雲助と犬
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犬との旅 明石へ 4

走り抜けろ

木曽路を走り抜けて土岐でR19からR21に乗り、ナントカ峠を越えて日本ラインを走り、各務原、大垣、関ヶ原でR8へ。

日が暮れてきた。
この時の予定では、琵琶湖畔のある「道の駅」に入りキャンプ(寝るのはトラック)の予定だった。

関ヶ原を過ぎて米原手前ではすでに暗くヘッドライトを点灯する状態になった。
ここから道の駅までは暗く走った事のない知らない道。
暗い道は景色も見えないし、まして走った事がなければ、先の道がどのようになっているのかがわからず見えにくい。
自分のおおざっぱな地図によると道は簡単そうだった。
線路のガードを越えたひとつ目の交差点で左折して、まっすぐ進めば湖畔に出るのだ。楽勝楽勝~。
しかし、そのとおりにタンクローリーを走らせると、どんどん道幅が狭くなってきた。
そして狭い交差点にさしかかる。先には踏切。
案の定、この先から「大型トラック進入禁止」の標識が出る。(もっと早く標識を出しておけ!っちゅうの。)
しかし暗い道の先の方(500M位)には、車のライトの速い流れがの道が横切っているのが見えた。あそこが琵琶湖畔沿いの通りだろう。
もうすぐそこだ。
ここまで来てこの大型トラックで道を曲がり変えるのは嫌だ。
こういう事はよくあって、今まで狭い道に入り込む修羅場は幾度となく抜けてきた。だからいつもの様に十二支の亥、猪の血が騒ぎ「行ってしまえ~」と言うのだ。
迷わず直進。
これがいつも「吉」を出す。
対向車とのすれ違いがやっとの踏切に入る。手前で止まってもらった車に挨拶のクラクションを鳴らして通り過ぎて侵入した道は、このトラックがギリギリに通れる幅の道だった。左のミラーが、道路面にめいいっぱいに立ち並ぶ立派な瓦屋根の民家の軒先に擦りそうなくらいだった。
幸いに前から車が来る事無く、一気に走り抜けて風の強い湖畔の通りに出た。

Poaks5line  日本ラインを眺めるポーリー。






犬との旅 明石へ 3

人間のいない道

いつも木曽路を走っていると目につく光景のうちのひとつに山口ダムの放水がある。
いつもここを通るとき車体が名古屋方面を向いているために放水はバックミラー越しに小さく観ていた。今回はポーリーも一緒だし、時間にも余裕があるからトラックから降りてこの放水を近くで観ようと思った。ダムを通り過ぎてからすぐに左側にスペースがあった。トラックを止めようとウインカーを出すと、ポーリーは降りる事を悟り、助手席で立ち上がって興奮した。
勢いの良い木曽路の流れからはずれて急停車をするようにトラックを止める。エアー式のサイドブレーキを引くと車は「プシュー」と大きな音を立てる。これでポーリーはトラックから降りると確信する。そして、ポーリーはさらに興奮をして、運転席にいる俺の腿の上に立ったままの姿勢でのっかる。犬の小さな手でツボが押されて気持ちいい。俺はエンジンを止めて財布と携帯カメラだけを持って運転席を飛び降りて助手席側に回りドアを開ける。そして尻尾を振っているポーリーを抱きかかえてトラックから降ろした。少し歩くと目の前には閉鎖された旧道があった。立入禁止と書いてあった。俺とポーリーは無視してゲートを通り越した。使われていない道は荒れ果てていた。進行方向に向かって左手にあるガードレールの下は谷。アスファルトがひび割れて所々が崩れている。使われなくなったコンクリートの蔦だらけの橋もあった。近づくとこわい。右手は急斜面。苔の生えた大きな樹がたくさんある。水の音がするけれど水が見えなかった。ポーリーはジグザグに獣の匂いを嗅ぎながら忙しそうに足早で歩いていた。

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この人の通らなくなった道が閉鎖されてどのくらいの時が経ったのかはわからないけれど、周りの大きな自然は、人の造った道を消し去ろうとしている様に覆い被さってきている様だった。

歩いていくとトンネルがでてきた。
出口の方から工事の機械の音が聞こえてきた。
ポーリーが何の躊躇もせずにトンネルの闇に消えていきかけたところで呼び止めた。ポーリーがこのまま進むのなら大丈夫なのかもしれないと思ったけれど、俺はこのトンネルには入る事が出来なかった。なぜなら、この晴天の空の下、そこには真っ黒な闇が存在していたからだ。





 

犬との旅 明石へ 2

 さて、前記事の続き。

過ぎてしまった楽しかった事を思い返しながら、缶ビールを開けてコタツに入りPCのこの画面にむかう。そばで寝ているロボはいつものようになぜだか上半身だけコタツに入っている。ポーリーは全身コタツに潜って寝ている。
頭の中でこれから書き出す文章をまとめているとコタツ布団が盛り上がる。「ハッハッハッハ」といいながら横目で俺をチラ見して、ホカホカになったポーリーがコタツから出て来て床の冷たいところでバタッと倒れて寝る。
そんな様子を眺めていると、夕食の仕度が整い何も書かないままにPC閉じなければならなく今日は終わる。


で、明石の話。
川を散歩した道の駅を出発してから諏訪の街を抜けて塩尻峠を越える。
峠を降りて町中に入り、国道は19号線になったところで左手のSEIYUで食材を買った。このスーパーは24時間営業でここを通るときには必ず立ち寄る。大型トラックは国道沿いのFマートに停める。
こ の日は牛肉500gが、約500円。しかもシールが張ってあって、レジに持っていけばさらに半額!興奮した。ポーリーと食べよう、迷わず購入した。買い物 を終えて駐車場の隅に止めたトラックに向かうと、運転席に座ってガラス越しに一生懸命俺の姿を探しているポーリーが見える。俺に気がついたな、こっちを見 ているポーリーの胸の白い星マークが揺れて見えた。尻尾を振っているんだろう。

