【赤井務武と黒田兵衛の関係性を考察する】
「顔の包帯を取った看護師が腰を抜かしたらしいわよ…真っ白だった髪が事故のストレスで白髪に変色してまるで別人のようだったそうだから…」
別人、義眼、火傷…そして入院していたとされる空白の十数年など…黒田兵衛は一体どのような過去を持つのか?
そして赤井務武と黒田兵衛…果たしてこの二人は同一人物なのか別人なのか…?別人だとすれば、どのような関係性にあるのか…?
今回は『赤井務武と黒田兵衛の関係性』『黒田兵衛の過去』を徹底的に紐解いていきます!
このブログは↓の続きとなっています。
1. 前提考察
2. 黒田兵衛ストーリー
3. 2.のストーリーが正しいと仮定し、作中描写を読み解く
の3パートにわけています。.
1. 前提考察
○羽田浩司殺害事件後の動き
前編で書きましたように、私は黒田兵衛は日本警察からのインターポールとしてFBI,CIAに協力していたと推理しています。結局、黒田兵衛+FBI,CIA連合軍は羽田、アマンダを組織に殺害されてしまい、Jukeホテルでの組織との攻防は敗退という形になりました。
しかし、二人が殺害されてからといって黒田兵衛+FBI,CIA連合軍が組織の追跡、調査を辞めてしまうわけがありません。羽田浩司殺害後も彼らは組織を追っていたでしょう。
○赤井務武の登場
赤井務武は羽田康晴に頼まれて羽田事件を調査し、羽田康晴のコネを通じてFBI,CIAからの信頼を獲得したのだと前編で書きました。つまり、羽田浩司殺害事件後に赤井務武が黒田兵衛+FBI,CIA連合軍に加わったと考えられます。
○赤井務武vs黒の組織の結果
前編で書いたように、赤井務武は羽田浩司殺害事件の調査を始めたのち、6年以内に組織の手に落ち意識不明となったと思われます。そしてその後、日本の警察病院に入院し、現在も意識不明である、という風に推理しました。
一見、赤井務武が消息を絶ったのはアメリカなのに、"日本"の警察病院に入院しているのは矛盾しているように思えます。しかし、この矛盾は、黒田兵衛の存在を考えると解消する事ができるのです。
◆黒田兵衛が日本の警察病院に運んだ
日本警察からのインターポールである黒田兵衛の力があれば、アメリカで事故にあった赤井務武を日本の警察病院に入院させる事ができます。そう考えると、疑問となるのが、『なぜわざわざ務武を日本に運んだのか?』
◆黒田が務武をわざわざ日本の警察病院に運んだ理由
ここで思い出したいのが98~99巻「死を呼ぶ誕生パーティー(仮題)」での会話。
世良「それよりこれからどうするの?病院に行く?」
メアリー「いや…奴らがあの薬でこうなる事を想定していれば…病院で待ち伏せていると考えた方が賢明だ…」
つまり、黒田もこのメアリーと同じく、務武がアメリカの病院に担ぎ込まれる事を組織に想定されている場合を危惧したのではないでしょうか。事故に遭ったアメリカではなく日本の病院なら待ち伏せはされてない可能性が高いと踏んだのでしょう。
○『十数年前』という共通キーワード
メアリー「じゃあ十数年も私に連絡しなかったのはなぜ?」
コナン「ええっ!?10年近く意識不明で入院してた!?警察病院に!?」
この2つのセリフを比較すると"十数年"という年数が共通している事に気づきます。つまり、赤井務武が消息を絶った時と、黒田兵衛が入院し始めた時が一致する可能性があります。むしろ、わざわざ十数年という年数にしているあたり、これは作者の何らかの意図があると見るべきでしょう。
では、「赤井務武が意識不明になったのと同時に黒田兵衛が入院を始めた」というのは一体何を意味しているのでしょう。
○黒田の表と裏
◆公安の裏理事官について前提知識
それを考える上で『公安の裏理事官』についての前提知識が必要です。これは私が調べて知った事なのですが、公安の裏理事官に就任された人物は警視庁の名簿から名前が消されるそうです。要は、公安の裏理事官が誰なのかわからないようにするための措置をとるという事でしょう。しかし、いきなり名前が消えるため他の警察官は何となく誰が裏理事官になったのか察しがつく、という風に書いてありました。
◆前提知識を黒田に当てはめる
この前提知識を黒田に当てはめてみます。いきなり『黒田兵衛』という名前が消えてしまったら、他の警察官も「黒田さんが裏理事官になったのかな?」と察しがついてしまいます。これを避けるためにはどうしたらよいか?それは、表向きには意識不明で入院した事にして、名前を消す口実を作る事です。
◆結論
つまり、黒田兵衛は表向き意識不明で入院している事になっていたが、実際は入院しておらず、裏では公安の裏理事官として活躍していた、という風に考えるとうまくつながります。黒田が入院していたとされるのは、警察病院ですから誤魔化す事もできそうです。
◆小ストーリー化
黒田がアメリカでインターポールをしていたという仮定と合わせると以下のような小ストーリーが組み立てられます。
インターポールとしてアメリカに行った黒田兵衛は大きな事故(実際には黒の組織によって引き起こされた事件)に遭った。黒田は"この事故で意識不明になり日本の警察病院に入院している"事にして、裏で公安の裏理事官を務めた。
