任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
今日も元気に鍛錬だー!
仲人も!
可愛い妹と弟も。
将来武術職につきたくなったとき、困らないように。
ダメ王国になりそう..
大丈夫ですよ。この国は、いい人材がたくさんいますから。
仕事をしていると
バルナバさんからは差し入れ。
龍騎士が作るピッツァなんて本当に美味しそう。
ティム君は定期的に話しかけてくれるようになりました。
本人は忘れていたが本日誕生日。
たまには採取でも誘ってみようとリンゴはティアゴの家を訪れる。
ティアゴはすぐにダンジョンに行ってしまうのでなかなか会えないので会いにいくときは朝一に行く。朝2刻ですでにダンジョンということは珍しくない。
家の中はとても静かだった。リンゴは訝しげに家の中を見回し、螺旋階段の上を見上げる。魔銃導師居室の寝室でティアゴの赤い服が見えた。
リンゴ(なにやってるんだろ?よく見えないな..)
よく目を凝らして見てみると、ティアゴが奥さんを押し倒して口づけをしようとしていたところだった。
ティアゴ「!!!?」
ティアゴがリンゴの気配に気付いて振り返った。
リンゴ「————!!」
(これってこれって!!)
状況をようやく理解したリンゴは耳まで真っ赤にして、
リンゴ「し、失礼しましたーー!!」
慌てて家から飛び出した。
奥さん
「あら、見られちゃったわね..フォードさんのところの娘さんよね。可愛いわねえ、あんなに真っ赤になっちゃって」
奥さんはクスクスと笑った。
ティアゴ(.....)
リンゴ
(——朝からあんなことしてるなんて……)
仕事があるからと殿下からの誘いを断る。
ギオルギー君ありがとう
ジェラールありがとう
バルナバさんから言われた!
龍騎士に言われるなんて感激です。ありがとう。
マルセルありがとう
バーニスちゃんには聞きたいことがある..
でも聞かないほうがいいのかなとなんとなく思ってしまう。
みんなからもお祝いの言葉をもらった。
モモはくさかった。
ティアゴ君がいたら、しっしってされるから早くお風呂に行った方がいいと思う。
成人したばかりのブライアン。
彼はアカデの力を持っているのであとで仲良しになっておこうと思う。(パスワード目的)
ブライアンは勝負を挑んできた。
手加減一切せず、ストレートで勝つ。
ティアゴ「——圧倒的な差だな..」
勝負の様子を見ていたらしいティアゴは、ブライアンに同情していた。
誕生日の前にカンストをしたリンゴに、そこらの成人したての国民が、かなうはずがない。
その日会わないようにしていたのに、ティアゴのほうから会いにきた。
ティアゴはズボンのポケットに両手を突っ込んで、
「リンゴはスケベだね」
と言い放った。
リンゴ
「!!!!スケベじゃないもん!!
ま、まさか朝からあんなことしてるなんて..」
どうして自分がスケベだなんて言われなきゃならないんだという気持ちと朝の見てしまった光景を思い出してリンゴは真っ赤になった。
ティアゴ
「朝にしたほうがなぜか子供を授かりやすいんだよ。
そのうち結婚するんだから覚えておいたほうがいいよ」
リンゴ
「そんなこと覚えない..」
恥ずかしそうにボソリと呟く。
ティアゴ
「あーあ、リンゴのせいで今朝はやり損ねちゃったなぁー」
リンゴ
「ご、ごめんなさい..」
(採取の誘いに行っただけなのに..
今朝のアゴ君は、
リンゴの知らない男の人の顔をしていた。
結婚って、なんだか怖いな..)
リンゴ
「結婚って、怖いな..」
思わず本音が口に出た。
ティアゴ
「、、えっ?💧」
リンゴ
「......ちょっと、そう思っただけ。」
ティアゴ
「.....明日の朝するから、覗きにこないでよー?
見たかったらおいで?」
ティアゴがおどけて言うのをリンゴは真っ赤な顔で言い返す。
リンゴ
「行きません!!
っていうか奥さんこの前出産したばかりでしょ?!身体休ませてあげなきゃだめだよ!」
ティアゴ
「そんなこと言ったって、手だしたくなるんだから仕方ないだろ。それともリンゴが相手してくれるのー?」
ティアゴはリンゴをお子ちゃまだと明らかにバカにしたような目で見てきた。
リンゴ
(ーー私のこと子供だと思ってるくせに)
馬鹿にされてムカついたのでリンゴはティアゴをからかってみようと思いついた。
リンゴ
「じゃあ、私が相手になってあげようか..
