グツグツグツグツグツグツ
(巨大な空間を誇る火口深部に広がるマグマ風呂に「おっさん座り」で壁(断崖)を背もたれに浸かっている超級サイズな覇竜を上から見下ろしている一人称視点)
ヤマオモイ「やっぱり変わってるよ、あの子」(下を覗き込む視点主は、おそらく崖の上に乗っかっているのだろう)

アム・インファーナル「でも悪い子でもないよ。テッサちゃんは」パシャン・・パシャン・・(背もたれにしている壁面の上から流れてくるマグマをあのお手ですくいながら肩湯かましている)
ヤマオモイ「う~~ん・・確かにそうだけど・・・」うねうねうね(視界の下にもじもじとしている視点主の触手のような足が映る)
アム・インファーナル「それにその、クリスマスだっけ?面白そうじゃない。プレゼントが貰えるんだろ?人間も粋なことを考えるよね」パシャン・・パシャン・・
ヤマオモイ「貰えるのは子供だけさ。サンタさんが配るんだよ」
アム・インファーナル「アジャラカン?」パシャン・・パシャン・・
ヤマオモイ「違うよ。サンタさん。真っ赤な格好をした、人間のおじいさんが、クリスマスの夜に、こっそり子供達にプレゼントを配るらしいんだ」
アム・インファーナル「ほら。アジャラカンみたいじゃないか。といっても、アジャラカンがくれるものって言ったら、「岩投げ」くらいなもんだけどね」うわっはっはっはっはっ
ヤマオモイ「よく僕の体内に入ってきていた、人間社会に興味津々の雷光虫の友達が目撃したらしいんだ。そのサンタさんっていう、おじいさんは、虫にも優しかったって」
アム・インファーナル「古龍も見習うべきだね。おっと。もちろん、君は別だよ」パシャン・・パシャン・・
ヤマオモイ「その話をあの子にもしたんだ。そしたら、僕らがサンタさんに扮して、都の恵まれない子供達にプレゼントをあげようって」
アム・インファーナル「エル・ディアラ・サンドリアの?また壮大な計画だね・・それは・・」パシャン・・パシャン・・
ヤマオモイ「だから困ってるんじゃないか。君からも、あの子にやめるよう説得してくれよ~
アム・インファーナル「でも楽しそうじゃない。この大陸の人間達は、俺達を崇拝しているんだ。だから君が見てきた大陸のような「いざこざ」も少ない。たまには人間にプレゼントするのも悪くないかも」ねちゃ・・(マグマ風呂の中より、溶岩石で作ったのだろう、黒くてゴツゴツな特大サイズの葉巻みたいのを取り出す)
ヤマオモイ「のんき言っちゃって。それから、それ、体に悪いからよしたほうがいいよ」
アム・インファーナル「ときには羽目を外すのも悪くないさ」ふかぁ~~~(溶岩葉巻をやりながら。おそらくは溶岩葉巻に詰まっている「高温なあれこれの成分」がたまらないのだろう)
ヤマオモイ「僕は静かに暮らしていたいの」はぁ~~
アム・インファーナル「思い出を増やしたくないのかい?それじゃあ、一生、天下という山を掴むことはできないぜ」ふかぁ~~~~(下から蒸気たっぷりの煙が視点主に浴びせられる)
ヤマオモイ「ケホッケホッ。思い出は必要だけど、危険を冒してまで作りたくないよ」ふおんふおん(あのお手で煙を払いながら)
アム・インファーナル「君は十分、冒険をしてきたじゃないか」ふかぁ~~~
ヤマオモイ「ええ?」
アム・インファーナル「君はこのアヤ大陸に渡って来れたんだ。あのル’ヴォー達の目を掻い潜ってね。それだけでも奇跡さ。だから君と僕、そしてテッサちゃんが出逢ったこともまた、意味のある奇跡なんだ。そういうの、シンクロニシティっていうらしいぜ」ふかぁ~~~~
ヤマオモイ「・・・・・・・・・・」モワモワモワモワ
??「お~~~~い」
ヤマオモイ「え?」ちら
バッサバッサ・・バッサバッサ・・(見上げる大きな火口より太陽光をバックに翼の生えたハーフ・ドラゴンが舞い降りてくる)
