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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 フランスの音楽家のドキュンタリー映画「ミッシェル・ルグラン世界を変えた映画音楽家」。


 ルグランというと映画音楽のイメージが強いけど、ジャズでも才能を発揮した人。


 映画は晩年、オーケストラと共演したライブをクライマックスに、ルグランの生涯をドキュメントしている。



「ミッシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」★★★★☆

 

 サブタイトルは意味不明。こんなに素敵な内容の映画なのに、配給会社のセンスのなさが情けない。「世界を変えた」って。


 しかも、映画を見ればルグランが映画音楽という狭い世界だけに生きた人ではないのがわかる。

 

 もちろん軸足は映画音楽においているが、ステージミュージカルもジャズも自分のものにしている偉人。


 さらに、この映画で「そうだ!」と気付かされたのがジャス・ヴォーカリストとしてのルグラン。

 

 チェット・ベイカーやサッチモみたいに有名ではないけど、ジャズマンって「歌える」人が多い。ヴォーカリストのルグランも、なかなか魅力的。

 

 「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」のジャック・ドゥミとのコンビは有名。でもルグランはフランスに留まらずハリウッドでも成功。アカデミー賞を3度受賞している。

 

 映画のクライマックスはルグランがバーブラと組んだミュージカル映画「イエントル」の音楽。ルグランは自らの最高部類の成功作と位置付けている。

 

 日本では知名度のない作品だけど、この音楽は傑作。映画だけで終わっているけど、いつかはブロードウェイにかからないかなと思っている。

 渋谷の松濤美術館で開催されているのは、書家、井上有一展。 

 

 

 教員として働きながら、書家として活躍した人。この人が特別な存在になったのは70年代後半から、有名デザイナーが彼の作品を取り上げた。

 

 さらに特異な文化活動をして、世の中を席巻したパルコを中心としたセゾンの広告で、井上作品が多用された。

 

 

 大デザイナー、田中一光が「それにしてもこの数年、われわれのグラフィックや広告の周辺で奇妙な井上有一ブームが巻き起こっていた。」と語るほど。

 

 

 大胆に描かれた書は力強い。それに魅せられた80年代の勢いのある日本のクリエイターたち。糸井重里、井上嗣也、操上和美などなど。

 

 代表作はポスターになっている「貧」。バブルの80年代。浮かれている世の中に「貧」という文字を投げかけたクリエイターたち。書という素材を違う視点で使ったことにより、より意味が広がった、アートコラボの力。

 

 フランス映画「ホーリー・カウ」は田舎町に住む少年が主人公。両親が幼い妹を残して亡くなってしまう。自分自身も自立していないのに、幼い妹を抱えた少年は途方に暮れる。



「ホーリー・カウ」★★★★☆

 

 最近見た「ファンファーレ!」もそうだったけど、最近のフランス映画、田舎の貧しい現状を描写した作品が多い。この映画もフランスの田舎の厳しい現実を描いている。

 

 主人公の少年は未成年なのにタバコ、酒の日々。もちろん学校にも行っていない。そんな自堕落な生活を送っている時に、父を失ってしまう。その父もけっして生活力があるタイプではなかった。

 

 こういう貧しさは、フランスのリアル現状だなと思う。地方の若者は荒んだ生活をして、犯罪率も高い。さらに薬物の問題も。


 観光で行く人には見えないフランス社会の実態。

 

 そんな環境に投げ込まれた少年は、彼なりに健気に働こうとする。決して思うようにはならないけど、妹の世話をして、地元名産のチーズ作りに励む。

  

 映画は意志半ばのところで終わる。ハッピーな、美しいエンディングにならないのもリアリティがある。でも、観客は席を立つ時に、彼に「まあ、頑張れと」と声がけしたくなる。

 ディスクユニオンのシネマ館で見つけたのが「カーテンコール」というミュージカル楽曲のコンピアルバム。

 

 収録曲、歌うアーティストの豪華さを見てびっくり。こんなコンピがあったことも知らないし、これが100円なんて。

 

 

 1曲目はヘイリーが歌う「レ・ミゼラブル」の「夢やぶれて」。以下「メモリー」「マリア」「アルゼンチンよ、泣かないで」「見果てぬ夢」などスタンダードになったミュージカル楽曲が並ぶ。

 

 さらにエラ「ソー・イン・ラブ」ダイアナ・ロス&シュープリームス「私のお気に入り」ジャクソン5「コーナー・オブ・ザ・スカイ」定番サッチモの「ハロー、ドーリー」まで。

 

 白眉なのはウテ・レンパーの「オール・ザッツ・ジャズ」やダイアナ・クラールの「ス・ワンダフル」などマニア向けのシンガーの登場。

 

 ブロードウェイ・ミュージカルの名曲というコンセプトが明確な上、選んだシンガーが的確。こんな楽しい、嬉しいコンピには、なかなかお目にかかれない。

 

