アメリカ人から見たアジア | ライオンシティからリバーシティへ

アメリカ人から見たアジア

ホテルニューオータニの多国籍料理レストラン、トレーダーヴィックス でランチした。

ライオンシティからリバーシティへ

ホテルニューオータニのある赤坂、紀尾井町界隈という土地柄は、江戸時代以来の 坂や緑やお堀の水のせいで伝統を感じられる場所だ。一方、外資系企業や大使館も沢山あって外国人も多い。弁護士事務所なども多く、知的雰囲気もある。東京の中でもずば抜けてお洒落で華やいだ場所である。

さて、トレーダーヴィックスは、サンフランシスコ本店のアメリカの レストラン。そのコンセプトはずばり「アメリカから見たアジア・パシフィック」である。

インドネシア風カレーやシンガポールチキンライス(値段はシンガポールのホーカーの20倍!)。ハワイ、韓国風、日本風のメニューに 、ステーキにハンバーガー、クレオール風の魚スープなどのアメリカ料理のメニューが混ざっている

昔の船をイメージしたオーク材の壁に、薄暗いジャングルっぽい内装。太平洋原住民のナイーブアートやハワイアンアートの横に、19世紀のシンガポールを描いた油絵や、日本の浮世絵が飾ってある。


ライオンシティからリバーシティへ

つまりここは「太平洋の西側から見た、アメリカ仕様の、アメリカ人による、アメリカ人のためのテーマパーク風キッチュなアジアン・レストラン」なのだ。

このレストラン醸し出さす、アメリカ人の目から見たアジアのイメージは、生身のアジアよりずっと妖しく魅力的だ。

魅力の元は、オリエンタリズムお金の匂いのコンビネーション。

アジア。それは一獲千金を夢見て西へ西への移り住み続けた人々の子孫である、博打家や冒険家兵士やビジネスマンや金融トレーダーにとって、自らの夢を体現する場所なのだ

ハワイ、フィリピン。日本や韓国、香港、上海。ベトナム、シンガポール新しいところではミャンマー。

アジアでは
今もアメリカ流資本主義や文化の浸透が進み続けている


そして多くのアメリカ人がアジアでアグレッシブにビジネスを展開し、豊かな生活をしている

そんなアジア
アメリカ人が表現した場所がこのレストラン。「アメリカ人のためのアジア」は、極東の東京の日本人にとってはまるで鏡の国に迷い込んだよう。

注文するなら、絶対、アジア料理よりアメリカ料理がお勧め。

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