○黒田兵衛が赤井務武を日本の警察病院に入院させたもう1つの理由
この小ストーリーを考えると、黒田が務武をなぜ日本の警察病院に入院させたのか、のもう1つの理由が見えてきます。それは『務武を、入院している自分に見せかけるため』です。つまり、意識不明でベッドに横たわっている人物は黒田ではなく、意識不明になった務武だったというわけです。
○黒田が長野に出向した理由
現在の黒田は、意識を取り戻し(たという設定で)、警視庁の管理官をしています。そして恐らくは、裏で公安の裏理事官を務めています。そうなると、『なぜ黒田は十数年間も意識不明という事にしていたのに、今になって意識を回復した事にしたのか?』という疑問が浮かんできます。
その答えは『裏で動くのに限界があった』からだと思います。黒田は表向きには意識不明という事になっていました。なので、表向きに活動する事はできません。長野の啄木鳥会の情報が入り、黒田が自ら長野に行って調査をしたかった、とすると表向きの立場が必要になってきます。
つまり、意識を回復した事にして表向きの立場である『長野県警の捜査一課課長』となり、長野に出向して啄木鳥会を調べたかった、という事です。(私は、黒田が長野に行った目的はそれだけではないと考えていますが、ここでは言及しません。)
これらの前提考察を踏まえて「黒田兵衛ストーリー続編」を本格的に書いていきます。
2. 黒田兵衛ストーリー
羽田浩司殺害事件より前のストーリーは以下の2つを参照してもらえればわかります。
なのでここでは羽田浩司殺害事件後のストーリーを書いていきます。
①赤井務武の登場
アマンダ・ヒューズ、羽田浩司を殺害されてしまった黒田兵衛+FBI,CIA。ここに強力な助っ人が加わります。それは羽田康晴から浩司の死の真相を探るように頼まれた赤井務武でした。羽田康晴のコネもあり、赤井務武はスムーズに加わることができました。赤井務武+黒田兵衛+FBI,CIAは共闘して黒の組織を追います。
②組織のX殺害計画
羽田事件から数年が経った日、赤井務武+黒田兵衛+FBI,CIAは、組織がある船内で"ある人物Xの暗殺を決行する"、という情報を得ます。(組織が船での殺害計画を企てた、というのは完全な空想です。ストーリーを書く上で都合がいいように仮定しています。)
③インターポールとしての最後の仕事
一方黒田には、日本警察の方からインターポールとしての活動を終えて、公安の裏理事官になる話が舞い込んで来ました。黒田は組織のX暗殺計画を食い止めるという任務を終えてから、日本に戻る事になりました。
④殺害決行日
殺害予定日当日…船には、赤井務武、黒田兵衛、そしてRUMが乗り込みました。組織は船に爆弾を仕掛け、混乱に乗じてXを殺害する計画を立てます(あるいは、務武と黒田の殺害も計画していた)。
⑤RUMvs赤井務武
RUMは船を爆破しXの殺害を実行しようとします。そこに、赤井務武が現れます。RUMvs赤井務武…赤井務武は得意のジークンドーでRUMの左目を突き、RUMを義眼にしました。
⑥黒田、務武が負傷
船は爆破により今にも沈みそうな状態。目を潰されたRUMは退散します。赤井務武、黒田兵衛も命からがら船から脱出したものの、務武は意識不明の重体、黒田も顔に火傷を負い、右目が義眼になってしまいました。
⑦務武を日本に入院させる
黒田は裏ルートを使い、務武を日本の警察病院まで運び、自身も日本の警察に戻ります。(CIAも協力体制にあったため、CIAが先を見越して裏で飛行機の手配などを済ませていたのかもしれない)
⑧公安の裏理事官に就任する
日本に戻った黒田は、入院している務武を自分であると偽り、入院している事にして公安の裏理事官としての職務を始めました。
⑨啄木鳥会の存在を知る
今度は、公安の裏理事官という立場で組織を追う黒田。そんな折、黒田は長野県警にある啄木鳥会の存在を知ります。黒田は自らが長野県警に出向いて、啄木鳥の調査をすべきだと考えました。ところが、黒田は意識不明で入院している設定になっているため、表だって動く事はできません。
⑩表向きの立場を確立する
そこで、黒田は意識が回復した事にして長野県警の捜査一課課長の立場を表向きに得ます。これにより長野県警に出向く事ができました。
⑪コナンと出会う
長野県警捜査一課長として長野に出向いた黒田は警察庁で噂になっているコナンに出会います(86~87巻「県警の黒い闇」この話にて黒田兵衛が作中に初登場)
3. 2.のストーリーが正しいと仮定し、作中描写を読み解く
上記のストーリーを踏まえると作中のあらゆる描写の意図が読み解けます。
○赤井務武の伏線
◇赤井務武がメアリーに十数年間連絡をしていない理由
→現在も意識不明だから。
◇組織も務武は死んでいると考えている事
→組織の手によって引き起こされた非常に大きな事故に巻き込まれて消息を絶ったため。
◇ボスが特に赤井秀一を恐れている理由
→RUMを義眼にした男の息子だから。
◇赤井務武の遺体が見つかっていない理由
→黒田が日本の警察病院に運んだため。
◇RUMはなぜ左目が義眼なのか?
