すし銚子丸の高洲店。急に活気付いた店内には、本マグロが運ばれて板前さんが目の前でさばく。大トロが525円。銚子丸はマグロを武器に急成長。本部長の本村さんが仕入れる。クロマグロ、地球海産が4割をしめるが、最近は在庫が減少している。マグロは食べられなくなるのか?

マグロを監視する番人。淡水魚と海水魚が泳ぐ水槽。ふぐにかけた夢。

など「獲らずに育てる」魚を追う。

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江口君、銚子丸の倉庫に入る。倉庫内はマイナス20度、マグロ専用はマイナス50度だ。地球海産のホンマグロがたくさん積んであるが、これでも、もう10日分しかないという。

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8月9日、銚子丸の本社で緊急幹部会議が開かれた。社長の堀池速男さんも「マグロ死守」を厳命。本村本部長も早速築地に足を運ぶ。1本で180万円の大間のマグロもあるが、本村さんは地球海産の養殖マグロを仕入れる。1本25万円だ。ひところより値が上がっている。

加工工場ですぐに切り分けて各店舗に運ぶ。この日は73ある店の3分の1分しかなかった。

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地球海のクロマグロはスペインのバルフェゴという会社から仕入れている。最大のお得意さんは日本だと社長が語る。養殖の現場にカメラが入る。生簀にカメラを入れると大量のマグロが!

「蓄養」という、まき網で捕獲し、生簀に入れて育てるやりかたでマグロを育てる。そこにICCATの職員が調査に来ていた。マグロ漁獲高を監視する監視員だ。監視人は漁獲国以外の国から派遣されて、かつその費用は水産会社持ちだ。こういった規制のせいで、マグロは守られているが、数が限られるようになった。仕入れ量が減っているので価格にも影響する。3割高くなるといわれてガックリする本村さん。

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東京日本橋、三越本店では、恒例のマグロの解体が始まった。中落ち争奪ジャンケンまで始まった。

ここのマグロは近畿大学の完全養殖マグロだ。最近ではスーパーにも出回るようになり、市場に左右されないのでリーズナブルだ。

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岡山理科大学で開発された「魔法の粉」、淡水魚と海水魚が共存できる。

江口君、海老・鮑・ひらめを前に、これらは海老は新潟県の妙高山、ひらめは福島県の双葉町など海の無いところで出来ていると紹介。

岡山理科大学での実験。金魚と真鯛を同じ真水に水槽に入れる。すると鯛はお腹を上に向けて死にそう。そこに粉を入れると、鯛も元気に泳いだ。海水に含まれる60種類の成分から、魚に必要な成分のみを抽出したのが、この白い薬。15年かけて実験を繰り返して、15種類は大丈夫なことがわかった。この「環境適用水」を使った養殖実験も進んでいる。

「山村でも養殖ができる。これが日本の将来の食糧危機を救うかも知れない。」と山本准教授。

水量140トンのタンクにクロマグロを養殖しようとする試みが始まった。稚魚を入れて直後が勝負だと山本教授。

7月に愛媛県の小さな漁港に来て、クロマグロの稚魚を手に入れた。

すぐさま岡山に向けてトンボ帰り。学生達が待ち構えるところに午後9時に到着。専用の水槽に放つ。

7月15日、山本俊雅准教授も見守る。翌朝、様子を確認すると、稚魚は群れを作って泳いでいた。山本准教授も胸をなでおろす。

1ヵ月後は、エサを食べるかどうか。現在は60匹の稚魚が元気に育っていた。

山育ちのマグロが徐々に育っている。

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栃木県那珂川町。典型的な過疎の町。そこに廃校となった小学校があるが、かつての職員室に大きな水槽がある。そこで泳いでいたのは「とらふぐ」だ。野口勝明さんが町おこしの一環で考えた。

その水は温泉だ。野口さんは都内からUターンして水質調査会社を立ち上げた。きっかけはその温泉の水質を調べた結果、海水の成分に良く似ていることを発見。仕事の傍らトラフグの養殖に乗り出した。

ただし出荷していないので、1000万円ほどの費用は持ち出しだ。

町は150万円の補助金で支援することにした。

東京有明で行われた海産物見本市に、那珂川町もブースを出して出店した。しかし会場の隅っこで地味なブースはなかなか人も寄り付かない。

そこで野口さんは最後の一手を打った。

7月下旬、那珂川町、野口さんは一か八かの勝負に出た。合計60匹をタンクに入れて運ばれていった。

着いた先は宇都宮の料亭だった。ふぐ刺し、や、から揚げ・塩焼きなどにふぐが利用された。

野口さんは町の有力者を呼んで試食会を開催する準備をして、そこに料亭からのふぐ弁当が届いた。

試食会が始まり、反応が良かったのがホテルや旅館の人たち。

大金町長も「’トラフグの町’でPRできる。」と笑顔。町にとっても起爆剤になりそうで、野口さんの努力が実を結びそうだ。

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野口さん、水族館に来た人たちにふぐのから揚げを試食で出す。「発出荷」のふぐは地元で!という野口さんの願い。用意した試食は10分で完食。

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江口君・・・肉や野菜のように’自分達が作った魚’を食べる時代が将来やってくるかも。