騎士隊長の娘に手を出す度胸がティアゴ君にあれば、だけど..」
リンゴの手がティアゴの腕に触れる。
ティアゴ
「ーーーーえっ?!...」
予想外のリンゴの言動に完全にティアゴは動揺した。
リンゴ
「私、もう身体は大人になったよ…?」
腕に触れていた手は、緊張気味にティアゴの袖をギュッと掴む。
流石にリンゴ相手じゃ困惑するだろうと思っていたのだが、
一瞬たじろいだティアゴは、リンゴの顎を片手でくいっと掴んだ。
ティアゴ
「それって俺に……なにをされてもいいってこと?」
真っ直ぐに見つめられ、リンゴは身体が硬直するほど動揺した。
(ーーこ、ここで引くわけには!)
リンゴ
「そうだよ…私の身体じゃ不満…?」
上目遣いでティアゴを見ると、ティアゴは唾を飲み込んだ。多少なりともリンゴの作戦が成功し、彼を動揺させることが出来たようだ。
だが仕掛けたリンゴのほうがよっぽど動揺しているし緊張している。
ティアゴ
「……不満なわけが………」
視線が下のほうに注がれる。リンゴの身体を見ているらしくそれを意識するとリンゴの体温が上がった。
(ティアゴ君のスケベティアゴ君のスケベティアゴ君のスケベ……)
心の中で呪いのように繰り返す。
じっとティアゴの青い瞳を見る。視線が下の方にあった目が、リンゴの視線に気づいて真っ直ぐ見つめ返してきた。
まるで時間が止まったかのように周りの音が聞こえない。
目の前にいるティアゴと、リンゴの顎を掴む手の温もり。
ティアゴ
「リンゴが構わまないのであれば
相手してもらおうかな。
そのかわり、今夜は寝かせないよ」
ティアゴの顔をが、ゆっくり近づいてくる。
(ーーーーえ……ーーーーえっ?!)
息遣いまで聞こえてきそうな距離、鼻先まで触れそうになるほど近づいて……
ティアゴの爽やかな香りが鼻を刺激して緊張と相まって眩暈がした。
予想外の事態に耳まで真っ赤にしてティアゴを両手で押しのけた。
リンゴ
「わわわ、待って!冗談だから!」
敗北
頭に浮かんだ二文字を認めるしかなかった。
ティアゴ
「俺をからかおうなんて、甘いよ」
ティアゴはパッとリンゴから離れた。
ティアゴが楽しそうに笑っているのでリンゴは悔しくなった。
この手のことは、経験者であるティアゴにリンゴは敵わない..
一部始終を遠くからみていたリリーはその場にへなへなと座り込んだ
リリー
(し、心臓に悪い...)
バルナバ
「リリーちゃん、そんなところに座ってどうしたの」
リリー
「これだからウェルカム派は、、」
*この発言の意味はそのうち出てきます..
バルナバ
「なにその変な派閥、、」
バーニー
「あの二人仲良いなー」
バルナバと一緒にいたバーニーは、ティアゴとリンゴが何か言い合ってるのを見て微笑んだ。
バーニー
(前は二人とも笑っているのに笑っていないっていう奇妙な関係だったけど..)
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
ティアゴと話が終わり、ティアゴは仕事があるといって立ち去っていく。
リンゴ
(……………私がもし押しのけなかったら……
しちゃってた?)
じっと見つめ返してきたティアゴの青い瞳が脳裏か
ら離れない。
(——あれも、演技なの?)
考えれば考えるほど分からなくなる。
そしてこれは黒歴史になるに違いないと思い頭が痛くなった。
「————ティアゴ君のバカ、スケベ」
リンゴの呟きは春風に乗って消えていった。
*あとがき
リンゴはティアゴに武術以外は勝てません..
リンゴの子供時代は書いてて本当に楽しかったです。収入がないことをのぞけば子供時代は最高でした。(犯人はリンゴ、バーニーとバーニス編は、リンゴの子供時代です)
*2023年6月23日に多少加筆修正しています。