「チュニジアの夜(A Night in Tunisia)」は、チャーリー・パーカーらとともに、「ビ・バップ」の立役者であったトランペット奏者のディジー・ガレスピーが、1942年に、ピアニストのフランク・パパレリとの共作で作曲した楽曲である。「ビ・バップ」とは、1940年代初期に成立したとされる。マンネリ化したスウィング・ジャズに飽きた、あるいは本来即興演奏が好きなジャズメンたちが、ライヴハウスや演奏主体の飲食店の閉店後に、ジャム・セッションをしていてそこから発展して生まれたとされる。「ビ・バップ」の時代には和声が極限まで拡張されることとなった。具体的には、原曲のコード進行をさまざまな代理和音を用いてリハーモナイズしたり、頻繁な内部転調を行う、あるいはテンションノートが積極的にもちいられるなどである。また、コード進行がフレーズから聞き取れるようなフレーズづくりも「ビ・バップ」の特徴である(ウィキペディア)。「ビ・バップ」の説明ばかりが長くなってしまったが、ガレスピーの「チュニジアの夜」のアドリブ・ソロを聞く時などは、こちらは、「ビ・バップ」の真髄をなんとか理解しようとして聞くのである。

チャイコフスキーの三大バレエ音楽のひとつである「くるみ割り人形」は、本当に夢のある魅力的な音楽だ。「序曲」、「行進曲(第1幕第1場)」、「アラビアの踊り」、「中国の踊り」、「ロシアの躍り」、「あし笛の躍り」、「花のワルツ」、「こんぺい糖の躍り」など僕の好きな曲を並べてみた。中でも「あし笛の躍り」のフルートの三重奏、「こんぺい糖の躍り」のチェレスタの音色は印象深い。また「花のワルツ」は、単独で演奏されることの多い名曲中の名曲だ。バレエ音楽に精通したチャイコフスキーの「ワルツ」は、交響曲や弦楽合奏曲などにも出てくるが、素晴らしいものが多いと思う。クラシックは肩ぐるしい音楽だというイメージを持つ人は多いと思うが、「くるみ割り人形」は、理屈抜きに大人から子供まで一緒に楽しめる音楽だと思う。


かつてアメリカの第17回モンタレー・ジャズ・フェスティバルに、日本のビッグ・バンドである「宮間利之とニューハード」が出演し、圧倒的成功を収めたことがある。その時に演奏されたナンバーに「ドナ・リー」が入っていた。「ドナ・リー」は、チャーリー・パーカーの自作の曲だが、前田憲男がビッグ・バンド用にアレンジした。この譜面は、日本の多くのビッグ・バンドが、一度は演奏したことがあるのではないかと思う。最初にテーマを演奏し、次にトロンボーンとトランペットが1コーラスずつアドリブ・ソロを行う。それが終わると次に、チャーリー・パーカーのアドリブ・ソロのフレーズをそのままサックス・ソリにアレンジしたものを演奏する。そして最後にディキシー・ランド風にもう一度テーマを演奏して、曲が終わる。この様に前田のアレンジは、おもしろくこったものだ。チャリー・パーカーの「ドナ・リー」は、You Tubeでも色んな演奏が楽しめるが、もちろんアドリブ・ソロは、その時々で違った演奏になっている。