次男君が産まれた日のこと《後編》 | 裏庭のないしょ話

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心の中のこと

前回のつづき

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昨年(2007年)助産院に関する法改正があり、助産院は小児科を併設する産科病院との提携が必須になったそうで、提携先の見つからない助産院はつぎつぎと閉鎖に追い込まれ、また提携を快諾してくれる病院もなかなかないために新たに助産院を開設することも難しくなったそうです。

そんなこともあり、いつもの私ならば

「先生、そんなこと言わないでここで産ませてください~」

と駄々をこねるのですが、そんなことをして先生に迷惑をかければ、助産院の存続の危機、ひいてはこれから助産院で出産をする妊婦さん達に迷惑をかけてしまうことは分かりきっていたので、先生の勧めに従い、提携先の個人病院へと向かいました。

提携先の病院は日曜日で休診だったこともあり、静まり返った院内は寂しげで赤ちゃんの泣き声も聞こないのがますます冷たい雰囲気に思え、心の中でため息をつきつつも、言われるままに内診室に。

「先生が来るまで処置しておきますね」

と言われて内診台に乗り“そうか、病院だとこんな格好で産まないといけないのか・・けっこう角度がきついな~、足が固定されて苦しいなあ”なんて思っていたら、

「じゃあ、こちらを綺麗にしますね」

と看護師さんに明るく言われ、

「え!私のソコ、そんなに汚いっすか!一応、お風呂に入って綺麗にしておいたんですけど・・・」

焦りまくる私の視界の端にきらりと光る刃物が・・・。

「は!そうか、病院では剃毛するのね!あとで、浣腸もするんだよね。いやーん、助産院と違って、いろいろ新鮮かも~。こうなったら病院での出産を楽しんじゃおうっと」

と、あっさり病院での出産を受け入れ、ジョリジョリとテーモーされた後に待合室に戻ると、競馬新聞のような物を持った先生がテレンコテレンコとやる気のかけらも見せずに登場!

まずは助産院の院長先生が呼ばれ、話をすることに。
待つこと数分。
戻った院長の口から出た言葉は

「先生がね“待ってればそのうち出て来るでしょ。助産院の戻って産んでも良いよ。朝まで頑張って産まれなかったら戻ってくれば”って言ってるんだけど、あなたはどうしたい?」

そりゃあ、助産院に戻って産みたいでしょう!一旦腹をくくったけれど(笑)
おお!先生のやる気のなさにカンパーイ!

そうだよね。日曜日だもんね。
競馬とかオートレースとかなんかいろいろあって忙しいよね。
お産なんかしてる場合じゃないよNE!・・・ってオーイw

そんな訳で、またしても助産院の戻るはめに。


助産院に戻ったはいいものの、まだまだ始まる様子のない陣痛。

田舎から朝イチの新幹線で駆けつけた母は飽き始めた長男君を連れて散歩に。
お昼ご飯を抜いていた主人はお昼ご飯を食べにそれぞれ出かけ、私は一人病室で陣痛待ち。

すると、ほどなく感じ始めた強い張り!これぞまさに陣痛!
時計を確認すると時刻は午後3時40分。

次の陣痛は4分後。
誰も気づいてくれないので、病室で一人呼吸法を続け、トイレに行ってナプキンを替えたり・・・。

長男君の時より冷静に今の自分の中で起こっていることが判断できていたので、陣痛が来るたびに赤ちゃんがどれぐらい下がっているかが何となく分かり、

「や、やばい・・・このままでは誰にも発見されないうちに産まれてしまう・・長男君の立ち会いは愚か、パパもどっかプラプラしているうちに産まれちゃうよ~。せめて助産師のどなたか気づいてください汗

心の中で叫ぶこと30分。
ようやく様子を見に来た院長が陣痛に耐える私を発見。
その後どうにか産まれる前に主人も発見され、母にも連絡して長男君を連れ戻してもらって全員集合。

長男君はずっと私の枕元で遊んでもらおうとしていたので、陣痛が来るたび顔に「フゥーフゥー」と息をかけてあげたら大喜びでケラケラ笑い転げ、その笑い声がおかしくてこっちも陣痛中だというのに、ケラケラ。

また陣痛が来て目を開けると、長男君が私に向かって手を差し伸べて来たので、

「おおう!母を心配して手を握ってくれるのね!」

差し出された手をぎゅっと握ろうとしたら

バシっ

思いっきりはねのけられました・・・な、なんで!?

