P. Morand - 才気
今日は、外交官かつ作家のポール・モランから。
作品を読んだことはなく、そもそもこの作家の名を知らなかったが、印象的な名句を多々見つけた。
PAUL MORAND (1888-1976)
L'apéritif, c'est la prière du soir des Français. (La Nuit des Six-Jours)
食前酒、それはフランス人たちの夕べのお祈り。
毎晩欠かさずお祈り…ではなく、毎晩欠かさずアペリティフ。これぞ心の糧となるということか。まさにフランス的。フランス人のフランス人に対する愛情を感じる愛嬌たっぷりの一言である。
Le monde est une vallée de pleurs, mais, somme toute, bien irriguée. (Ibid.)
世界は涙の谷。ま、要するによく灌漑されている。
涙の谷と言えば詩的幻想的であるが、世の現実からして人々の涙で氾濫してしまうはず。だから氾濫せずにいられるのはダムが整備されているおかげというわけだ。後半、人間の哀しみを笑い飛ばしているところに、魅力を感じる。切実なのか、おふざけなのか?
Les miroirs sont des glaces qui ne fondent pas; ce qui fond, c'est qui s'y mire. (Ouvert la nuit)
鏡は、溶けることのない氷 (glaces) である。溶けるのは、鏡に見とれる者のほう。(『夜をひらく』1922)
フランス語で glace という語が鏡と氷またはアイスクリームを表すことをうまく使った一文。glace は glace でも鏡は溶けないのだ、しいていえばうっとり見とれる人のほうが溶けて行く、といった小気味良い風刺。
いずれもきれいごとで終わらせないところが、エスプリというか才気。
作品を読んだことはなく、そもそもこの作家の名を知らなかったが、印象的な名句を多々見つけた。
PAUL MORAND (1888-1976)
L'apéritif, c'est la prière du soir des Français. (La Nuit des Six-Jours)
食前酒、それはフランス人たちの夕べのお祈り。
毎晩欠かさずお祈り…ではなく、毎晩欠かさずアペリティフ。これぞ心の糧となるということか。まさにフランス的。フランス人のフランス人に対する愛情を感じる愛嬌たっぷりの一言である。
Le monde est une vallée de pleurs, mais, somme toute, bien irriguée. (Ibid.)
世界は涙の谷。ま、要するによく灌漑されている。
涙の谷と言えば詩的幻想的であるが、世の現実からして人々の涙で氾濫してしまうはず。だから氾濫せずにいられるのはダムが整備されているおかげというわけだ。後半、人間の哀しみを笑い飛ばしているところに、魅力を感じる。切実なのか、おふざけなのか?
Les miroirs sont des glaces qui ne fondent pas; ce qui fond, c'est qui s'y mire. (Ouvert la nuit)
鏡は、溶けることのない氷 (glaces) である。溶けるのは、鏡に見とれる者のほう。(『夜をひらく』1922)
フランス語で glace という語が鏡と氷またはアイスクリームを表すことをうまく使った一文。glace は glace でも鏡は溶けないのだ、しいていえばうっとり見とれる人のほうが溶けて行く、といった小気味良い風刺。
いずれもきれいごとで終わらせないところが、エスプリというか才気。