アム・インファーナル「テッサちゃん♪」
テグゾ・テッサ「やっぱりここにいた。男二人で何を話していたんだい?」しゅとっ(覇竜のでこの上に)
アム・インファーナル「クリスマスの計画についてさ。な、ヤマちゃん」なでなで(覇竜のごつい頭殻を撫でるテッサ)
ヤマオモイ「え・・・僕はまだやるとは・・」うねうね
テグゾ・テッサ「なんだい、モジモジして」
アム・インファーナル「ヤマちゃんはテッサちゃんのことが気になってるのさ」
ヤマオモイ「な、なにを
アム・インファーナル「だってそうだろ?テッサちゃんには僕らと同じ龍の血が流れているんだから。恋愛対象になってもおかしくないさ」ふかぁ~~~~
ヤマオモイ「れ、れ、恋愛だなんて
アム・インファーナル「テッサちゃんはどうなのさ?」ふかぁ~~~~
テグゾ・テッサ「そりゃ前までは人間しか恋愛対象としては意識してこなかったけど、最近は、みんな同じに見えるっていうか、ヤマちゃんもアムちゃんも、森の生物も土も水も風も空気もみんな同じように感じるんだよね」
ヤマオモイ「へぇ・・・・」
アム・インファーナル「ほら、チャンスがあるってことさ」こそっ
ヤマオモイ「そ、そ、そんなことより、クリスマスの計画だ。僕はイエスとは言っていないからね」ふん
テグゾ・テッサ「ダメだよ。この計画はヤマちゃん無しでは成し遂げられないんだから」バッサバッサ(視点主の頭の上に飛んでくる)
ヤマオモイ「どういうこと?」(上を見上げながら)
テグゾ・テッサ「ヤマちゃんの力が・・・って、ヤマちゃんの頭の上、木が生えてるんだねぇ~。花も咲いてる」がさごそ(上から探索しているのだろう声が)
アム・インファーナル「ヤマちゃん自身が、動く大陸なのかもね」ハハハハハ
テグゾ・テッサ「ほんと。ヤマちゃんが種を撒き散らせば、西部にも花が咲くかも・・・そうだ。この木を使おう」がさごそ
ヤマオモイ「え~?」
テグゾ・テッサ「プレゼントはこれで決まりだね。あとは作戦会議だ。いいね?」しゅとっ(視点主の目の前に下りてくる)
ヤマオモイ「ええ~~??」
シャンシャンシャンシャン♪
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
~Recollection外伝~X'mas SP
アヤの聖夜を舞う浮岳龍と半竜の狩人

イ~イ~!カンカンカン!イ~イ~!カンカンカンカン!
(広大なスパーンスコーン山脈を背景に、独特な龍のウッドマスクを各自装着した奇面族達が屈み込んで集まりながら、なにやら木彫りの人形を彫っている光景をじっと見つめている視点主)
ヤマオモイ「・・・・・・・」イ~イ~!
カンカンカン!カンカンカンカン!
(奇面族達は実に手際よくノミを打ちながら、ネコの木彫人形を仕上げていく)
ヤマオモイ「すごいなぁ・・・」イ~イ~!
テグゾ・テッサ「どう?みんな頑張ってるみたいだね」バッサバッサ(森の方から相変わらずの猫背ホバリングで大きなタルを抱えながらやってくる)
シャーマラーン・ハハーン族のご先祖「イ~イ~!イッイッ。△○□」ほれ(と木彫りのネコ人形を見せる)
テグゾ・テッサ「いいねぇ~。きっと喜ぶよ。はい、これ」どすん(タルを下ろすと、奇面族達がこぞって「イ~イ~」と集まってくる)
ヤマオモイ「なんだい?それ」イ~イ~
テグゾ・テッサ「ドスパパヴェルさ。それもラ・エメシスの各地に咲いている、希少な代物さ」イ~イ~!(興奮しながらタルの中に頭を突っ込んだりしている奇面族達)
ヤマオモイ「ドスパパヴェル?」
テグゾ・テッサ「そうさ。元素の力を含んでいるんだよ。ヤマちゃんが知らないってことは、外の世界には咲いてないんだ」イ~イ~!