 え?と思ったのが17曲目に収録されている「レント」からの名曲「シーズン・オブ・ラブ」。歌っているのはダニー・オズモンド。70年代、人気アイドル・グループだった「オズモンド・ブラザース」のダニー。今でも現役で活躍しているのだ。

 


 朝ドラ「ばけばけ」。長い間朝ドラを見てきている中で、第1回目、あるいは1週目がダメだった朝ドラには成功作はないと思っていた。

 

 「いた」になっているのは、現在放映中の朝ドラ「ばけばけ」がその例外だから。初週、お約束の子役登場の回の出来は悪かった。喜劇仕立てなのに、子役がついていけない。そうなると周囲が空回りしているように見える。

 

 

 それがヒロイン・高石あかり登場により激変した。テンポが喜劇の間合いになった。そうなると芸達者の助演者の演技が活きる。

 

 この高石あかり。歴代のヒロインの中でも抜群に演技がうまい。見事なまでに喜劇をこなしている。もちろん歴代には、古くは大竹しのぶ、近年では石原さとみ、尾野真知子、趣里、伊藤沙莉など、演技のうまい俳優が登場してきた。

 

 高石は、彼女たちと、全く引けを取らないどころか、朝ドラだけでいえば、それを上回る巧みさを見せる。


 堤真一が亡くなるシーンなど、ともすると悲嘆だけのシーンになるのに、その悲しみの中に人生のペーソスをにじませていた。

 

 これは彼女の演技が良質でなければ、出来ない表現。


 明るいヒロインが常に求められる朝ドラ。しかし、意外とコメディでは空振りが多い。今回の「ばけばけ」はシリアスな展開なのだけど、見事にコメディが成り立っている。

 

 堤真一、小日向文世、池脇千鶴、岡部たかし、北川景子から、板垣李光人、寛一郎までムダのないキャスティング。


 もしかしたら、2020年代を代表する朝ドラになる可能性もあるのではないか?と毎朝期待を込めて見ている。

(そして、今週は吉沢亮の登場。なんとタイミングのいいこと)

 ネットニュースで見たマイケル・J.・フォックスとエリック・シュトルツが再会した話。ふたりのキャリアを思うと泣ける。


 事情を知らない人には?な話なのだろうけど、80年代の映画ファンなら格別な思いがあるはず。


 マイケルは80年代の大ヒット作「バック・トウ・ザ・フューチャー」でレジェンドになった。


 その作品、実はエリック・シュトルツの主演作として撮影がスタートした作品だった。


 当時、シュトルツはシェールと共演した「マスク」などに出演してハリウッド注目の若手俳優。


▲ジム・キャリーじゃない「マスク」


▲青春恋愛映画「恋しくて」にも主演


 一方、マイケルはテレビ「ファミリータイズ」の人気俳優。


 国民的知名度ではマイケルだけど、テレビの人気俳優が映画に主演するのは、当時としては、ハードルが高かった。


 結果、映画俳優として期待値の高いシュトルツで撮影は開始。しかし、シュトルツが暗いと、撮影が始まったのに降板させられる。



 急遽の代役に抜擢されたのがマイケル。これがメガヒット。マイケルはハリウッドを代表するスターになる。


 その後、シュトルツは俳優としては地味ながら、のちには監督になり「グレイズ・アナトミー」「グリー」を手がける。


 マイケルは人気絶頂期にパーキンソン病になり、30代以降は病魔と戦いながらも俳優業を継続。


 テレビドラマに復帰「スピンシティ」に主演、1997年から3年連続で主演男優賞を獲得。




 お互いに1961年生まれの64歳。日本でいえば還暦も済み、立派なシニア。浮き沈み、ライバル意識の強いハリウッド世界の中で、さまざまな曲折があったからこそ、理解し合えるふたり。


 同世代として喜ばしい。


 万博の大屋根リングを設計した藤村壮介が手がけた「太宰府天満宮」の仮殿の建設までの過程を展示した展覧会を見た。豊洲の芝浦工業大学。




 プチ建築オタクなのだけど、藤村壮介の名前を知ったのは最近。万博の開催に合わせて特集された雑誌「PEN」で彼の名前を覚えた。

 

 この「太宰府天満宮」は25年ごとの本殿を立て替える式年遷宮を行なっている。今年は道真が亡くなって1125年。その仮殿は、なんともユニークな構造。

 

 屋根が植物園のようになっているのだ。まるで自然公園のような仮殿。この展覧会を見て、すごいなと感じたのは、設計家がこの仮殿に至るまでに、数多くのアイデアを出しているのだ。これほどのアイデアの先に、この建築がある。建築って楽しいなと思った展覧会。

 

 芝浦工業大学は太っ腹で、彼の建築のカタログを無料で配布している。大屋根リングはもちろん、石垣島の「NOT HOTEL」「ハンガリーの音楽の家」石巻市の「マルホンまきあーとテラス」十和田の地区交流センター「とわふる」などの紹介をしている。いつかは体験して見たい建築。




