プラトン(恋・魂)14 | コラム・インテリジェンス

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透き通るような…心が…ほしい

「名言の真相は?

マリー・アントワネットが

贅沢王妃と呼ばれた理由」

https://www.cosmopolitan.com/jp/

 

 マリー・アントワネットは

 いまだに何かと取沙汰されるけど、

 

 彼女の家庭教師であるルソー、

 ジャン・ジャック=ルソーに関しては、

 我が国ではとくに、

 哲人としても思想家としてもほとんど、

 取沙汰されることがないというのが、

 

 なんとも情けないのか哀しいのか、

 わからないようなわかるような、

 そんな気持ちにさせられます。

 

「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」

ジャン=ジャック・ルソー 1 | コラム・インテリジェンス (ameblo.jp)

 

 そういえば、

 

 アレクサンダー大王の家庭教師が、

 

 ソクラテスの孫弟子の

 アリストテレスであったということも、

 

 ほとんど知られざるトリビア

 となってしまうのでしょうか。

 

ディオティマ

「人間は、自分のうちに同じものを片時ももっていないにもかかわらず、同じ“人”と呼ばれており、髪でも肉でも、骨でも血でも、すなわち身体の全体にわたって、さまざまなものを失いながら、その人はたえず新しくなっているのです。

 そしてこれは身体の面に限らず、魂の面においてもまた、諸々の傾向や性格、思い、欲望、快楽、苦痛、恐れ等々、これらの各々(おのおの)は片時も同じものとして各々(おのおの)にそなわっていず、あるものは生じ、あるものは滅びているのです。」

(「饗宴──恋について」プラトン)

──西洋古典叢書──京都大学学術出版会

 

 「あるものは生じ、あるものは滅びる」

 

 人間の肉体でも精神でも魂それ自身でさえ、

 全地球の生きし生かされしものども、

 全宇宙のすべての物質、万物すべてにおいて、

 

 「あるものは生じ、あるものは滅びる」

 

 これこそ絶対的な法則、真理でさえ 

 あるといえるのかも知れません。

 

「実際、哲学に正しい仕方で本当に携わっている人々が、みずから励んでいるのは、死ぬこと、死んだ状態になること以外の何ものでもないのが、おそらくこのことは、ほかの人たちの気づかぬところだろう。」

(「パイドン─魂について」プラトン)

 

 この点、

 哲学者と修険者、仙人等々は、

 たいへん似ているようです。

 

 というのも、人間は、

 他の生き物と違い、精神があるから、

 悩んだり苦しんだりするわけで、

 

 この精神を無にしてしまえば、

 そう、ちょうど仏教僧が無の状態を

 至上悟としてとらえるように、

 悩みも苦しみも消滅する

 という考え方から来ているもののようです。

 

 死んでしまえば肉体も精神もなくなり、

 アタリマエに無の状態を創造できる

 という理屈であるのかも知れません。

 

「賢い人とは、死が穏やかな世界への旅立ちだと信じられる人である。 

だから、彼は、死が近づいてもあわてふためくことがない。」

(「老年について」キケロ)

 

「パスカル『パンセ』32」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12589970936.html

 

 やはり死は

 安楽、安寧の境地であるようにも

 思われなくもないのです。

 

「真に善き人と、真の哲学者は、肉体には興味を抱かず、魂にこそ重きをおいている。彼らは肉体を鍛えあげたり衣服で着飾ったりすることには興味を示さず、もっぱら知性と教養を磨き、精神を鍛え上げることで、善き魂を手に入れることを熱望する者たちなのである。」

(「パイドン─魂について」プラトン)

──西洋古典叢書──京都大学学術出版会