ナット・キンゴ・コールは、1919年生まれのアメリカの著名なジャズ・ピアニスト、歌手である。三日ぐらい前、どういうわけかナット・キング・コールの声の魅力について考えていた。彼の声は力みがなく、ソフトで決して絞り出していないのだ。普通に話しかけるように声を出しているのに、それが大変よく通るのだ。そんな事を考えているうちに、ふと日本映画の「スウィングガールズ」のラスト・ナンバーの「Love」を歌っている歌手が、ナット・キング・コールではないかと思い始めた。調べてみるとやはりそうだった。初めて「スウィングガールズ」を見た時、ラストの「Love」はアレンジも声も良く、大変ご機嫌なナンバーですごくハッピーな気分にしてくれた。その時誰が歌っているのか考えたが、不覚にもナット・キング・コールの名前は上がってこなかった(彼の歌は、Loveは 聞いていなかったが、Mona Lisa や、Too Young 、Unforgettableなどはよく聞いていた)。それどころか、その後も積極的に調べようともしなかったのだ。本当に情けない話だ。余談だが「Love」というナンバーは「L と書いたら Look at me O と書いたら O.K.、、、、、 」と日本語に訳され昔から広く親しまれたナンバーだ。
去年、2015年のNHK音楽祭における、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるスメタナ作曲連作交響詩「わが祖国」全曲を聞いた。指揮はチェコ出身のイルジー・ビエロフラーヴェクだ。僕は昔からチェコ・フィルにはあこがれを抱いていた。何故なら僕の好きな作曲家であるスメタナとドボルザークを輩出した東欧の国のオーケストラだからだ。「わが祖国」を本家のオーケストラで聞けるというのは大変喜ばしいことだ。楽団員がどれほどの思いを胸に演奏しているのかを想像するだけで、胸がわくわくしてくる。第二作の「モルダウ」で、輝くような木管楽器による前奏の後に、弦楽器によるあの旋律が聞こえてきた時にはさすがに目頭が熱くなった。チェコ・フィルが、今はやりの世界ランキングでどの位置に付けているのかは知らないが、弦も木管も金管も打楽器も一級品である事には間違いない。
2015年9月、広上淳一指揮でN響のドボルザークの交響曲第8番を聞いた。「8」番については、以前このブログで触れたことがあるのだが、僕の大好きな交響曲だ。この曲に関してはレコードもCDも持っていないのだが、何故か隅隅までメロディーを覚えている。どこかで何度もこの曲の演奏を聞いていたのだろう。今回の広上淳一の演奏は実に良かった。何と言っても、彼がこの曲をいかに愛しているかが聞いている者に伝わってくる指揮ぶりだった。そして僕がこの箇所はこのように歌ってもらいたいとか、ここの金管はこれぐらいの大きい音を出してほしいとかの要求をことごとく満たしてくれるものだった。N響の管楽器は本当にに良く鳴っていた。ここ一番で金管楽器などがドカンと鳴らしてくれないと、ブラバン出身の僕などはどうしてもストレスが溜まってしまうのだ。今回の演奏はストレスの解消になった。