con-satoのブログ -22ページ目

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 イギリス映画「ラストブレス」。舞台になるのは荒れる北海。主人公たちは潜水ダイバー。海中にあるパイプラインのメンテナンスをする男たちの話。

 

「ラストブレス」★★★★☆

 

 出演俳優で知ってるのはウディ・ハレルソンとマーベル映画に出た中華系のシム・リウだけ。地味な素材、地味な映画なのだけど、その分、映画にリアリティがあった。

 

 映画は実話であることを殊更強調していた。それは監督がドキュンタリーの人で、この素材でドキュメンタリーを撮っているそうだ。

 

 それにしても北海の過酷なこと。海上の支援船も荒波にさらされる様子が描かれる。映像を見ると支援船も転覆しそうな勢い。主人公たちは、その海中へ潜るのだ。

 

 映画は若いダイバーの命綱が切れ、酸素補給ができない状態になる。それが30分も続いて、彼は助かるのかというドキドキのドラマ。

 

 たまたま時間が合っただけの理由で観た映画。シネコンはガラガラだったけど、良くできたB級映画。


 それにしても、ウディ・ハレルソンはうまいな。中年になったロートル・ダイバー。引退を迫れれてグチる男。そんな切なさと経験豊富な頼れる男を見事に体現させている。

 ひと月に1冊は読みたいアガサ・クリスティの小説。今月読んだのは「邪悪の家」。1932年発表のポアロシリーズ6作目の作品。英国の南河岸のリゾートが舞台。



 

 その優雅なホテルを見下ろすように建っている古い館。そこに住む若い女性が命を狙われる。たまたま、そのホテルでヘイスティングとふたりで休養していたポアロ。彼女を救うために事件解決に乗り出す。

 

 今回も優雅なリゾート地が舞台。ポアロのお話には、その優雅さが似合う。

 

 古いけど、広大な屋敷を相続した若い女。ポアロは彼女に周囲に注意を怠らないように進言するが、彼女は気まま、気楽なまま。何度も殺されそうになる。

 

 果たして、彼女の命を狙うのは誰か?結論は、やっぱり意外な展開。でもクリスティの小説はミステリーの推理を楽しむというより、雰囲気を楽しむようなものだと思っている。

 

 優雅なリゾートホテル。古びてはいるけど広大な館。お金も余裕もあるように見える美女美男の若者たち。それをも見守るポアロ。


 ポアロはロマンチストで恋する若者には弱いという展開にも和む。

 

 

 新宿シネマカリテの閉館のニュースは衝撃的だった。かつて都内に何館も映画館を抱えていた独立系の大手、武蔵野興業の映画館。その中でも新しい部類のシアター。

 

 80年代のミニシアターブームの頃は、渋谷に数多くのミニシアターが存在した。


 しかし、90年代後半には、そんなミニシアターが続々閉館。淋しい思いがした。

 


 その後、地方で先行していたシネコンが東京にも登場。今や、新宿には4つも存在するような状況になっている。(渋谷は本格的なシネコンは0、銀座エリアはTOHO日比谷だけ、池袋は2つ)


 鑑賞環境の良いシネコンはいい。でも、独特な番組を観せてくれるミニシアターは映画ファンにとっては、ありがたい聖地。

 

 そんな聖地が減ってしまうのだ。同じ系列なら、平面で見にくい武蔵野館を閉館して欲しいぐらい。館内は歪な構成だったけど、見やすい環境のシネマカリテを残して欲しかった。



 開場したのは2012年。都内の映画館でも新しい部類。老朽化などという言葉は無縁。なぜ、なんだろう?惜しい。





 中国映画「ブラック・ドッグ」。カンヌで賞に輝いたとはいえ、昨今の中国映画には期待ができないと思っているので、半信半疑で劇場へ。

 

 文句のつけようのない傑作。舞台は中国の西の果ての街。ファーストシーンは砂漠の中を走るバスをとらえるロングショット。画面を野良犬の大群が横切る、犬版「ダンス・ウィズ・ウルブス」のような展開。その犬を避けようとバスが横転する。

 

 主役はそのバスに乗っていた男。仮釈放で街に戻る途中。駆けつけた警察官も知っている街の有名人。かつてはバンドをして人気者だったのだ。

 

 彼が街に戻って来る。彼は、不義理を働いた男と揉めて殺害していたのだ。有名人が犯した犯罪事件のことは狭い街では誰もが知っている。

 

 そんな男が帰ってきたので、街は騒然。しかし、高倉健ばりの男は寡黙にやり過ごす。


 街は政府の再開発予定で、荒れた街をさまよう野良犬狩りをする。男も手伝いに駆り出されるが、伝説の「ブラック・ドッグ」に出会い、魅了されてしまう。そして、こっそりと犬の面倒をみる。



「ブラック・ドッグ」★★★★★

 

