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con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 写真家・秋山華子さんの写真展「そこにいることによって現れる」を新宿のニコンプラザ「THE GALLERY」で見た。被写体になっているのは東京の風景。



 

 何気ない日常をモノクロで切り取っている。でも、その作品に写されている日常の風景は、撮影者の視線によって、当たり前ではない、自分が日々目にする光景ではなくなる。

 

 それが写真の面白さ。そして、そこに映り込むシルエットの市政の人々。そのシルエットが主人公になり、これから、どんなドラマを見せてくれるのだろうと想像をふくらませる。

 

 モノクロの良さを十分に活かした作品群。

 

 お隣の「ニコンサロン」では、今年の三木淳賞を受賞した宛超凡さんの「河はすべて知っている・黄浦江」が開催。上海周辺を中心として中国庶民を切り取った作品。



 

 東京の日常と上海の日常。テーマは似ているが、切り口、表現はまったく違っている。それも面白かった。

 

 

 ドニー・イェンが主演している「プロセクュター」。この映画で演じているのは警察官から転身した検事。


 もちろんイェンが演じているのだから、当たり前の検察官ではない。世の中の不正は許さない戦う検察官。


 ドニーの場合は法廷で戦うだけでなく、体を挺して戦いをする検察官。


「プロセクュター」★★★★☆


 香港エンタメの王道。ひたすらドニー様がかっこいい。


 ドニー・イェンって顔はイマイチだし、足も短いのに、動くと、惚れ惚れするほど、サマになる。


 それにしても、警官じゃなくて、検事でここまで体を張るなんて!


 あのマイケル・ホイが嫌味な検事というのも笑える。往年の、黄金時代の香港映画のオマージュには泣ける。


 ちょい無理な設定も気にならない。香港にドニーがいて良かった!と思える。見事な製作・監督・主演作。

 アルタミラピクチャーズの破産のニュース。一般的には、大きく報道されることはないようだけど、いち映画ファンとしては大きな損失。


 製作会社が単独で継続していくことは、こんなに困難なのだと実感する出来事。


 アルタミラは周防正行、矢口史靖、磯村一樹などとヒット作を製作して来た。


 周防監督「Shall We ダンス?」矢口監督「ウォーターボーイズ」などは大ヒット。




 たしかに最近はアルタミラの名前を聞く機会はあまりなかった。



 

 映画を製作し続けるのは意外なほど困難な道のり。角川映画もあれほどヒット作を残しながらも撤退。


 こういう映画製作会社の存在は、映画の多様性のためにも大切。

  

 でも映画はアートでありながら商品でもある。そんな側面の切実さを感じる、アルタミラピクチャーズの破産。


 パーソナルの好みてアルタミラのベストは「ザ・ゴールデンカップス ワン・モア・ナイト」。これほどクールな音楽ドキュメンタリーを観たことない。


 

 フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーブが主演した「スピリットワールド」は、何と日本が舞台。


 ドヌーブの役柄はレジェンド・シンガー。若い時、日本では特別な影響力があったシンガーという設定。


 実娘が事故で亡くなって、気力を失い、引退状態。日本から強力なアプローチがあり、来日コンサートをする。


 もうひとりの主人公を演じるのは堺正章。老いた、かつてのミュージシャン。ドヌーブ演じる歌手の熱心なファンで、来日コンサートのチケットを買って、来日を待ちわびている。


 ひとり息子の竹野内豊とは連絡もあまりない。竹野内豊はアニメ作家として成功したが、長いスランプ。

 

 ドヌーブと堺は急死。死んだ群馬で幽霊として出会う。ふたりの幽霊は、お互いの人生を語り合い、酒におぼれる竹野内豊を見守る


「スピリットワールド」★★★★★


 この甘い点は、ドヌーブが日本を舞台にした映画に出てくれた感謝みたいな気持ち。


 監督はシンガポール出身なのに日本を舞台に映画を撮っているエリック・クー。(前作は斎藤工と松田聖子が共演した「家族のレシピ」)


