「合唱」からイメージされるものは、まず中学と高校の時のクラス対抗の合唱コンクールだ。それぞれのクラスが色んなところから曲を集めてきて、フォーク・ソングを合唱したり、教科書通りに合唱したりとさまざまだった。そのような合唱のイメージが変わったのは、高校の文化祭のステージで、母校の混声合唱部の「蔵王~早春~」を聞いた時だ。今まで一度も聞いたことのない曲で、聞いていて、本格的な合唱曲だというのはわかった。母校の合唱部はそんなに人数も多くないし、校外で活躍もしていなかった。しかし、「蔵王~早春~」はハーモニーが柔らかく、男声と女声のブレンドが大変耳に心地よかった。また楽しそうに合唱をしている姿はさわやかだった。その時、合唱もいいなと思った。僕は、最近では、定期的にコンサートをやったいる「女声合唱団」を聞きに行ったり、NHK全国学校音楽コンクールを聞きに行ったりして、時々合唱も楽しんでいる。
僕の妻は、子供の時にはバレエは習っていなかったが、学校を卒業してジャズ・ダンスを習い始めてから、クラシック・バレエの必要性を感じたらしい。ジャズ・ダンスは大きな発表会の後やめたらしいのだが、結婚後、何度かバレエ教室に通っていた。僕も彼女からクラシック・バレエの話を聞いているうちに、興味を持つようになり、テレビのバレエの公演や、「ローザンヌ国際バレエコンクール」などを見るようになった。腕が上がった時の手の形、つま先までまっすぐ伸びた片足と腕が同時に上がった時の絶妙のバランス、歩く時のバレエ独特の足運び、驚異の足腰の柔軟性、これらは、バレエの見所のほんの一部だと思う。また、最近のスポーツにおいては、「器械体操」、「新体操」、「フィギュア・スケート」などは、表現力という面で、バレエの素養がかなり要求されるようになってきている。
「わが祖国」は、「高い城」、「モルダウ」、「シャールカ」、「ボヘミアの野と森から」、「ターボル」、「ブラニーク」の6つの交響詩からなる連作交響詩だ。1946年から始まったチェコの「プラハの春音楽祭」のオープニングを飾る作品だ。この音楽祭は、毎年スメタナの命日である5月12日に幕を開ける。1990年には、西側へ亡命していた、指揮者のラファエル・クーベリックが、この音楽祭でチェコ・フィルと歴史的再共演を果たし、世界の音楽ファンに感動を与えた。僕も、これはテレビで見た。「わが祖国」の第1曲の「高い城」は、伝説の吟遊詩人ルミールの竪琴を連想させるハープのメロディーで、静かにゆっくりと始まる。これは聞いている人を、「わが祖国」という歴史絵巻に いざなってくれる。同時にいよいよ音楽祭が始まったという期待感も与えてくれる。「高い城」は実在の城の栄光と没落を表現している。「わが祖国」は、単に、国と自然とその歴史を愛したスメタナの作品というだけでなく、今や、チェコの国民の心のよりどころとなっている。