『アルキメデスの大戦』を観てきました〜!
「永遠の0」や第29回日本アカデミー賞最優秀作品で12部門受賞した「ALWAYS三丁目の夕日」の山崎貴監督作品です。
※画像はお借りしました
【あらすじ】
昭和8年、アメリカとの対立が深まり時代は戦争へ突入しようとしていた。そんな中、海軍省は極秘裏に世界最大の巨大戦艦を造船する計画が持ち上がる。海軍少将山本五十六(舘ひろし)は『今後の海戦は航空機が主流』という自論を持ち、低予算で戦艦計画をすすめる造船中将平山(田中泯)に異議を唱える。山本は造船計画を止めるために、元帝国大学の天才数学者・櫂直(菅田将暉)に平山の戦艦の予算が偽りであり国家予算を逼迫させる事を明白にするよう依頼する。
【感想】
始まりの戦艦大和(CG)が大迫力でした!「エッ、大和ってこんなに大きかったの?」って思いました。沈没するところがタイタニックみたいでした。兵士が3000人くらい乗船していたそうなんですが、正直、終戦間際の小さな島国にまだ男の子がこんなに残っていたのかと思いました。
クリント・イーストウッド監督の「硫黄島の戦い」を観ると、アメリカ🇺🇸の軍艦の数ってすごいじゃないですか。戦争を体験していないマロン世代からすると、(歴史を習ってるし、衛星やネットでアメリカの規模や世界の情報が見られるからで)生意気だけど、無茶な事するなと思いますよね。
全体的な感想を言うと、悲惨な状況に向かう前の話(フィクション)なので観やすかったです。視覚情報として耐えられるレベルでした。
実際の軍部はきっと今の北朝鮮🇰🇵みたいに鬼気迫る雰囲気だったと思うんだけど、舘ひろしさんが深刻すぎず、現代的で大らかに演じられていたのでドキドキしなくて済みました。
菅田将暉さんはベテラン俳優陣に囲まれる中で初々しいんだけど、櫂直のキャラである「若さ」「純粋さ」「ひたむきさ」を力一杯演じていて、元気を貰えました。数式を黒板に書きながらセリフを言うシーンは凄かったです。歳を重ねても活躍して欲しいなと思いました。
浜辺美波さんは映画「君の膵臓をたべたい」の桜良役がすごく可愛くって、“こんなに女の子の成分を素直に表現出来るってスゴイ”と思い、透明感があって好きです。今回は財閥令嬢役、色白で線が細くてわーっと思いました(笑)。
※画像はお借りしました
戦艦・空母を作るために、海軍中枢部の人間の様々な思惑があるんだけど、個人的に1番怖いなぁと思ったのは田中泯さん演じる、造船中将平山です。淡々としていて最後まで自分の意図を見せない怖さがハンパないとゆうか(苦笑)。映画「たそがれ清兵衛」でも、清兵衛に成敗される役で急に清兵衛に斬りかかって来るんだけど、普段見せないその人だけのこだわり・・そこに人間の真実味があるようで、“コワイな〜この人”って思った記憶があります。そういう深みが滲み出てる方だと思います。
あと橋爪功さんの顔って昔から日本画みたいな美しい造形だと思ってるんだけど、癖のある悪ジィっぷりが板についてて唸っちゃいました!セリフを言ってるんだって忘れちゃいますよね。
ここまで語っていうのもなんですけど、マロン、戦争映画は好きじゃないんですよ。男性みたいにガンダムとか宇宙戦艦ヤマトにロマンも感じないし。。
何度かブログに書いてますけど、、
マロンの母方のおじいちゃんは7人兄弟の末っ子で17、8歳の若い時に戦争で南方に行ってたので、幼い頃はその話をよく聞きました。おじいちゃんの生家には戦死したお兄さん3人(だったかな)の写真が鴨居に飾ってありました。・・彼らを生んだおばあちゃんはショックですよね。マロンは子ども心にその写真が怖かったです。
母方のおじいちゃんが南方に配属されて庭に整列していた時に、仲間が“プ〜”ってオナラをしたんですって。おじいちゃん等若い兵隊さんが笑いをこらえきれずに吹き出したら上官が「貴様らぁ!何笑ってるんだ‼︎」って怒鳴って、連帯責任で仲間同士向き合い、殴り合ったと言ってましたよ。
(オナラに笑える余裕があってよかったです)
父も戦中に生まれて直ぐに家を爆撃されてるので、その爆音とか恐怖心が伝わってるのか、異常に怖がりだし危険回避の神経質さが並みじゃなかったです。いつもイライラしていたし、私たち家族が父のお小言の最中に後ろに流れてるTVを観て笑ったりすると、「貴様ラァ、何笑ってるんだwww‼︎」っていつも怒鳴ってました。・・まさに軍隊生活でした。
母が独身の頃、戸締りに玄関へ行ったら、隣家のボケたおじいちゃんが外に立っていて「〇〇〇〇兵(名前)只今戻りましたwwww‼︎」って叫んでたっていうし(汗)、
義弟(妹の夫)のおじいちゃんも夕食の時間になると家族に「〇〇〇〇(名前)、只今参りましたwwww‼︎」ってリビングで敬礼してたって話してました。
戦争って、傷跡が並みじゃないんですよ。
1世代で終わらない。ずーっと記憶が残る。
中学生の時、音楽の先生がなぜか視聴覚室に私達生徒を連れて行って、「お母さ〜ん」って叫びながらアメリカの船🚢に突っ込んでいく特攻隊の映画を観せたんですよ。他の生徒がどんな環境に育ったのか知りませんけど、マロンの家なんかは三世代経ってもまだ戦争の精神的な傷跡が残ってるんもんだから、前触れなく見せられても傷が深まるだけで刺激に耐えられないんですよ。ショックでしたよ、ホントに
沖縄のひめゆりの塔を見学しても悲惨すぎて言葉に出来ないし、グァムに行って横井ケイブを見たって横井さんの一途さに悲しくなって絶句だし(だってカエル食べてたんですよ⁈28年間1人で穴に隠れていて、年頃の青年期に結婚もせず、日本はとっくに平和になってるのにカラオケも行かず過ごしてたんですよ?可哀想でしょ泣)、アニメ火垂るの墓なんて1回みたら脳裏に刻まれちゃって再放送なんか観られないですよ。貧困のレベルが今と全然違うし。
マロンのおじいちゃん&おばあちゃんも父も父の弟妹も同じような貧困を経験してるし、痛々しい背中を見てるから、子ども心に「これ以上悲しい体験をさせちゃいけない」って思ってずーっと生きてきましたよ。みんなもそうじゃないのかな?
というわけで、
刺激の強い戦争映画は観ないようにしてるんだけど、今回は大好きな菅田将暉さんが主演の数学者だと聞いて、夜の闇を映画館まで30分歩いて行って来ました(帰りは23:30になった)✨
ラストシーンは、アインシュタインをおもいだしました。アインシュタインは1番平和を望んでいたのに、地球を破壊するだけの知識もまた持っていました。アインシュタインは迫害したドイツ🇩🇪に核兵器を作らせないためにアメリカ🇺🇸に知識を渡してしまうんです。後々の広島・長崎原爆に繋がるのですけれど。
映画の中で、菅田将暉さん演じる非凡な櫂くんの心を見透かしているような平山氏が怖いです。能力を存分に発揮する方法が戦争以外だといいですよね。
有識者ほど未来への判断力が必要ですね。
先日の参議院選挙も戦争に関わってくるし、もう一度平和のありがたみを確認したいです。
また観に行こうかなと思いま〜す。
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