そんなことをしつつも、テレビに映っていたマクロスを見ていたら、突然、なんとも表現しがたい衝撃が!

それまで普通に呼吸法を続けていたのに、その衝撃に驚いてしまい「ぎょええええ!!」だったか「うぐわぁ!」だったか、とにかくなにかを大声で叫んでしまい、驚いた主人があわてて長男君を病室の外に。

今まではボーリングの球がゆっくりゆっくり骨盤をメリメリと押し開きながら数ミリずつすすんでいるような感じだったのが、そこからはもう、そのボーリング玉にトイレのつまりを取る吸盤付きの棒(なんていうの?)をくっつけて無理矢理引っ張っているような感じに!

もう本当に

「ぬおおおおおおおおおお~!」

という感じ。

この感覚は長男君の時にはまったくなかったので、とにかくびっくりでパニック状態。

早くこの状況をなんとかしなければ、と思わずいきんでしまい、院長に

「まだいきんだらダメよ」

といわれ、我慢しようとは思うのですが、もうこの勢いは止められない!!
気づいたら主人が枕元で手を握りながら

「裂けないように頑張る、でしょ?」

と言っているのが聞こえ、

「は!そうだ!このままだと裂けてしまう。もっと冷静に・・・」

ようやく自分を取り戻し、

「全開大!よし、もういきんで良いわよ」

という院長の声が聞こえると

「院長・・・小さいから全開になる前に抱いちゃいましょうねって言ってたよね・・」

と思いつつ、主人の手を握りながら力を入れたり抜いたり。
院長先生が裂けないようにマッサージしているのが分かり、助産師さんのリードにあわせて、ゆっくりゆっくり・・・。
足の角度をいきみやすくて痛くない角度に変えながら、そーっとそーっと。

う~~~。
ニュル。
あ、頭出た・・・。

う~~~。
ニュル。
あ、肩が出た・・・。

ふぅ~~~。
ニュル。
あ、全部出た・・・。

ドバドバドバ~。
え?何が出た?!

4、5回いきんだだけで、次男君誕生!
午後5時44分。
陣痛が始まってわずか2時間。
やっぱり2人目は早い!

最初の衝撃が来た時に、次男君の頭がぎゅっと締め付けられたらしく、産まれた次男君の顔は顔面皮下出血でちょっと青黒い顔。

「大丈夫?」

と声をかけると、大きな産声が。
自分で呼吸もしているし、特に問題もなさそうとのことでしたが、それでも一応検査のために病院に運ぶことになり、主人がへその緒を切った後、すぐにタオルでぐるぐる巻きにされ、体温が下がらないようにドライヤーをあてたり湯たんぽを入れられたり。

提携病院は妊婦の受け入れはするけれど、新生児の受け入れはしないので、搬送先の病院が決まるまでの間、腕枕で寝かせてもらい、その横顔をじーっと見つめながら考えていたのは

「この毛深い顔はなにかに似ている・・・そうだ、あれだ!」

Xメン!



その後、無事に搬送先の病院も決まり、主人が次男君を連れて病院へ。
私は2時間ベッドで休んだ後、トイレに。

ほんの数メートル歩いただけなのに、激しい動悸を感じたので助産師さんにそのことを告げると

「雫石さん、出血が多かったのよ」

とのこと。
普通は500mlぐらいの出血で澄むそうなのですが、私は750mlだったそうです。
そう、最後に出たドバドバは出血だったんですね。

そんな訳で、2度目の出産にして初めて

「いきみた~い!!」

という感覚も体験し、3人の助産師さん、2人の実習生さん、パパ、バアバ、お兄ちゃんとたくさんのギャラリーに囲まれて次男君は誕生しました。
お尻のお肉もついてないほど小さく小さく産まれたけれど、元気の大きく育ち、お産が軽かったおかげで私も3日で退院。すぐに毎日病院に授乳に通えるぐらい元気になりました。

次男君、いろいろ本当にありがとう。
そして6歳のお誕生日おめでとう。

あの日から兄弟になった2人は今日も2人で仲良く遊んでいます( ´艸`)








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