*Anniversary Dinner 2020*
というわけで、本来なら土曜日に配達されるはずだった、結婚記念日のためのメインディッシュのロブスター。
経緯はこんなでした。→「多分今までで一番シンプルな——アニバーサリーディナー2020」
→「アニバーサリーディナーに想定外の展開——頼むから来ないで?揺れるチーズケーキ」
変更された配達予定時間の「1時半」もとっくに過ぎた月曜日の午後。
私はまだ夕飯のメニューを決められずにいました。
果たして届くのか届かないのか?
届いても食べられるのか?(99.9%ムリだとは思ってましたけど)。
あまり手の込んだ料理を作りたい気分でもなかったのですが、土曜日にアミューズや前菜の下ごしらえをしてしまっていたので、それを放っておく訳にも行かず…。
気を取り直して。
お花を生け直して、食器を拭いて、改めてテーブルセッティング。
お気に入りの食器類を眺めていたら、少し気分が上がってきました。
メニューは、夫銀之丞のリクエストでメイン産ロブスターを主菜にして組み立てていました。
ロブスターはシンプルに茹でるだけのつもりだったので、ソースは3種類用意。
夫は「僕はレモンとお醤油だけで十分だよ〜。」と言いましたが、ここはワインに合うものを、と頑張りました。
2種類は日持ちするものだったので土曜日の午後から作ってあって。
これはもう、メインはロブスター以外考えられない!状態だったのですが、何となく配達を待ってしまい、買い物にも出かけないまま夕方に…。
日曜日の時点で、「近くにあるシーフードレストランから蒸したロブスターを買って来る」という選択肢も考えていたので、イザという時はそれで行こう!と心づもりはしていたのです。
ところが、いざ注文しようと、このお店(「Crabby Crab」、以前記事にしていました。→「銀’s母&兄の滞在・中編——外食三昧。メインディッシュはビニール袋で」)のオンラインメニューを開いたら。
以前はあったはずの「ロブスター」が、ない…。
Σ(◉◇◉。)ウッソーン⁉︎
…そう言えば。
私って今年大殺界じゃなかった…?
うう…。
(>_<。)モハヤコレマデ…。
しょうがない、もうカニでもいいか…と諦めかけたところ。
夫がお店に電話して聞いてみてくれました。
「ロブスター 、1.5パウンド(680g)のが一匹だけあります!」
オオッ?!
バンザーイ!\(*。・∇・)(○▽○*)/ヤッタ~‼︎
この大きさのが一匹だと二人分には足りないので、タラバガニの脚もオーダーして、夫がピックアップに行ってくれました。
こうしてやっと。
紆余曲折の果てに。
整いました。
23回目のアニバーサリーディナーです。
*Anniversary Dinner 2020 with Lobster & King Crab
感涙にむせびつつ、やっと出会えたロブスターのお頭に、いえ、アニバーサリーに乾杯!☆
ワインは夫が「ロブスターにはこれ」と決めている、ケークブレッドのシャルドネ。
*Chardonnay Reserve 2012 from Cakebread Cellars
去年、ナパバレーでこのセラーを訪ねた際に買って来た、「シャルドネ・リザーブ2012」です。
メインがロブスターなので、アミューズはお肉を使ったものにしました。
*Zucchini & Italian Sausage Pincho and Mango, Muscat & Prosciutto Pincho
ズッキーニのイタリアンソーセージ詰めと、マンゴーの生ハム巻きのピンチョス。
イタリアンソーセージには塩と香辛料で十分味がついているので、電子レンジで7分通り火を通して中心をくり抜いたズッキーニに詰めて、フライパンで焼いただけなんです。
実はピンクペッパーとバルサミコ酢を仕上げにあしらうつもりが、すっかり忘れてしまいました(ク〜ッ!)…皆さんの心の目で補って見て下さると嬉しいです。
「スパイシーなソーセージで味蕾が目覚める感じがするよ。パーフェクトなアミューズだね!」と夫も気に入ってくれました。
生ハムマンゴーには、夫が「ハチミツのように甘くて結婚記念日にピッタリ」と言った^^マスカットを、皮をむいて添えました。
