地震の錯覚
この地はわが故郷と比べて地震が来る可能性はきわめて低いのに、いまさっき地震があったような気がして目が覚めた。ヨーロッパにも地震が来ないわけではないと思うと、なかなか落ち着いて眠れない。フランスに戻ってきてかれこれ1ヶ月たつというのに、いまだ「あ、地震?」と思うようなことが続く。立っていても座っていても、不意に揺れたような錯覚が起こるのである。日本にも、このような感覚を覚える人々が多いという。当然だろう。
こちらに帰国したての最初のうちは、ここはフランスだということを思い出して、安心したものだけれど、2週間ほど前、チュニジア出身の女性が「私、昨日揺れを感じたの、わずかだけど、地面が揺れたの」などと言いだしたのを聞いてから、私の錯覚はじつは真実だったのだろうかなどと思い始めた。
今、地球上の人間にとってもっとも恐ろしい事柄は何か考えさせられる。
1. アレルギー
2. 伝染病(HIV, インフルエンザなど)
3. 癌
4. 放射能
5. 地震・津波
6. 異常気象
7. テロ
8. 食糧危機
9. オゾン層破壊
小さい頃、火災や空き巣を恐れて眠れなかったことがある。疑い深かった私は、眠っている間に何物かに首を絞められることのないようにと、布団を頭までかけ、さらにほんと無意味だったがうつぶせに眠ることにしていた。そんな頃が懐かしい。もっともっと恐るべき脅威におののくことになった今も、この恐がりの性は全く変わっていないことに気づかされる。
4時だ… 幸いなことにまだパリには地震はないようだから、もう一度寝ようかな。