部下を集めての会議、
現場のお得意様への同行、
部門を超えての会議や打ち合わせ

様々な場面で上司は部下とコミュニケーションを取ることになります。
この、コミュニケーションにおいて大切なことは、
抽象的な表現と具体的な表現を使い分けることです。

大体の場面で、上司は部下に
“何らかの行動をするように”
依頼したり、命令することになります。

この場面で、具体的な表現で行動を示すことが出来ない上司は、部下からは完全にバカにされています。

ああ。自分は具体的に話しているから大丈夫。
と誤解している人が多いのも、世の中に魅力的な上司があまりいないことの原因になっていると言えます。
ワタシの定義に当てはめると、過去の上司達から受けた指示や命令のうち、8割がたは具体性がない、抽象的な概念に留まるものでした。
以下に、言ってる本人だけが気持ち良い、具体性ゼロの抽象的トークを例示します。


生産性を向上しなさい
顧客と良好な関係を築きなさい
革新的なアイデアを出しなさい
クリエイティブに業務を進めなさい
相手に伝わるように話しなさい
お客様第一に仕事をしなさい
我々の製品の本当の価値を伝えなさい


いずれのトークも、間違っては無いのです。
むしろ、会社の一員として常に意識していなくてはならない金言ばかりです。

が、これらの言葉は抽象度が高すぎて、聞き手によって様々な意味に解釈されてしまいます。

例えば、“お客様第一に仕事をしなさい”
と言われた人でも、
“そうだな、お客様第一って大切だな。憶えておこう”
と思う人がいれば、
“お客様第一と宣言するためには、製品知識の習得が必要なだ。勉強しよう”
と考える人もいるでしょう。

抽象的な指示をすると、得られる結果がまちまちになるんですね。

お客様第一に考えた行動しなさい。
例えば、商談の時はお客様を待たせないよう、常に約束の時間の5分前には到着しなさい。

と言えば、具体的にどんな行動がお客様第一につながるのか、関連性を持って聞き手に伝わります。
具体性を高めて伝えることで、聞き手が何をするかわかる反面、

そんな事が本当にお客様第一と言えるのか?
他にも良い方法があるのでは無いか?

などといった意見(時には反論)が出てくると考えている。恐れている管理職の人が多くいると思います。

自由なディスカッションの口火を切る事がそんなに怖いのなら、管理職なんか辞めれば良いのに。と思います。

上から目線で自分が傷つかないように抽象的な表現で部下を煙に巻くような発言ばかり繰り返す上司を私は無能と考えます。
でも、こういうタイプは、部下としては対応が楽です。

なぜなら、

いつも

生産性を向上しようとしています。
顧客と良好な関係を築きたいと思ってます
革新的なアイデアを出したいです。
クリエイティブに業務を進めるよう心がけてます
相手に伝わるように話しが出来たら良いですね。
お客様第一に仕事をしています。
我々の製品の本当の価値を伝えることが大切です。

と言っていれば満足してもらえるからです。

上司からは、
“具体的にはどうするの?”
とは聞かれないし、
聞かれたとしても、
“精いっぱい頑張ります”
と答えれば満足するからです。

部下も、適当に耳障りの良い美辞麗句を並べておけば上司が喜ぶので、具体的な行動を考えることも無くなり成長しません。

部下もチームも成長ゼロです。

抽象的上司は、直接的な嫌がらせをするタイプではありませんが、この人の下で働く部下は不幸と言わざるを得ません。

心地よい抽象的な言葉に捉われず、具体的な表現が出来れば、チーム全体の方向性が定まります。

やり方わからない人がいたら、私で良ければヒントを差し上げたいです。