話は変わるけど、これを書いているとき。カミさんの策略か。冷蔵庫に冷えているビールが無い。仕方ないから中にあったワインをグラスに注ぎ、コタツの戻る。そのワインを飲んだらケンボウの気の抜けたコーラだった。トホホ~。

さて、国道19号「木曽路」を走る。日本の名景なんぼに選ばれている街道で宿場町が立ち並ぶ。昔、江戸の旅人たちはここを歩いていたんだろう。その うちのひとつ「奈良井宿」にて俺たちは足を止めた。木曽の大橋を渡り原っぱでポーリーが用を足した。空はいつの間にかに曇っていた。川沿いを散歩した。ト ラックに戻り出発した。ここでは小休止な感じで終わった。

Poaks3


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「さていくか」といいながら携帯電話のカメラを向けるとそっぽをむくポーリー。
つづく~




犬との旅 明石へ

旅と言っても仕事に便乗。やっぱり仕事だから終わってみるとのんびりは出来ないかった感が残る。荷下ろしの時間があるから、なんだか時間に追われた感じがして、ここの後はあそこまで走って、あそこで休んで何時頃に出発して、どこで高速に乗れば何時に到着するからどうのこうのって、まるで学生時代の修学旅行の計画みたい。こうなると、血液型がいつもB型に間違われる俺のA型の血液がビンビンに反応して、細かい予定を紙に書き出したりしないと気が済まない始末。
本当は「起こるにまかせよ」的な旅がしたい。いつの日か犬と日本中を彷徨い走りたい。

今回の仕事は11/24着納品で、兵庫県は明石市まで大豆油6tとあまに油4tの計11000ℓの積み合わせで輸送した。
積み込みは11/22に千葉は新港にておこなった。
一度横浜に帰宅。
夜から雨が降り、隣の家との間のトタンに激しくあたり音を立てていた。本降りになったようだ。
翌23日の明け方にポーリーを連れて車庫を出発した。
いつものようにロボに気がつかれないようにそっとポーリーの耳元で囁いた。
「いくよ」
ポーリーは飛び起きた。
手早く支度を済ませて外に出ると、まだ雨風が激しかった。

会社に行き、トラックのエンジンをかけた。
シートの位置が高い大型トラックだからポーリーはシートにジャンプできない。ポーリーを抱きかかえて助手席にのせた。
誰もいない街の濡れて黒光りしたアスファルトには、風で落ちた枯れ葉が散らばっている。
夜中でも流れの速いR246からR16へ出る。
相模原を抜けて橋本から津久井湖の堤防の上を走る。ポーリーが好きそうな景色だが暗くて何も見えない。一応、窓を開けてやると外に鼻を出して一生懸命匂いをかいでいた。
相模湖の湖畔沿いの国道は車線が狭く曲がりくねったカーブもきつく、大型トラックで走るときにはセンターラインを、はみ出なければ曲がれない場所が何カ所もある。少しだけ運転に集中をしたい。
ポーリーには悪いが全開の助手席の窓から落ちたら大変だから閉めさせてもらった。
相模湖ICから中央高速にのるときには、雨も止み明るくなり始めていた。

途中のサービスエリアでトイレ休憩をした。
甲府昭和ICで国道に降りて20号線を走る。
空は晴れて来た。
長野県との県境あたりのほとんど一人で走っているときには通り過ぎる道の駅に入る。
降りれるから尻尾を振って喜ぶポーリーを抱きかかえて下ろす。
車の少ない駐車場をポーリーは好き勝手に歩く。寝泊まりしていたキャンピングカーから歯を磨きながら出て来たおやじに興味を持ったポーリーが近づく。
川がある事に気がついた。ポーリーを呼んで川に降りた。歩きやすい川沿いの木々の中をしばらく散歩した。

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いつもは通り過ぎていた場所にこんなところがあった。
水がとても冷たく澄んでいて綺麗だった。
足を止めてみないと気がつかない場所があるのだね。

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朝日を浴びているポーリー。
つづく

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ポーリー

タイトルの写真は、いつだかポーリーとふたりで名古屋の方に行った仕事の帰りに、静岡は浜名バイパス沿いの海岸に寄ったときのものだ。
ポーリーが初めて長距離の仕事についてきた時。
このときは12月で風がものすごく強かった事をおぼえている。
休憩がてら海にでれば、ポーリーは喜び興奮するかと思いきや、30分もしないで トットットッ っと来た道をトラックを停めたところまで戻り、ドアに向かい「のる」とアイコンタクト。

長時間を共にしていると、言葉なんかなくとも互いに言いたい事は伝える事が出来るようになる。

はじめてそれをイヌと感じる事が出来た時かもしれなかった。

・・・・残して来た家族が心配なんだろ。


ポーリーの意思は俺にそう伝えられた。


「OK、カイシャにはワリィけど東名のっかって、すっとばして帰ろう」


イヌは群れを(家族)を大切にする。

ポーリーはいつでも家族が共に過ごし、自分が家族を守るという意識がとても高いイヌだ。
ポーリーを見ているとよくそれを感じる。
だから、長時間の留守番などさせたことはないし、出かけるときは必ず連れて行く。
連れて行けないところには行かない。
ひとりにしちゃあ、かわいそうだろ。