 砂漠からの乾いた風が吹くオールドタウン。そこに戻って来た寡黙な犯罪者。仕立てがまるで西部劇なのだ。主人公にはほとんどセリフがない。この寡黙さが健さんみたいでかっこいい。

 

 途中、街にやって来るサーカス団。男は、ここの女と、ねんごろになる。その部分はまるでフェリーニ映画のテイスト。


 西部劇にフェリーニ、欲張った映画なのだけど、それがキチンを収まるべきところに収まって傑作に。



 

 

 ディスクユニオンで買ったのは「ビルボードNo.1ヒットセレクション」というコンピ・アルバム。

 

 

 500曲のNo.1ヒットを60年代から順番に収録しているコンピ・シリーズ。70年1月から10月までのNo.1ヒット(vol17)を集めたアルバムを購入。

 

 1970年1月から単純にナンバーリング収録しているだけなのに、この時期のメンツがすごい。スターどころか、スーパースターの勢揃い。

 

 1曲目はB・J・トーマスの「雨に濡れても」以下ジャクソン5「帰って欲しいの」ショッキングブルー「ヴィーナス」サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」ビートルズ「レット・イット・ビー」ふたたびジャクソン5「ABC」と続く。

 

 これが単純にNo.1になった曲を順番に並べているだけなのだ。


 マイケル少年のいた、ジャクソン5。解散するビートルズ。全盛期を迎えたサイモン&ガーファンクルが同じ年にNo.1ヒットを送り出している。

 

 テイラー、アリアナ、あるいは韓国勢がチャート独占なんていう今の時代と違うNo.1になることに意味がある時代。


 アルバムの後半にはカーペンターズ「遥かなる影」ダイアナ・ロス「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」まで登場する。

 

 ビートルズ、マイケル、サイモン&ガーファンクル、ダイアナ・ロス、ニール・ダイヤモンド、カーペンターズ。

 

 音楽史を飾るスーパースターがNo.1ヒットを次々とチャートインさせた1970年。まさに時代の変わり目。スターの共演。

 レオナルド・ディカプリオとショーン・ペン、ベニチオ・ベルトロが共演したポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督作品「ワン・バトル・アフター・アナザー」。

 

 ディカプリオが演じたのは社会変革を目指す活動家。運動の指導者だった妻は娘を産んで行方不明に。ディカプリオはシングルファーザーとして娘を育てる。

 

 その娘は16歳になってる。彼女が拉致されてしまい、必死の争奪。しかし、相手は国家組織、激しい追跡劇が繰り広げられる。

 

「ワン・バトル・アフター・アナザー」★★★★★

 

 見どころは、たくさんあるけど、ショーン・ペン演じる思い込みの激しい軍人の暴走ぶりが際立つ。そんな描写で、アメリカの単純な国粋主義者を徹底的にコケにするPTA。

 

 ディカプリオも熱演だけど、ショーン・ペンの怪演ぶりが凄い。最初から最後まで「いっちゃてる」親父。こんな役をこれほど見事に演じるのは、彼しかいない。これで3度目のアカデミー賞は確実なのでは?

 

 上映時間は2時間半でも、展開はスピーディ。アメリカの恥部を描く政治的背景もあるけど、説教くささが微塵もない。練られた脚本。

 

 PTAが最初に脚光を浴びたのは、97年の「ブギーナイツ」。その頃から若い割に辣腕な演出家だった。この映画でも、その見事な腕力で、映画の楽しさを表現している。話はエグいのに、痛快なのだ。

  

 これまで数多くの傑作を発表して来たPTAの最高作。これで、来年のアカデミー賞を獲らなかったら、アカデミー会員の目は節穴!(多分にその場合も多い)

 

 今までカンヌ、ヴェネチア、ベルリンも国際映画祭で何度も賞を得ているのに、アカデミー賞は無縁。今度こそ。

 品川区の戸越に住んで30年以上。大井町は正確にいえば沿線ではない。(「戸越銀座」は池上線「大井町」は大井町線)でも、直線距離では近いので、気分的には「地元」。

 

 そんな大井町に来春TOHOシネマズが出店する。しかもTOHOシネマズでは初のドルビーシアターも入る。(さらに爆音シアターも)

 

 この場所、今建設中のビルが出来る前には、この場所で劇団四季が「キャッツ」と「ライオンキング」を上演していた。

 

 東京でもやや地味な繁華街の大井町。近くにはニコンの本社がある。駅から西大井のニコンまでは「光学通り」とニコンに由来したストリート名になっている。

 

 

 駅前には阪急ホテルや関連ショッピングセンターもある。

 

 これは阪急の創設者が渋沢栄一を通じて東急・五島家と知り合いになり、大井町線は東京を代表する優良住宅地を抱える路線になるといわれたため、関西の阪急が大井町に百貨店を開設した由来がある。

 

 

 結果的には大井町は下町のまま。でも、その下町の風情が気に入っている。(大阪なら十三に近い?)