ヤマオモイ「へぇ・・・君達はそれを何に使うんだい?」(こっちを見上げている族長と思しき、ひときわでかいウッドマスクをつけた奇面族に向かって)
族長「○○△○、□○○?△○。□□△○」ごにょごにょごにょ
ヤマオモイ「え~~?」
テグゾ・テッサ「薬に使ったり、護身用の道具を作ったりするんだよ。混ぜ合わせると、すごい火薬にもなったりするんだ。あたしも彼らから教えてもらった」イ~イ~
族長「△△△○。□○□□?○○□△○」ハハ~~~(視点主に向かってひれ伏す奇面族達)
ヤマオモイ「??」
テグゾ・テッサ「ヤマちゃんに「生えてる木」も神聖な力が込められているって。その神木を使って、人形を作れるのが嬉しいってさ」ハハ~~~
ヤマオモイ「そんな、僕は何も・・」ハハ~~~
テグゾ・テッサ「アヤの民は竜を、モンスターを崇敬している。ましてやヤマちゃんやアムちゃんは、言葉を話せるから、尚更、ありがたい存在なんだよ」ハハ~~~、ハハハ~~~~
ヤマオモイ「なんだか照れちゃうなぁ~」ハハ~~~、ハハハ~~~~、ハハハハ~~~~
テグゾ・テッサ「ハハ~ン族なんて、どうだい?あははは」
族長「・・・・・・・」う~~ん(顎に手をあてながらまんざらでもないご様子)
テグゾ・テッサ「よし。あたしも手伝うよ」イッイッ(奇面族のボーイがテッサにノミを渡す)
ヤマオモイ「なんだか緊張してきちゃうなぁ・・
テグゾ・テッサ「アムちゃんは飛べないからね、先に出発したよ。三人で力を合わせれば平気さ」カンカンカンカン
ヤマオモイ「アムちゃん、大きいから見つからなければいいけど・・」
テグゾ・テッサ「心配性だねぇ~。今夜は月隠れだし、アムちゃんは夜まで潜っているんだから大丈夫だよ」コンコンコン(微調整しながら彫っていく)
奇面族の嬢ちゃん「イ~イ~」
ヤマオモイ「え~?」
奇面族の嬢ちゃん「イッイッ」(なにやら不細工なタコみたいな木彫り人形を差し出してくる)
ヤマオモイ「??」
テグゾ・テッサ「あははは。これ、ヤマちゃん?上手にできたじゃないか」なでなで(嬉しそうな嬢ちゃん)
ヤマオモイ「これを僕に?」
奇面族の嬢ちゃん「イッイッ♪」
ヤマオモイ「ありがとう。大切にするよ」しょるしょる(長いお手を伸ばして嬢ちゃんの頭を撫でる)
テグゾ・テッサ「歯の間にでもしまっておけば?」あははははは(笑う奇面族達)
ふおんふおんふおんふおん
(雲を貫きながら碧天の夜空を緩やかに飛空していく一人称視点)
ヤマオモイ「・・・・・・・」ハラハラ(しながら頭上を流れていく星々に時折視点を合わしたりも)
にょっ(そんな視界の上から逆さになったハーフ・ドラゴンなテッサの顔が)
ヤマオモイ「うわっ
テグゾ・テッサ「あははははは。いい調子だよ。これなら予定通り都に到着できそう」ふおんふおんふおん(再び視点主の上に登っていく)
ヤマオモイ「・・君は都にいたことがあるって言っていたけど、どうして離れたんだい?」ふおんふおんふおん・・
テグゾ・テッサ「言いたくない」(そっけない声が視界の上から)
ヤマオモイ「・・どうやって黒龍と契約を交わしたの?」ふおんふおんふおん・・
テグゾ・テッサ「教えない」
ヤマオモイ「・・いろんな大陸で黒龍の噂を聞いてきた。とっても凶暴で、遭遇したらどんなモンスターでも太刀打ちできないとか、黒龍が出没した地域は、生物が二度と生息できなくなるとか、そもそも実態がないお化けなんじゃないかっていうモンスターもいた。でも、どれも言い伝えばかりで、信憑性のないものばかりだった。本当に存在するのかい?」ふおんふおんふおん・・
テグゾ・テッサ「いるよ。ラ・エメシスに」
ヤマオモイ「・・アムちゃんから聞いた。とても荒れ果てた禁足地だって。あのアムちゃんでさえも近づくのが嫌だって言っていた。そんな場所で君は平気なのかい?」
テグゾ・テッサ「そりゃあ、小さい頃は華やかな場所に憧れたもんだよ。でも、口うるさい大人がいないから、自由っちゃ自由だよ。もちろん、少しはルールがあるけど、子供の頃の生活に比べたら、う~~んと楽しい。都に心残りがあるとすれば・・・・あっ。ゾゲージョ要塞が見えてきたよ」
ヤマオモイ「見つからないかなぁ~
テグゾ・テッサ「平気だよ。こっちは高いとこにいるんだから」ふおんふおんふおん
ドシューーーーーーーン!!
