*Christmas Dinner 2020*
デジャヴ(既視感)、なーんて言ってみましたが。
要するに、いつもの面々が並んだ祝膳、ということでして…。
メインは私のリクエストで、去年と同じ「コーニッシュ・ゲーム・ヘン」という小さな雌鶏。
サイドディッシュは、アメリカの「おせち」とも言える、我が家の定番料理です。
つまり、去年のクリスマスと先月の感謝祭と、殆ど同じメニューになりました。
写真左から、
*ヤムイモの飴焼き
*牡蠣入りドレッシング
*りんごとドライフルーツのコンポート
*コーニッシュ・ゲーム・ヘンのロースト
*さやいんげんとゴールデン・オイスター・マッシュルームのソテー
去年と違うのは、使ったきのこの種類と、テーブルクロスの色くらいでしょうか?(奇特にも去年のディナーを見てみたい方は→「クリスマスディナー2019」)。
いつもDCから遊びに来て、クリスマスから新年を一緒に過ごす姉のジャスミンが今年は来られません。
夫と二人だけなので、いつも張り切って準備する、小さなギフトやお菓子を入れたクラッカーも今年は作りませんでした。
ともあれ、ハーフボトルのクリュグで「Merry Christmas!!」
こちらは毎度おなじみの、炒めた玉ねぎとセロリにハーブ入りクルトンとチキンストックを加えて混ぜ、塩とセージ、パセリと混ぜて表面がカリッとするまで焼いた「ドレッシング」。
*Oyster Dressing
牡蠣が入るのは、シーフード好きだった夫の父が始めたアレンジだそうです。
セイボリーな…甘くない、塩味のパンプディング、と言えば近いでしょうか。
私は全体がカリカリしているのより、チキンストックを多めに入れて中がしっとりふんわりしてる方が好きです。
普通、同じものを七面鳥やチキンの詰め物にも使うのですが、今年は夫に頼んで、ゲーム・ヘンには私が作ったスタッフィングを詰めさせてもらいました(後ほどお見せします)。
下ゆでしたインゲンをきのこと炒めて塩胡椒で味付けした物です。
*Sauteed Green Beans and Golden Oyster Mushroom
先月の感謝祭では舞茸(最近はこちらの普通のスーパーでも見かけるようになりました)を使いましたが、今回は「ゴールデン・オイスター・マッシュルーム」という、ものすごく鮮やかな黄色(山で見かけたら絶対怖くて食べられないと思うくらい)のシメジを夫が見つけて…。
ちょっとドキドキワクワクしながら使ってみたのですが…炒めたら、味も見た目も、フツーのシメジとなんら変わらない仕上がりになりました(笑)。
*Apple, Dried Cherry, Dried Cranberry, Grape and Raisin Compote
これは私が作った、フジりんごとぶどう、レーズン、ドライチェリーとクランベリーのコンポート。
ドライチェリーを入れたので色が少し黒っぽくなってしまいました。
*Candied Yam and Fresh Oyster with Chive, Lemon & Soy Sauce
写真の奥がキャンディード・ヤム、ヤムイモの飴焼きです。
手前のグラスは、生牡蠣です。
上述のドレッシングに入れた牡蠣が残ったので、さっと洗ってレモンを絞ってお醤油を垂らし、レモンの薄切りとチャイブを添えて前菜代りに食べました。
飴焼きは、電子レンジで柔らかくしたヤムイモを切ってグラタン皿に並べ、ブラウンシュガーとバターを乗せてオーブンで焼いたもの。
サツマイモよりずっと柔らかいヤムイモは、最初は水っぽく感じられてあまり好きではなかったんですが、最近はこのクリーミーさも美味しいと思うようになりました。
主役のゲームヘンと、全種類盛り合わせ。
小ぶりと言っても丸ごと一羽はなかなかのボリューム。
私には半分で十分でした(夫は、脚と手羽を一本ずつくらい残してほぼ完食)。
このスタッフィングは、実は私の思い出の味なのです。
*Roasted Cornish Game Hen Stuffed with Sweet Potato
日本で大学生だった頃、生まれて初めて七面鳥の丸焼きを作った時に参考にしたのが、今は亡き小林カツ代さんのエッセイに載っていた、サツマイモを使ったレシピだったんです。
カツ代氏曰く「普通は栗などつめますが、さつまいもをつめるのは、私の発明ヒット作」(「こんなとき、こんな料理、こんなお菓子で」より)。
その後、アメリカで学生生活を送っていた頃も、姉のジャスミンと一緒にこのスタッフィングでターキーを焼いて、友達を招んでサンクスギビングやクリスマスのパーティーをしたものです。
このサツマイモのスタッフィング、なかなか好評だったんですよ。
玉ねぎとセロリと、少しだけ混ぜたレバーや砂肝(今回のヘンにはついていなかったので省略しましたが)のちょっと複雑な香りと風味が、トリの肉汁を吸って柔らかくなったクルトンとサツマイモのあまじょっぱさと渾然一体となった味は、ちょっとクセになるのです。
結婚してから今まで、一、二度だけ作ったことがありましたが、夫には夫の味があるだろうと、そして私なんかより幼少の頃からの味に、ずっと思い出も思い入れもあるだろうと遠慮して、いつもは夫に牡蠣入りのを作ってもらっていました。
でも、何故か今年は、私の思い出の味が無性に食べたくなったのです。
夫も「すごく美味しい!」と喜んでくれたのはいいのですが…。
「こんなスタッフィングは初めてだ!」
…以前食べたことがあるのは忘れていたようでした(笑)。
デザートは市販のクリスマスプディング(WalkersのRich Fruit Pudding)です。
*Christmas Pudding
コニャックをかけて火をつけ、青い炎が消えるまでの間に願い事をします。
今年の願い事はもちろん…。
今年はいつも焼くフルーツケーキも作らなかったため、少しそれっぽいものが食べたくて買ってみたのでしたが。
5分の1くらいに小さく切り分けて、ゆるく泡立てた生クリームを添えましたが…ドライフルーツの塊のようなプディングは、やはり甘いです。
元々一年前に作って寝かせておく保存食のような物だというのですから、お砂糖とスパイスが効いているのは当然のことなのですが、最後の一口を残す頃には、
「噛むに従って度し難く甘く腹に応えてくるのである。」
という、以前林望氏のエッセイで読んだ一節が心に浮かんで来たりもしました^^;(「イギリスは愉快だ」収録「甘いクリスマス 辛いクリスマス」より)。
夫も「一年に一度、一切れなら食べられるね」。
…つまり、残りは私が片付けねばならないということ…。
…縁起物ですから、残さずいただきますよ…(来年までかかるかもしれないけど)。
これが今年最後の更新となります。
今年もお付き合い下さって、本当にどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
良いお年をお迎え下さい。