ビックカメラJR八王子店、今、客が殺到している。エコポイントの最終に間に合わせようという客だ。

その後を見据えた、クルマも家電量販店で買える時代だ。補助金が出る電気自動車は人気。ある家庭の電気自動車、クルマの電気代は月500円程度、ガソリンの10分の一だ。

急速充電器もかなり各所に普及してきた。

三菱自動車のアイ・ミーブは生産台数が5倍に増えて、ラインはフル稼働だ。

フランスのプジョーやシトロエンにも車体を提供している。

そしてゴーンが社運をかけた電気自動車がデビューを前にしている。

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江口君、日産の電気自動車に乗車。スタートボタンを押していざ出発。音の静かさや、加速の豊かさにまず感動。そして住宅街に行くと普通の住宅に充電器がある。

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2009年12月、横浜市の日産自動車本社。カメラは経営会議に潜入。2010年末に発売予定とした電気自動車のリーフを電気自動車のナンバー1にすると宣言。

もともと電気自動車はガソリン自動車の前に製造されていたが、ガソリンの安さに勝てずに消えていった。

それがエコへの取り組みや、バッテリー技術の飛躍的な進歩もあって一気に脚光を浴びて開発競争が始まった。

日産では極寒の地で走行テスト。雪の中、あっという間に140km/hに達した。この加速の速さは、電気が一気にクルマを回す力になるためだ。

「電費」はガソリン車の「燃費」に相当し、この電費を発売まで10%減らすよう門田さんが言い残して去った。

その指示に頭を悩ます吉田さん。エンジニアとしてのプライドをかけた改善が始まった。テストを繰り返すと、加速を良くすると電費は上がり、加速に目をつぶると電費は抑えられる。迷う吉田さん。

一方、別の部署では地道にいたるところの電力を抑える工夫をしていた。

パリ、この街でもテスト走行。街は名物の大渋滞。吉田さんはこの大渋滞の中で、あるヒントを掴んだ。

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発売5ヶ月前、開発リーダーの吉田さんが横浜の公道を走っていた。

「エコモード」機能を搭載したこのクルマは渋滞の中では加速する必要が無いことに気付き、このエコモードを使用すると電費は10%削減できることがわかった。

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さらに落雷実験や、浸水実験で、電気ならではの故障は起きないかをチェック。

10月22日追浜工場に全員が集められて、この日いよいよ工場のラインに電気自動車のリーフが乗る日。ゴーン社長自ら1号車に乗り込み社員を鼓舞した。

追浜は日産自動車とともに発展してきた街。しかし今年「マーチ」の生産が追浜からタイに移り、街の人たちも気をもんでいた。

マーチに変わって追浜ではリーフがその主力となっていく予定だ。

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江口君、妻に「エコカーに替えたから」といわれる。乗ってみるとエンジンが無かった。

新潟県阿賀野町、この田舎の町で電気自動車が造られているという。

EV本田、中古車を電気自動車に改造する工場がある。キットは89万円、どんなクルマでも改造できるという。

環境学者の村沢さんは、この改造電気自動車を全国に広げようと考えて呼びかけている。

愛媛県では、このEV中古車改造車を産業の柱にしようとしている。

11月3日つくばで実施された、改造電気自動車耐久レース。愛媛からもエントリーした。74時間でどれだけ走れるかを競う。愛媛県チームは前半戦で3位に上がった。バッテリー切れでリタイアするクルマも出てきたが、愛媛県チームは後半戦も順調に推移したが、ゴール寸前でスピードダウンして最終結果は6位。

その結果に、地元の自動車会社も改造電気自動車に進出するようになった。

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日産のリーフは、1回の充電で160kmが限度というのに挑戦していた。

上り坂や下り坂、カーブなどを走ってみる。すると下り坂ではエネルギーをあまり使わないので可能走行距離が増えることがわかった。

11月15日、厚木を出発して磐田を目指した。1時間経過し、途中充電せずに無事に磐田まで到着、196.5kmを走りきった。

12月3日の正式発表を待つばかりとなった。

アメリカの発表展示でも電気自動車元年の様相を示し、数多くのメーカーが出品していた。