(次の瞬間、目の前に急浮上してきた滅尽龍が姿をみせる)

ル’ヴォー「・・・・・・・・」ブワッサ!!ブワッサ!!
ヤマオモイ「ひえええええええ
テグゾ・テッサ「ちょっと!!脅かすんじゃないよ!!」
ル’ヴォー「・・・・・・・・」ブワッサ!!ブワッサ!!
テグゾ・テッサ「彼はヤマちゃん。乱暴するんじゃないよ?ル’ヴォー」
ヤマオモイ「や、や、や、やぁ、はじめまして・・」ふおんふおんふおん
ル’ヴォー「prey・・・どうやって渡ってきた」ブワッサ!!ブワッサ!!
ヤマオモイ「ひいいいいい
テグゾ・テッサ「よしなって。たまたま、今日みたいな月隠りだったんじゃないの?あんた達だって、見落とす時だってあるさ。そんなことより、あたし達は忙しいの。そうだ。そしたらさ、あんた、要塞の目を引いてくれる?あ、でも殺すんじゃないよ?要塞の近くで咆えるだけで十分。よろしくね」
ル’ヴォー「・・・・・・・・」ブワッサ!!ブワッサ!!
テグゾ・テッサ「行こう、ヤマちゃん」
ヤマオモイ「そ、そ、そ、そ、それじゃあ・・・」ふおんふおんふおん・・(恐る恐る滅尽龍の横を通り過ぎていく)
テグゾ・テッサ「ああ、それから。アムちゃんもどっか近くに潜っているから、見かけても喧嘩するんじゃないよ?大事な計画があるんだから。邪魔したら、本気で怒るからね」ふおんふおんふおん・・
ヤマオモイ「だ、大丈夫?」ふおんふおんふおん(少し背後を気にかけながら)
テグゾ・テッサ「言うほど悪いやつじゃないんだ。って言っても、アムちゃんの仲間はあいつに食べられちゃったから、彼はル’ヴォーのことが大嫌いなんだよね。あたしと知り合う前までは、よくル’ヴォーと喧嘩・・殺し合いレベルのね。していたみたい」はぁ~
ヤマオモイ「そうだったんだ・・・」
テグゾ・テッサ「ル’ヴォーも退屈なんだよ。っていうか、あいつなりに自分と同じ、言葉を話せるモンスター達に興味があって、接近したはいいけど、あの風貌だからね。きっと敵対者と勘違いされて、ろくに話もしないで、そのまま縄張り争いに発展しちゃったのかも。なんてね。そうやって、アムちゃんの怒りを抑えてるだけ。あいつは、ただ、自分より強いものを探しているだけなんだよ。自分にはない、力を持った存在をね。だからヤマちゃんにも興味を持ったのかも」
ヤマオモイ「ええ!?僕なんて、なにもないよ
テグゾ・テッサ「どうかな。ヤマちゃんと同じ種族を見たことないから、わかんないけど、さっきのル’ヴォーの反応といい、たぶん、ヤマちゃんはスペシャルな存在だと思うよ。そのうち、才能が開花するさ。あたしはそう思う」
ヤマオモイ「・・・・・・・・」ふおんふおんふおん
ヴォオオオオオオオオ!!
(背後より怒涛の咆哮が)
ヤマオモイ「ひえええええええ
テグゾ・テッサ「あのバカ!こんなとこで咆えたら、見つかっちゃう!急ごう、ヤマちゃん!」てし~ん(ひっぱたかれた音が上から)
ヤマオモイ「ひえええええええ
To Be Continued
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明日の「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」も
第360話 Recollection外伝~X'mas SP
アヤの聖夜を舞う浮岳龍と半竜の狩人/PART3
じゃぞ。そんだらば!次回も見よう!読も見ようぞよ!!
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録


