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Adamov - 言葉の沈黙

アルチュール・アダモフより

ARTHUR ADAMOV (1908-1970)
Poète est celui qui se sert des mots moins pour dévoiler leur sens immédiat que pour les contraindre à livrer ce que cache leur silence. (L'Aveu, Ce qu'il y a)
詩人は、言葉の直接的な意味を明るみに出すのではなく、言葉の沈黙が隠していることを打ち明けるよう言葉に強いるため言葉を用いる。

上記は直訳で、意訳するとこうなる。
詩人が言葉を用いるのは、言葉が肌身にもつ意味をさらすためではない。言葉の沈黙に何が隠れているのかを言葉に打ち明けてもらうためである。

ここで対照的におかれているのは
言葉の沈黙 le silence des mots と 言葉のじかの意味 le sens immédiat des mots

詩人は言葉に働きかける者である。が、技巧に走って暴力的な操作をするのでは言葉が生きてこないし、詩に深みが生まれない。詩人たるもの、言葉が自ら言葉の秘密を解きほどいてくれるように、いわば「北風と太陽」の太陽のように言葉の性質を重んじながら、言葉が動き出すようしむけるということ。

言葉のパワーを感じさせる言及ということで、さらに次の一節を挙げておこう。

Le seul courage est de parler à la première personne. (Ibid.)
唯一の勇気は一人称で話すことである

たしかに、三人称で(よく幼児が自分を自分の名で呼ぶように)話すほうが楽だ。
自分のまなざしを自分に向けて、自分を指標する言葉を言う。これ以上に緊張度を要する言語行為はないということか。言葉は外に向けて発するようにできている。自分のまなざしを外に出して、外から自分の内側に入って行くのは、気恥ずかしいというか、内と外との間にゆさぶりがかけられ、素裸の自分をさらけ出すような不安を生じると思う。