雨の日のシアワセ——アップルパイの変遷と思い出を懐かしの漫画と共に。 | COCOのおいしい話

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*Homemade Apple Pie*

 

真夏日が続いていた南カリフォルニアの1月。

 

後半になってからは、打って変わって朝夕は冷え込むようになり(と言っても最高気温は10℃台)、今週は珍しく雨続き。

 

火曜日は一晩中ひどい土砂降りで——雨音のせいで眠れないなんて、滅多にない経験をしました。

 

水曜日も珍しく一日中降ったり止んだりの肌寒い1日になったので、気晴らしも兼ねてパイ生地を作りました。

 

木曜日の晴れ間に夫がリンゴを買ってきてくれたので、金曜日、何年振りかでアップルパイを焼きました。

 

 

 

 

生地は子供の頃から使っているお菓子作りの本の分量で作りましたが、フィリングのリンゴと形成は、ネットで見つけた栗原はるみさんのレシピを参考にしました。

 

 

 

 

インディビジュアルサイズ仕立て(?)、初めて作ってみました。

 

今回は3個分だけ作ったので、生地をのすのも簡単でした。

 

中身のリンゴも少量なのですぐ煮えるし、形成もシンプル。

 

長方形に切ったパイ生地の上に煮たリンゴを並べ、切り込みを入れたパイ皮を被せたらとき卵を塗って、オーブンで15分程焼くだけなんです。

 

レシピでは冷凍のパイシートを使うように書いてあったので、それなら尚手軽に作れますね。

 

大きな型で焼くと、パイ皮がサクサクの状態で食べられるのは最初の日だけで、後は汁気の出た、冷たいしんねりしたパイを食べることになってしまいますが、これなら食べる分だけ手軽に焼けます。

 

でも、フィリングのリンゴに、アメリカの代表的なアップルパイ用の青リンゴ🍏のグラニースミス(かなりすっぱいのでお砂糖は多めにしました)を使ってこのレシピで煮ようとしたら、指定された時間の半分も煮ないうちに殆どジャム状になってしまって。

 

仕方ないのでフジりんご(私は大抵アップルパイにはこれを使います)を同じように煮たら、今度は煮崩れずに出来ました。

 

栗原さんのレシピにはリンゴの種類は書いてなかったんですが、何を使ったのかな…(紅玉かな?…どっちみちこちらでは手に入りませんが)。

 

パイ生地の上にジャム状のグラニースミスを乗せ、その上にフジを並べて、卵を塗ったパイ生地の上には夫のリクエストでグラニュー糖をたっぷり^^;振りかけて焼きました(なので、ちょっと目を離したスキに焦げ色がつきすぎました〜あせる)。

 

レシピでは焼きあがったパイにマスカルポーネを使ったクリームと、チェリーソースを添えていましたが、夫と私はシンプルにバニラアイスクリームをのせてア・ラ・モードに。

 

 

 

 

写真には写りませんでしたが、フォークを入れると湯気がほわんと立ちのぼり、アイスクリームがじんわり溶け始めて、これを甘酸っぱいリンゴとパリッとしたクラストに絡めながら食べると…音譜

 

久々に心からおいしいと思えるアップルパイでした。

 

夫は…?

 

モチロン、「今まで食べた中で一番おいしいアップルパイだ!」

 

だそうですチョキ

 

 

今までの人生の中で一番多く焼いて来たパイは、アップルパイだと思います。

 

昭和の子供でしたから、当時は洋菓子屋さんに並んでいるパイもそう種類は多くなく、アップルパイがせいぜいではなかったかと思います。

 

レモンパイ、パンプキンパイ、マロンパイ、いちごパイ…本や漫画に出て来たことはありましたが、実際はどんな物なのか想像もつかないし、母に聞いてももちろんご存知ない(笑)。

 

一番最初に「パイ」という言葉を知ったのは、多分この漫画の中でだったと思います。

 

 

 

 

古〜い漫画を持ち出して来てしまいました。

 

私が生まれて初めて買った漫画の単行本が、この「キャンディ♡キャンディ」(水木杏子原作、いがらしゆみこ作画、講談社刊)だったのです。

 

多分小学2年生か3年生頃だったかな?