どちらも冷えたシャルドネによく合いました。
前菜はアンダルシア風ガスパチョです。
*Gazpacho Andaluz
土曜日は夏日の予報だったので冷たいスープにしたんですが、月曜は最高が20℃台前半で…。
それでも、アミューズのお肉料理の後に、夏野菜の風味豊かなあっさりしたスープは良い組み合わせだったと思います。
以前作った時は裏ごししたんですが(→「プレバースデーディナー2015——ハムのムース、ガスパチョとポットローストチキン」)、今日はそのままで野菜の色と、少しモロっとした舌触りも楽しみました。
いよいよメインです。
ロブスターとタラバの殻は夫がむいてくれました。
飾りにロブスターのお頭を乗せるつもりで大きめのお皿を用意してしまったので、私のお皿にはやや余白(余黒?)があり過ぎますが…。
肝心のお味は…こちらのレストランらしく、ロブスターは火が通り過ぎ、塩味もキツめ。
カニは茹で加減は良かったものの、やはりちょっと塩辛くて…。
黒っぽいのがタプナード、赤いのがアラビアータ、黄色いのがルイユです。
タプナードはカラマタオリーブとアンチョビ、ケイパー、バジルの葉、にんにく、オリーブオイルをフードプロセッサーにかけて作りました。
普段はパセリを使いますが、庭で今、パセリよりバジルの方が元気なのでバジルにしたんですが、香りが立っておいしかったです。
茹でたタコ等にも合うソースです。
アラビアータは、実は近所のイタリアンレストランからデリバリーを取った時にフォカッチャについて来たもの。
少し水っぽかったので煮詰めましたが、これがなかなか辛くて、3種類のソースの中でいいアクセントになりました。
ルイユはブイヤベースにも付き物で、卵黄とサフラン、にんにく、オリーブオイルで作るソースですが、これはロブスターやカニはもちろん、付け合わせのアスパラガスやカリフラワー、フェンネル等の野菜とも好相性でした。
半分ヤサグレながらも、何とかお祝いの食卓を整えられてよかった!
ワインがいつになく進んで、二人共いつもの倍くらいは飲んでしまったんじゃないでしょうか?(私はヤケ飲みもちょっと入りました〜^^)。
いいんです。
メインディッシュが、フィッシュナイフではなかなか切れないほど、ちょっとやそっと噛んだくらいじゃ飲み込みにくいくらい固くてしょっぱい、「今まで食べた中で一番」のロブスターではなかったとしても。
23年余を一緒に過ごして来た、笑顔で食卓を囲める相手がいてくれれば。
ありがとう、銀之丞。これからもよろしくね。
そして…。
「土曜日に届くはずだったロブスターのその後」ですが。
この翌日の火曜の朝に、宅配業者から「配達が火曜の午後1時半に変更になりました」というメールが来ていたのは、前回のブログでお知らせした通りです。
届きました。
4時過ぎに。
大きな白い発泡スチロールの箱の真ん中に、ビニールの帯が巻いてあって密閉されています。
白いふたには赤い「PERISHABLE (腐りやすい=ナマモノです)」のステッカーと、オレンジ色の「Saturday Delivery (土曜配達)」のステッカーが…大きくはないけれど、目立つように貼られています。
「もしかして、冷蔵保存してくれてた、なんてことは…?」
と一縷の望みをかけて(0.00000∞1%も期待してなかったけど)。
このビニールを切って、箱を開けた…らっ!
3日前に届くはずだった、ナマモノのイキモノですからっ!!
…(#>p<。)♨︎(◎q◎#)…
吹き抜けの玄関で開けたのは失敗でした。
ロブスターの怨念が?一階はもちろん、二階の部屋の隅々まで行き渡り…。
全ての部屋の窓を開け放ち、天井のファンや扇風機を1時間くらいブンブン回して…何とか収まりました。
いや〜、配達されたのがディナーの翌日でよかった。
このハプニングが昨日の食事前に起きていたら。
繊細な夫はもちろん、さしもの私も、きっと食べる気を失くしていたと思います。
翌日まで、幻臭にちょっと惑わされたワタクシでした。
コロナ禍中の結婚記念日。
色々な意味で、忘れられないものとなりました。
予想外に長い記事になってしまいました。
お付き合いいただき、どうもありがとうございました♡