▲森美術館でも、藤本展、開催中。

 新海誠のアニメの名作「秒速5センチメートル」を、写真家の奥山由之が監督して実写化。

 

 主演は松村北斗。彼が演じたのは、社会人になっている主人公、貴樹。アニメでは描かれなかったパート。

 

 明星を演じるのは高畑充希。彼はシステムエンジニアになって、彼女は書店員。

 

 映画はふたりがすれ違うようすを中心に、アニメで描かれた、小学校時代の出会い、貴樹の高校時代、その種子島に行く前、アニメのクライマックス、雪の栃木への来訪が描かれる。

 

「秒速5センチメートル」★★★☆☆

 

 写真家の監督、奥山由之は丁寧に実写化している。アニメで描かれたパートは、新海版を絵コンテのように忠実に映像化。特に種子島のシーンは良く出来ていた。

 

 不満な点は大人になったパート。村松が演じる大人になった貴樹が苦悩するのは、やや暗いなと思ったけど、決して悪くはない。


 宮崎あおい、吉岡秀隆演じる人物を介してすれ違う部分は、わざとらしい。

 

 書店のシーンも又吉が紀伊國屋本店の店長なんて、絶対にない。書店がらみのシーンは宮崎あおいが絡むイベントなどもリアリティがまったくないのが残念。(紀伊國屋本店なんて、出版社がビビるような権威のある書店。あんなに安くはない。)

 

 実写化にあたり、子供の話だけじゃ客が呼べないと大人の俳優を配したように感じた。

 

 松村北斗も高畑充希も宮崎あおいも吉岡秀隆もいい俳優なので、それなりには見せる。でも、自分が期待した「秒速」とは微妙にずれる。

 

 

 

 アニメ映画「ホウセンカ」。主人公は無期懲役犯のヤクザ。若い時、組の抗争に巻き込まれて、ぶち込まれて30年。

 

 その彼が独房で、ホウセンカの花(声はピエール瀧)とこれまでの人生を振り返る。

 

「ホウセンカ」★★☆☆☆

 

 アニメでヤクザものかと、まずはびっくり。

 

 「泣ける」と評判。そうか、世間の人はこの話で泣けるんだ。

 

 心臓疾患を抱えた子供の移植手術のために、組のライバルを殺して、資金を工面する。

 

 子供の心臓疾患という設定が自分にはあざとく感じた。

 

 主人公は心優しいヤクザ?って。なんかマル暴肯定。主人公の影の部分はまったく描かないから、人のいいヤクザさんになってる。

 

 でも、彼が荒稼ぎしていたのは、結構、あざとい地上げをしたりしたヤクザ稼業だから。そういうリアルでダーティーな部分は描かない。

 

 そもそも、これアニメの素材?アニメで表現すべきものなのか?この手の話を「心優しい」とは自分には到底思えない。

 

 基本的に何でアニメにするのか?の疑問は消えなかった。特に、女性ヒロインのキャラの絵作り。あそこだけ、いきなりアニメキャラ。ヤクザの情夫なのに。あそこは色っぽい姐さん(梶芽衣子みたいな)であるべきでは。

 

 「スタンド・バイ・ミー」の使い方とか、響く人には響くみたいなんだけど、自分にはイマイチ。

 

 小林薫、満島ひかり、宮崎美子などの俳優を豪華に声優として使って、渋さを演出している。

 

 それも、これも、自分にはあざとく見えてしまった。

 30代に、これから生きるためには、より深い一般教養が必要だなと思いクラシックのコンサートに通った。

 

 ほぼ毎日、夕方になると、サントリーホールなどのコンサートに駆けつけた。

 

 小さな会社勤務だったので社長に呼び出されて、毎日、何してるの?と問いただされた。

 

 「教養を身に付けたくて、クラシックのコンサートに通っているんです」と答えたら、唖然としていた。それでも、小さいながらも、出版社だったので、文句を言われることはなかった。

 

 そんな風に始まったクラシック通い。キッカケになったのは東京オペラシティで観た「フィガロの結婚」。たまたま、初台に仕事があって、オペラシティを歩いていたら、当日券があったのだ。

 

 それまでも何回かはオペラを観劇していた。最初は20歳の時、東京文化会館でワグナー。パリに通うようになってからは、バスティーユのオペラ座に何度も行った。



 

 でも、それはすべて「誘われた」から。能動的な動機ではなかった。なので、あまり、身につくものではなかった。



 

 30代後半になって初めて自分で切符を買って観たオペラ。それがモーツァルトの「フィガロの結婚」で良かった。華やかなモーツァルトのオペラ。その時、オペラを楽しんだのはもちろん。もうひとつ発見があった。

 

 それは幕間。ロビーにいる人々。決して派手な装いでないのに、明らかに高級な質の生地の装い。特に男性(ほぼ中年のおじさん)のスーツ。和光で仕立てたような上品な装い。

 

 華美ではないけど、質の高さは見ただけでわかった。(多分1着50万以上)その外見だけでなく、質素に見える上質を支えるのは教養だと感じた。