 

 TOHOシネマズが出来ると、大井町に四半世紀ぶりに映画館が戻ってくることになる。

 

 四半世紀前にあったのは伝説の名画座「大井武蔵野館」。斬新な番組構成でカルトな人気のあった名画座。(一昨年には「伝説の名画座」という武蔵野館を回顧する本も出版されている。BSの居酒屋めぐりの番組で人気の太田和彦が著者)

 

 武蔵野館からTOHOシネマズ(しかもドルビーシアター)って随分落差があるけど、こんな落差も大井町らしい。

 

 

 水上恒司が主演している「火喰鳥を喰う」。主人公は長野の田舎にすむ教師。祖父の墓が荒らされてしまう。一体、何者の仕業なのか。

 

「火喰鳥を喰う」★☆☆☆☆

 

 東南アジアでの悲惨な戦争を体験した祖父。そこで書き残した手帳が発見され、彼の元に届く。次第に不思議な出来事が次々と起こる。

 

 きちんと描けば、それなりに重いテーマ。南洋の戦争の悲惨さも描かれるけど、描写が中途半端。戦争を扱うなら、もっとキチンと扱うべきではないか?

 

 ホラーの題材で、南洋の戦争の悲惨さを使うということを無神経に感じた。それに、そんな話なら、その戦争時代の祖父も水上恒司が演じて、現代と2役だったら、面白い画面になったかも。水上くん、軍人が似合うし。

 

 監督は日本映画監督協会の会長。人柄はいい人みたいだけど、このレベルの映画監督が「会長」でいいのか?他にできそうな人いくらでもいるだろうに。(この映画とは関係ない話だけど)

 阿部寛が主演している「俺でない炎上」。ある日突然、SNS上で殺人事件の犯人に仕立てられ、個人情報をネットで晒され、追い込まれる中年サラリーマン。そんな2日間の出来事が描かれている。



「俺ではない炎上」★★★★☆

 

 2時間休みなく話が展開する脚本がうまい。何気ない1日の始まり。でも、彼が自信家で嫌な奴かを手際よく見せる。そして、すぐに炎上。それからは逃げの一手。

 

 ヒッチコック・タイプの巻き込まれ型。★ひとつマイナスなのは演出にユーモアがないこと。悪くはないけど、一直線すぎて、テンポは早いのに単調になる。

 

 出色なのは、浜野健太が演じる部下のところへ助けを求めるシーン。みんなに好かれていると思っている阿部寛の主人公。浜野に「オレを嫌っている奴がいるなら教えてくれ」と懇願する。浜野は呆れ顔で「それ、本気ですか?あなたのことなんて、みんな嫌ってますよ」と言われてしまう。ここは笑える。

 

 阿部寛演じる男はひたすら自己中。妻からも呆れられ、会社の掃除のおばさんからも嫌悪される。


 それを誰もが皆、自分を認めている、好かれていると完全に勘違している。そんな奴が炎上するので、周囲は同情しないというのは、構成としてわかりやすい。

 

 時系列が変わるのでわかりにくいという意見もある。個人的には、ああ、こんな構成なんだと思うけど、あれはあれでテーマに沿った構成、もし、わかりにくいという人はいるなら演出に問題あり。

 

 もし、自分が演出するなら、タッチはドキュメンタリー風にシリアス。そこにユーモアを忍ばせて観客の緊張を緩ませる。それがいいのではないか?と思う。


 その意味では演出はテンポはいいけど、笑いに寄るのか、炎上によるサスペンスに寄るのかが中途半端。それでも一気に2時間見せているので、エンタメ映画としては十分合格。

 ディスクユニオンの新宿店。ここには大きなクラシック専門売り場がある。そこで先日、買ったのがモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」のCD。

 

 実はこの連休の週末、上野の東京文化会館で上演されるウィーン国立劇場の公演に行くのだ。




「フィガロ」は何バージョンかのDVDは持っているけど、なぜかCDは持っていなかった。(オペラの場合は結構このパターンが多い)

 

 DVDを再見もいいけど、それだと映像が頭に残って、今回の公演をピュアに楽しめそうもない。


 もちろん、有名なオペラだから、序曲から、ほとんどの曲は耳に残っている。それでも、せっかくの公演を観る前に、いま一度の「予習」をしたかった。

 

 実はそのために先週、渋谷のタワレコに行ったのだけど、クラシック専門売り場には「フィガロ」は一枚もなかった。


 そこで、先日、新宿のディスクユニオンならと行ったのだ。

 

 売り場面積ならタワレコの4倍ぐらいあるのだろうか。何種類も「フィガロ」のコーナーに置いてあった。


 最近はポップスはもちろん、ジャズも映画音楽もディスクユニオンのお世話になっている。(神保町がなくなったのは痛手。お茶の水はあるけど、古本屋巡りと合わせて、となると、少し遠い!)