 それに物語もいい。子供を思い、死にきれない親。そこには親としての後悔もある。


 あの時、こうしてやりたかった、でも、できなかった。親としては最善を尽くしたけど、尽くし足りなかった思い。


 そんな優しさが映画全体を包む。


 良かったのは、堺正章、竹野内豊だけでなく、日本から参加したキャスト。風吹ジュン、でんでん、鈴木慶一、細野晴臣。


 好きな人ばかりの映画。映画の完成度なんて関係なく、大甘な気持ち。


 でも、この精神世界、個人的には良くわかる。自分の父親は気持ち良く天国へ行ったと思っている。葬式の日に、そのことを感じた。


 霊感があるとか,そういう特殊なものでなく、ただ、そう感じた。逆に、この映画のようにしばらく、この世にいるというのもわかる気がする。


 どちらが幸せとか、そういう問題ではなく、死に方って、そういうものだと思う。この世には戻ることはできない。でも、スピリットは残る。その意味でも納得した物語。

 スティーブン・ソダーバーグの新作「ブラックバッグ」。イギリスのサイバーセキュリティの諜報員が主人公。演じるのはマイケル・ファスビンダー。

 

 世界を揺るがせかねないプログラム「ゼヴェルス」が何者かに盗まれてしまう。容疑者は5人。その中には彼の妻(ケイト・ブランシェット)も含まれている。

 

 マイケル演じるジョージは犯人を探すために、ディナーに5人を招待する。



「ブラックバッグ」★★☆☆☆


 若い天才と持てはやされたソダーバーグも60代。意外に職人監督に落ち着いた。


 脚本を書いたのは、デヴィット・コープ。業界が一目おく大物脚本家。なのだけど、この人の作品、初期を除けば苦手な作品が多い。


 トム・クルーズの「宇宙戦争」とか21世紀の「インディ・ジョーンズ」シリーズなど。


 深読みせよ、というタイプ。あくまでも、映画は娯楽と考える自分とは対局。この映画もそうだった。


 話の展開がもったいぶって、観ていて疲れた。

ミステリー、スパイ映画好き向けの映画。


 紐解けば簡単な話を「見せ物」として、複雑なように見せている。何だかな。

 先日、ディスクユニオンで購入したオリビア・ニュートン・ジョンの2005年のアルバム「インディゴ」。サブタイトルは「WOMAN OF SONG」女性歌手のヒット曲カバー集。



 

 プロデュースは大物フィル・ラモーン。オリビアとラモーンの組み合わせは珍しい。(オリビアの全盛期はすべてジョン・ファラー)

 

 女性シンガーの曲をカバーするというのは、決して珍しい企画ではない。でも、オリビアの歌声とラモーンの音作りで、どんなアルバムに仕上がっているのかを楽しみに購入した。(680円)

 

 収録されているのはミリー・パートンの「LOVE'N YOU」カーペンターズの「RAINYDAYS  AND MONDAYS」ディオンヌの「ALFIE」バーブラが歌った「SEND IN THE CLOWNS」などなど。

 

 王道の選曲。それを王道のアレンジで聞かせる。やはり、心地いいのはオリビアの歌声。ウィスパーヴォイスのシルキーな声色。オリビアの声に癒される。

 

 フィルは2013年に、オリビアは2022年に天国へ召されている。共に70代。音楽家は、若くして亡くなる人も多いので、決して若かったとはいえないけど、それでも今の寿命からしたら少し早い。


 それでも亡くなる間際まで現役だったのだから、ご本人は満足だったかも。

 

 21世紀にこんなアルバムを残していたオリビア、歌声はいつまでも。

 ディスクユニオンのサントラコーナーで買ったのが「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラ盤。



 

 ミュージカルの王道、ロジャース&ハマースタイン2世の最大のヒット作。


 もちろんDVDは持っているし、舞台も繰り返し観ている。


 でも当たり前過ぎて、サントラは買ったことがない。

 

 スクリーンで最初に観たのは渋谷の東急名画座。今でもはっきり覚えているのは、休憩時間にサントラの音楽がかかっていて、通路を歩いていた、おしゃれなお姉さんが歌を誦じて歌っていたこと。