 

この時点では、私は「パイ」というお菓子は見たことも食べたこともありませんでした。

 

 

 

 

このパイの周りに飾ってある三つ編み(?)に憧れました(笑)…こういうデザインのパイは、未だ見たことありませんが。

 

今ちょっと調べたところ、ライラックは食用になるのだそうですね…カリフォルニアにはない花ですが、いつかやってみたいです(笑)。

 

 

 

 

この頃は「パイ」と名のつく物と言ったら、電子レンジで解凍して食べる、冷凍の「ピザパイ」くらいしか食べたことがなかったので、このキャンディに登場したパイも、なんとなくトマトソースとチーズの塩味のイメージで(!)読んでいた気がします。

 

 

でも、長じてホンモノの(笑)パイを焼くようになった頃、一番読んだ漫画はこれでした。

 

 

 

 

川原泉作「アップル・ジャック」(白泉社刊「カレーの王子さま」収録)。

 

川原氏の「食欲魔人シリーズ」が大好きです(マサに私の為に書かれたようなマンガ!?)。

 

上の絵の、レースペーパーに見えるフリフリの存在にはイササカ疑問が残りますが、この漫画はアップルパイを焼いたり食べたりする時はもちろん、長いこと最強の「さつま汁を食べる時に読む本」(実際私が作るのは豚汁でしたが)でもあったのでした。

 

当時はこの漫画や、またこんな漫画の影響で…。

 

 

 

 

 

中学生の頃読んだ、たかなししずえ作「杏ふう㊙︎アップルパイ」(講談社刊「秘密のう・ふ・ふ」収録)です。

 

こんな風に、表面のパイ生地を格子柄にして焼くことが多かったのですが…。

 

細い格子にするのには手間がかかるし、切り分ける時には切りづらく、何よりせっかくおいしい、さくさくのパイ生地の面積が少なくなってしまうので。

 

近年は、こんな形に作ることが多くなっていました。

 

 

 

 

「美味しんぼ」です(笑)(雁屋哲原作、花咲アキラ作画、小学館刊)。

 

これだと周りと表面のパイ皮を存分に楽しめますが、焼いてすぐ食べ切るのでなければ、密閉された状態で焼かれたリンゴから、どうしても水分が出て来てしまうのが難点でした。

 

今回の、さくさくのまま食べきれる個人サイズのパイ生地に、すっぱ目のジャム状のグラニースミスと、歯ごたえの残るフジの二重奏のフィリングは、リピ決定です。

 

もちろん、リンゴじゃなくても、ピーチやチェリー、他のフルーツに応用出来ますしね。

 

雨上がりのクリアな空気の中、思いがけず懐かしい漫画の数々と、歴代の(?)アップルパイそれぞれに思いを馳せる、楽しい午後となったのでした。

 

 

アメリカではワクチン接種が始まりました。

 

ミネソタ州に住む95歳になった夫の母も、木曜日に無事一回目の接種を済ませたと連絡がありました。

 

医療従事者と介護施設の入居者が優先されているそうですが、私は…打てる状況になったとしても、しばらくは様子を見たいかな。

 

長引くステイホームにやりきれない気持ちになることもありますが、感染したくないし、誰にも感染させたくないので、頑張るしかないですね。

 

夕食と一緒にお酒を飲むのがササヤカな楽しみになってしまい…今までは週1、2度飲む程度だったのに、最近は飲まない日が1、2日…。

 

体重はモチロン右肩上がり!アップ

 

皆様も、どうぞお気をつけて(体重にもコロナにも…)。

 

お元気でお過ごし下さい。

 

 

 

 

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