フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーブが主演した「スピリットワールド」は、何と日本が舞台。
ドヌーブの役柄はレジェンド・シンガー。若い時、日本では特別な影響力があったシンガーという設定。
実娘が事故で亡くなって、気力を失い、引退状態。日本から強力なアプローチがあり、来日コンサートをする。
もうひとりの主人公を演じるのは堺正章。老いた、かつてのミュージシャン。ドヌーブ演じる歌手の熱心なファンで、来日コンサートのチケットを買って、来日を待ちわびている。
ひとり息子の竹野内豊とは連絡もあまりない。竹野内豊はアニメ作家として成功したが、長いスランプ。
ドヌーブと堺は急死。死んだ群馬で幽霊として出会う。ふたりの幽霊は、お互いの人生を語り合い、酒におぼれる竹野内豊を見守る
「スピリットワールド」★★★★★
この甘い点は、ドヌーブが日本を舞台にした映画に出てくれた感謝みたいな気持ち。
監督はシンガポール出身なのに日本を舞台に映画を撮っているエリック・クー。(前作は斎藤工と松田聖子が共演した「家族のレシピ」)
それに物語もいい。子供を思い、死にきれない親。そこには親としての後悔もある。
あの時、こうしてやりたかった、でも、できなかった。親としては最善を尽くしたけど、尽くし足りなかった思い。
そんな優しさが映画全体を包む。
良かったのは、堺正章、竹野内豊だけでなく、日本から参加したキャスト。風吹ジュン、でんでん、鈴木慶一、細野晴臣。
好きな人ばかりの映画。映画の完成度なんて関係なく、大甘な気持ち。
でも、この精神世界、個人的には良くわかる。自分の父親は気持ち良く天国へ行ったと思っている。葬式の日に、そのことを感じた。
霊感があるとか,そういう特殊なものでなく、ただ、そう感じた。逆に、この映画のようにしばらく、この世にいるというのもわかる気がする。
どちらが幸せとか、そういう問題ではなく、死に方って、そういうものだと思う。この世には戻ることはできない。でも、スピリットは残る。その意味でも納得した物語。