ライオンシティからリバーシティへ -7ページ目

アメリカ人から見たアジア

ホテルニューオータニの多国籍料理レストラン、トレーダーヴィックス でランチした。

ライオンシティからリバーシティへ

ホテルニューオータニのある赤坂、紀尾井町界隈という土地柄は、江戸時代以来の 坂や緑やお堀の水のせいで伝統を感じられる場所だ。一方、外資系企業や大使館も沢山あって外国人も多い。弁護士事務所なども多く、知的雰囲気もある。東京の中でもずば抜けてお洒落で華やいだ場所である。

さて、トレーダーヴィックスは、サンフランシスコ本店のアメリカの レストラン。そのコンセプトはずばり「アメリカから見たアジア・パシフィック」である。

インドネシア風カレーやシンガポールチキンライス(値段はシンガポールのホーカーの20倍!)。ハワイ、韓国風、日本風のメニューに 、ステーキにハンバーガー、クレオール風の魚スープなどのアメリカ料理のメニューが混ざっている

昔の船をイメージしたオーク材の壁に、薄暗いジャングルっぽい内装。太平洋原住民のナイーブアートやハワイアンアートの横に、19世紀のシンガポールを描いた油絵や、日本の浮世絵が飾ってある。


ライオンシティからリバーシティへ

つまりここは「太平洋の西側から見た、アメリカ仕様の、アメリカ人による、アメリカ人のためのテーマパーク風キッチュなアジアン・レストラン」なのだ。

このレストラン醸し出さす、アメリカ人の目から見たアジアのイメージは、生身のアジアよりずっと妖しく魅力的だ。

魅力の元は、オリエンタリズムお金の匂いのコンビネーション。

アジア。それは一獲千金を夢見て西へ西への移り住み続けた人々の子孫である、博打家や冒険家兵士やビジネスマンや金融トレーダーにとって、自らの夢を体現する場所なのだ

ハワイ、フィリピン。日本や韓国、香港、上海。ベトナム、シンガポール新しいところではミャンマー。

アジアでは
今もアメリカ流資本主義や文化の浸透が進み続けている


そして多くのアメリカ人がアジアでアグレッシブにビジネスを展開し、豊かな生活をしている

そんなアジア
アメリカ人が表現した場所がこのレストラン。「アメリカ人のためのアジア」は、極東の東京の日本人にとってはまるで鏡の国に迷い込んだよう。

注文するなら、絶対、アジア料理よりアメリカ料理がお勧め。

ライオンシティからリバーシティへ

ごんぎつねを読んで

週に1回、外国の人にボランティアで日本語を教えている。

そのレッスンのテキストに、小学4年生の国語の教科書に出ている「ごんぎつね」を使った。

日本人ならほぼ全員が知っている有名な話。

子供のときから何度も読んでいるのに、読むたびにラストで涙が出てしまう。レッスン中に教えている方が泣いたらいけないとぐっと堪えていたけど、終わってから読み直したらもう一度、号泣してしまった。

何度読んでも感動する話というのは「百万回生きた猫 」、「あなたをずっとあいしている 」、「大きな木 」、「グスコーブドリの伝記 」など、絵本や童話が多い。

なぜ涙が出るのか明らかにツボを自覚できる話もある。

でもごんぎつねの話には、泣きながらも、なぜ自分が泣いているのか分からない不思議さと奥行きがある。

ごんと兵十の行為には教訓も訓戒もない。そこにあるのは魂を振るわせるような真実の姿。

優れた全ての芸術家と同様、新見南吉 という人には見えないものを見、表現できないものを表現する巫女のような力があったのだと思う。

そうした「何か」を表現する力がない私は、表現されたものに感動し、なぜ自分が感動したのかを分かろうとするだけ。

本当は感じるだけで、分かろうとする必要すらないのかもしれないけど。

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お金で測れるもの、測れないもの


大人にこう言ってごらんなさい--「桃色のレンガで綺麗な家を見たよ。窓にはゼラニウムの花が咲いていて屋根に鳩が止まっていたの」。大人にはそれがどんな家か分からないでしょう。こう言ってやらなければならないのです--「100フランの家を見たよ」。すると大人は「ああ、それは綺麗な家だ!」と叫ぶでしょう。

                              サンテクジュペリ著 星の王子様 第4章より


今どき子供が数字の多寡とランキングで自分や他人の立ち位置を測るやり方を知るのは1歳くらいだろうか?

子供はいつしか大人になり
、社会生活ランキングとレーティングで他人評価に晒され続け、次第にランキングとレーティングによって他人を評価し、比較し、比較され、競争する生活に慣らされていく。

競争グローバル化しランキングは日々下され、変動する。あらゆるランキングは貨幣価値に換算される。

- 偏差値

- 顔の美醜や歯並びや身長。

- 合格した大学の名前。

- 就職試験受かった企業の名前。

- 職業

- 組織の肩書き。

- 住んでいる場所。

- 知人や友人の肩書き。

- 話せる言語の数

- 年収

- 資産。

- もらう年賀状の数。

- 夏休みに行った場所とホテルの名前。

- Facebookの友だちのといいね!の数。

- HPのGoogle Page Rankingの順位。

ランキングや格付けが心の内面に全面的に浸み込むと人は 孤独になり、不安になり、不幸になる 

私の10歳の息子ももうすぐ、ランキングと格付けのタフでストレスフルな世界を泳いでいくことになるだろう。

できれば
、こうした世界に晒されても、心の奥底ではそうした物差とは無縁の自分の値打ちを感じられる人間であって欲しい

なぜなら、サンテクジュペリが言うように、本当に大切なものは数に換算できないから

ランキングや格付けで価値を決めたり決められたりすることはスポーツと同じ単にゲームに過ぎない。それを 
子供に体感させることが、家庭教育で一番、大切なんことと思う



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↑この本、「お金で測れる価値と「測れない価値」を掘り下げている。筆者は、定量指標で個人の商品価値が瞬時にデジタルに測られる現代、「個人が上場する時代」と表現している。