今回のワールドカップを見ていて、サッカーの素人の僕の頭に、ふと「サッカーのグローバル化」というのがよぎった。今までワールドカップを見ていて、こんな事を感じたことはない。以前このブログで書いたように、僕がサッカーに興味を持ち始めた1970年頃は、世界のプロサッカーのスーパースターは、ほとんどが自国のサッカーリーグでプレーをしていた。しかし現在では、世界中から国を代表する選手達がヨーロッパのプロリーグのチームに集まり、それぞれのチームはさながら「多国籍軍団」の様相を呈し、選手達は、日々現代サッカーの最先端の戦術に取り組んでいる。そしていざワールドカップとなると、各国は主にヨーロッパで活躍している選手を中心にチームを編成する。また監督も自国の監督ではなく、海外から招へいしている国も多い。この様な状況になってくると、こちらとしては、各国の独自の戦術を見極めるのが難しくなってくる。とは言っても、ベスト4にはやはり過去に実績のあるチームが残っている。そしてアジアのチームが予選リーグですべて敗退したのは何故かということも考えさせられてしまう。
藤村実穂子は、東京芸大の大学院修了後、ミュンヘン音楽大学大学院に留学し研鑽を積み、ワーグナー・コンクールで事実上の優勝、マリア・カナルス・コンクールで優勝するなどし、「バイロイト音楽祭」には9年連続出演を果たしている。そして欧米における「現在最高のメゾの一人」と称されている(ウィキペディア)。僕が最初に藤村の歌を聞いたのは、2012年のNHK「ニューイヤーオペラコンサート」だった。その後、マリス・ヤンソンス指揮のバイエルン放送交響楽団のベートーベンの「第9」の演奏を聞いた。そして、2013年のNHK音楽祭で、チョン・ミョンフン指揮のフランス放送フィルハーモニー管弦楽団演奏会のプログラム、ビゼー「カルメン」特集を聞いた。藤村は何曲か歌ったが、何と言っても圧巻は最後の曲であった「ロマの歌(にぎやかな楽の調べ)」だった。最初管弦楽のゆっくりしたテンポで始まり、アチェルランドしてゆきクレッシェンドしてゆくという大変盛り上がる曲だが、途中から静かに歌い始めた藤村が、最後は指揮者、オーケストラとぴったりと息を合わせ、力強く歌いきった。会場の拍手はなりやまず、とうとう藤村はアンコールで、サンサーンス作曲歌劇「サムソンとデリラ」の中からアリア「あなたの声に心は開く」を聞かせてくれた。本当に声が良く、特に「さび」のところは拝みたくなるような熱唱だった。
昨年、グスターボ・ドゥ ダメル指揮でミラノ・スカラ座のヴェルディ作曲歌劇「アイーダ」を聞いた。何年か前にやはりスカラ座の「アイーダ」を聞いたが、今回は演奏会形式(NHKホール)だった。通常オペラは、見る楽しみというのもあるが、演奏会形式のオペラというのも、演奏に集中できるので、それはそれでいいなと思った。ドゥダメルはまだ若い指揮者だが、統率力と求心力を兼ね備え、今後の活躍が楽しみだ。それから、アイーダ役のソプラノのホイ・ヘー(中国出身)の、声の力強さと太さには驚いた。大した歌手だ。メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェッローナはよく通る声で、劇的な歌唱を聞かせてくれた。バリトンのアンブロージョ・マエストリとバスのマルコ・スポッティもいい声をしていた。そしてミラノ・スカラ座合唱団とミラノ・スカラ座管弦楽団が、イタリアのトップクラスのものであろうということは容易に想像がつく。「アイーダ」は、子供が中学生の時の音楽の教材だったが、歴史ロマンを感じさせるスケールの大きいすごいオペラだ。