この旅の目的地四つ目!
(一つ目はマタニ。二つ目は棟方志功記念館。三つ目はマロン。)
青森県立美術館で開催されていた奈良美智さんの大規模個展〜The Beginning Place ここから〜を観てきました。
この個展の情報を知った時に、青森行きたいなーとふわふわ旅を計画し始めたのです。
中学生の時の修学旅行を除いて、初めて青森に来た時も目的は奈良美智さんの個展でした。そこから、青森ごと大好きな場所になりました。(まだ青森市と弘前市しか訪れられてないんですけどね。)
建築家青木淳氏が設計した青森県立美術館。
何もかもがかっこいんです。看板から書体から。
わーーーー!ついに来た来た!
久しぶりに来たーー!と心躍ります。
この美術館に入れるだけでも嬉しい。
美術館が出来た年にも来たので、本当に本当に隅から隅まで真っ白だった頃を知っているので、建物から年月を感じてしみじみしちゃう。近くにある三内丸山遺跡から構想を得たというお話を読んだことがあるんですが、この美術館も時を刻んでいるんだなと思いました。寂れるのではなく、年輪のように重厚な時間を過ごしている感じがしました。
開館時間の少し前に着いたので少しだけ並びました。
このポスターの目の前に並べたのも嬉しかったな。
最近はかなり多くの美術館が撮影OKになりましたよね。
今回も全てOK。
奈良さんの学生時代の絵。
初めて見た気がします。こういうのを見ると、当たり前なんだけど本当に上手いな、と思ってしまいます。
好きな芸術家の方の初期の作品を見るのが好きなんですが、始まりは皆めちゃくちゃストレートに絵が上手い!そこから自分の表現したいもの、自分なりの表現の仕方などを模索していく中で各々のスタイルというか独自の手法に進んでいくんだけど、絵を学んでいる時とか己を投影せずにスケッチしている時期のものはただひたすらに上手い!と唸ってしまいます。
奈良さんが自分の一本の幹を見つけるきっかけになった、封筒の山。自分の生きてきた時間を感じて愛おしくなったそうです。
なるほどなーと。日常の当たり前に繰り返される動作とその結果も生きているからこそ積み重ねられるもの。ポンと置かれたお家の置物が守り神のようだなと思いました。
写真がOKだとついつい作品を撮ってしまいますが、
私は好きな展覧会はたいてい図録を買うので、そんなに写真撮らなくてもいいかと気付き、会場の雰囲気がわかるような場面に出くわしたら撮ることにしました。
これ、今回一番好きな写真。
そして、好きな作品です。
奈良さんの描く女の子に熱が加わったような感じがして。みずみずしさと柔らかさ印象的でした。
キラキラとした涙も気になります。
とても心地よい空間なんです。
奈良さんの作品と美術館が凄く合ってるんだろうなー。
何度か個展を訪れたので、あ!知ってる!って作品もちらほら。
《I DON’T MIND,IF YOU FORGET ME.》は初めて見た展覧会でそれまで現代芸術家の作品展を見たことがなかったので衝撃と共にこんなに楽しいのか!とワクワクしたのを今でも鮮明に覚えています。
懐かしい子達。
可愛いなー。
芸術家の机。
こういう感じ憧れたなー。
奈良さんの弘前での青春がぎっしり詰まったロック喫茶《33 1/3》が再現された作品。
大学生と高校生が集まってこの小屋を自分たちで作って、お店をやっていたのだから凄い!一緒に味わっていないのに、じわっと熱いものが蘇ってくる感じがしました。
奈良さんを知ったのは私がハタチくらいの頃で、将来絵に携わることで食べていけたらなぁってぼんやり思っていて、奈良さんのロックを聴きながら絵を描くというスタイルがもの凄くかっこよくて「私もロックを聞いてみよう!」って格好だけを真似しようとしたこともありました。
結果的には音楽を聴きながら絵を描くというスタイルは私には合わず、もっぱら芸人さんのラジオを聴きながら仕事しています。
集中の仕方は人それぞれですね。
先月の25日で閉幕しましたが、本当にこのために来ようと決意して良かったなーと、遥々来た甲斐がありました!
大規模な展覧会なので全国巡回するのかな?と思ったらどうやらしないようだったので、これは行くしかない!となりました。
これはやっぱり、地元の青森でやるからこそ意味があるんだなって思える展覧会でした。
奈良さんのこれまでとこれからをじっくり見せてもらい、たくさんの想いを感じられた気がします。