衛大に進学。優秀な成績で、海自に入り、希望する潜水艦乗りになる。


 この潜水艦の日常の業務の描写で、今まで、意識したことのなかった潜水艦の存在する意味を知った。

 

 小説は冒頭、日本海でロシアの原潜艦を発見、データを取る。潜水艦って日常こんな業務をしているのだ。海上の作業なら見えるけど、海中でこうして国の安全を守っている。

 

 正直、そんなことを意識したことなかった。映画に出てくる潜水艦は戦闘に絡むシーンがほとんどで日常の業務などを描写されることもない。

 

 今、日本の海がどれだけ危険が、なんとなく、わかっている「つもり」だったけど、それは「つもり」止まりだったのだと意識させられた。

 

 さすが山崎豊子。莫大な資料を集めて物語にまとめている。

 英国映画「バード」で描かれるのはロンドンの郊外に暮らす貧民層の家族。主人公は12歳の女の子。

 

 一緒に暮らす若い父親が突然,再婚すると告げられで戸惑うようすが描かれている。

 

 主人公の女の子は12歳だけど,かなり大人びて見える。それは、彼女が、この年齢で人生の悲哀を知ってしまっているから。

 

 両親は離婚。彼女は父親に引き取られる。その父親が再婚する。別居する母親のもとには、父親が違う妹と弟がいる。

 

 その母親には、交際相手がいる。その男がとんでもないDV野郎。しかし、幼い彼女にはなす術がない。

「バード」★★★★☆

 

 イギリスの下層階級の日常が描かれる。バリー・コーガン演じるヒロインのパパ。彼が再婚することが物語の主軸。このパパはなんと28歳。それで、14歳と12歳の子供がいる。

 

 その14歳の息子の彼女が妊娠中。28歳でおじいちゃんになるかも?という展開。

 

 12歳のヒロインの女の子のママは、パパと別れて、彼女以外に3人の子供を抱えるシングルマザー。なのにDV男と同棲中。

 

 こんな環境の中に生きる12歳の女の子。この子の冷静な目線がいい。ある意味、諦め。でも、この厳しい現実からは逃げない。

 

 ある意味「キューポラのある町」の吉永小百合に通じる健気さ。でも、浦山桐郎のリアル描写ではなく、この映画で彼女を救うのは、鳥人間のお兄さん。

 

 この設定もうまい、映画的。でも、この存在、彼女のイリュージョンという風に、収めなくて、現実の厳しさを絡めて描いている。そのサジかげんが見事。

 

 リアルでありながら、救いはファンタジー。