アレクサンドリア 5 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような…心が…ほしい

 本当に、

 梅雨明けしていたのかしていないのか、

 

 「梅雨明け宣言」などは廃止して、

 なんなら

 「いつからいつまでが梅雨なのか

  そうでもないのかわからない」

 

 で、済ませておくくらいが

 ちょうどよろしいのかも

 知れなかったようにも思われます。

 

 梅雨ということばの代わりに、

 「初夏にありがちな天候不良」

 

 という表現で済ませてしまっても

 よろしいようにもそうでもないのかも

 しれないような気もしないでもないのです。

 

「これらを読む我々は、観客席の最前列にでも坐って、舞台上で繰り広げられるドラマを、息を殺して見つめているような気分になる。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 当コラムの

 「アレクサンドリア4」でもご紹介した、

 ソクラテス裁判関係著作数冊の書物を

 指し示しているとも思われます。

 

「西洋哲学はギリシアに始まってギリシアに終わる、とは思っているが、その世界での最大スターがソクラテスなのであった。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 個人的に僕は、

 哲学者ソクラテスに、

 特別な思い入れが

 あるわけではありませんが、

 

 当コラムにおいても実は、

 最大頻度で登場する人物こそ

 ソクラテスその人でもあったようです。

 

「また、『パイドン』で描かれている毒にんじん入りの飲料を満たした杯を飲み干した後のソクラテスには、苦しそうな様子が見られないことも考えさせられる。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 毒ニンジンは是非、

 僕も手に入れておきたいものではあります。

 

「安楽死の方法としては、理想的にさえ思える。少なくとも、毒杯は自分で飲み干すのだから、死刑ということでは同じでも、絞首刑などと違がって、よほど人間の尊厳に配慮したやり方ではないか。

 ソクラテスも、見苦しい振舞いはいっさいすることなく、自分の生涯に自分で幕を引いたのである。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 醜悪なるこの世に

 未練がないのであれば、

 毒ニンジンは是非とも、

 賢者の必需品と

 なって来るようにも思われます。

 

「ソクラテスの裁判は、哲学上のテーマに留まらず、歴史上のテーマでもあるのだ。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 やはり、

 僕の評価はあてになりません。

 

 僕の評価と違い、

 ソクラテスは歴史上でも

 哲学上でも

 アタリマエに、

 超重要人物であるようです。

 

「我々は、哲学・数学・医学・歴史・建築・造形・美術・芸術・法律に留まらず、民主政から教育制度などで、なんにせよ、古代ギリシア人に負っているのである。」

(「ギリシア人の物語Ⅲ新しき力『アレクサンダー大王』」塩野七生)

 

 自分の立ち位置も知らずに

 マトモに

 生きていけるはずもありません。

 

 我々はギリシア人、ギリシア哲学、

 ギリシアを学ぶところから、

 始めなければならぬようです。