→左利きでジークンドーの使い手である務武のフィンガージャブを食らったため。
◇羽田康晴に頼まれて羽田浩司殺害事件を調査し、その後メアリーに送られた『とんでもない奴らを敵に回してしまった』というメールの意味
→とんでもない奴ら=組織であり、この後組織の手に落ち意識不明になったという事。
○黒田兵衛の伏線
◇黒田が義眼である理由、黒田の顔の火傷の跡
→組織が起こした事故により負傷したため。
◇10年近く意識不明で警察病院に入院していた
→実際には公安の裏理事官として裏で活動していた
◇「だからあの年で出向して来たわけか…」
→啄木鳥会を調べるために長野に出向した
◇「顔の包帯を取った看護師が腰を抜かしたらしいわよ…真っ白だった髪が事故のストレスで白髪に変色してまるで別人のようだったそうだから…」
→赤井務武を別の病室に移し、そこに黒田が寝そべって
今まさに意識を取り戻したかのように振る舞った。何も知らない看護師は赤井務武から黒田兵衛という"別人"に変わっていたのだから当然驚く。
コナン「別人…?」というセリフで作者が"別人"というキーワードを強調した意図も理解できる。
ただ黒髪から白髪に変色していた、という表現で"顔が変わっていた"とは書いてないので、この辺がちょっと曖昧ですね…
◇意識が戻った今も所々細かい記憶が抜け落ちてる
→十数年間も表向きの活動をしていないため。知らない事は記憶をなくした事にしている。もし本当に十数年間意識不明だったのなら、もっと色んな事忘れていてもおかしくないのに、作中で黒田の記憶が曖昧になってる描写はほとんどない。
○その他
◇ズバリ、赤井家の中で最も高い推理力を持つのは誰ですか?-A.ダントツで務武です(週刊少年サンデーS 2020年3月号)
→並外れた推理力、戦闘力を持つ務武だからこそ、並外れた能力を持つであろうRUMを追い詰め、義眼にする事ができたのでしょう。
少し話は逸れますが、RUMに対する復讐を目論んでいると思われる若狭留美もかなりチートキャラですよね?推理力はコナン以上だと思われるし、戦闘力もあの安室を一瞬で気絶させてしまうレベルです。なぜ作者は若狭留美をこんなに強い設定にしているのか?私は、この設定がまさに"RUMがいかにチートキャラなのか"を具現していると思います。あのハゲ脇田相当チートキャラでしょうね…笑
◇長野県警が関わる事件には『赤』が多いように思いますが、何かの伏線?-A.……いや、たまたま。(SDB JUSTlCE+ Q70.)
→たまたま、だと答えつつも……を入れているのが気になります。なぜ……を入れたのでしょう?私はこう考えてます。長野県警が関わる事件に『赤』が多いのは本当にたまたま。しかし、長野県警組の一人だった黒田兵衛は"赤"井務武と深い関係にあります。なので、たまたまだと断言してしまったらウソになってしまいます。なので含みのある答え方をしたんだと思います。
よくネットの考察とかを見ると、86~87巻「県警の黒い闇」での紅茶党など、黒田=務武を示唆する描写があるという意見を見かけます。しかし、これらの描写は黒田=務武を示唆しているのではなくて、黒田と務武に関係がある事を示唆しているのだと私は考えます。