 「マイ・フェア・レディ」とか、この「サウンド・オブ・ミュージック」って英語の生の教科書のような存在だった。


 日本人に格別馴染みで、人気のあるミュージカル。このミュージカルを見たことがない人も「MY FAVOURITE THINGS」を聴けば「ああ!京都へ行こう!」の曲!と思うはず。


 それほど、日本人には馴染んだミュージカル。こうしてサントラを聴くと、全ての曲が名作。今どきのミュージカルにはない、覚えやすい、大衆性のある名曲ばかり。


 やはり音楽劇の基本は親しみやすいメロディ。これほど王道の音楽劇はない。

 ベルギー映画「ジュリーは沈黙したままで」。主人公は15歳の女の子。慕っているテニス・コーチがトラブルで解雇されてしまう。教え子のひとりが自殺。その責任を問われたのだ。

 

 しかし、彼のコーチングを信頼していたジュリーには納得いかない。新しく任命されたコーチにも抵抗する。15歳の小さな反乱が描かれる。

 

「ジュリーは沈黙したままで」★★★☆☆

 

 大人に不信を覚えるようになるティーンエイジャーの心の揺れをドキュメンタリーのように描く。その意味では誠実な作りの映画。その分、少し地味。

 

 心の動きを自然に描きたいという監督の意図はわかる。でも商業映画としては地味なのだ。


 観て損したという映画の質ではないけど、すごく良かったにはなっていない。

 

 このタイプの映画、好きな人には、心に残る映画なのだろう。同世代の女の子なら共感できるだろう。


 シニアのおじさんは、立場的には管理する側なので、この女の子は、ちょっと面倒な子だなと距離を感じてしまう。


 (それじゃ、今の世の中に対応できてません!よ!と言われるかも、だけど、言いたいことがあるなら、言って!と思う。言えないのが、反抗期なのかも、だけど。)

 イギリス映画「ラストブレス」。舞台になるのは荒れる北海。主人公たちは潜水ダイバー。海中にあるパイプラインのメンテナンスをする男たちの話。

 

「ラストブレス」★★★★☆

 

 出演俳優で知ってるのはウディ・ハレルソンとマーベル映画に出た中華系のシム・リウだけ。地味な素材、地味な映画なのだけど、その分、映画にリアリティがあった。

 

 映画は実話であることを殊更強調していた。それは監督がドキュンタリーの人で、この素材でドキュメンタリーを撮っているそうだ。

 

 それにしても北海の過酷なこと。海上の支援船も荒波にさらされる様子が描かれる。映像を見ると支援船も転覆しそうな勢い。主人公たちは、その海中へ潜るのだ。

 

 映画は若いダイバーの命綱が切れ、酸素補給ができない状態になる。それが30分も続いて、彼は助かるのかというドキドキのドラマ。

 

 たまたま時間が合っただけの理由で観た映画。シネコンはガラガラだったけど、良くできたB級映画。


 それにしても、ウディ・ハレルソンはうまいな。中年になったロートル・ダイバー。引退を迫れれてグチる男。そんな切なさと経験豊富な頼れる男を見事に体現させている。

 ひと月に1冊は読みたいアガサ・クリスティの小説。今月読んだのは「邪悪の家」。1932年発表のポアロシリーズ6作目の作品。英国の南河岸のリゾートが舞台。



 

 その優雅なホテルを見下ろすように建っている古い館。そこに住む若い女性が命を狙われる。たまたま、そのホテルでヘイスティングとふたりで休養していたポアロ。彼女を救うために事件解決に乗り出す。

 

 今回も優雅なリゾート地が舞台。ポアロのお話には、その優雅さが似合う。

 

 古いけど、広大な屋敷を相続した若い女。ポアロは彼女に周囲に注意を怠らないように進言するが、彼女は気まま、気楽なまま。何度も殺されそうになる。

 

 果たして、彼女の命を狙うのは誰か?結論は、やっぱり意外な展開。でもクリスティの小説はミステリーの推理を楽しむというより、雰囲気を楽しむようなものだと思っている。

 

 優雅なリゾートホテル。古びてはいるけど広大な館。お金も余裕もあるように見える美女美男の若者たち。それをも見守るポアロ。


 ポアロはロマンチストで恋する若者には弱いという展開にも和む。