ORANGEの備忘記録 -12ページ目

手術前日

シャワーへ。


荷物の片付けが終わった頃、看護師さんがやってきて、血圧と検温測定。その後は薬剤師さんも来て、普段飲んでる薬を渡す。この普段飲んでる薬(貧血なので鉄剤)を渡す意味がよくわからないまま。退院のときそっくりそのまま返されるのだけども。入院中はこの病院で出される同じ薬を飲むという儀式。


そうこうしているうちにシャワーの時間になったので、手順にならって入室。通路に面したシャワールームだけども鍵はかけないそうだ。そしてとても狭い。救われたのは、とても清潔だったこと。

病院のパジャマに着替え、廊下にある洗面台でドライヤーをかける。患者同士の会話がないせいかすごく静かな病棟なので、ドライヤーはかなりの騒音だった。

結局、シャワーは退院までこのとき一回だけだった。


部屋に戻ってもさていよいよ暇だ。


話が脱線するとはこのこと

旅行バッグ2つとペットボトル7本入った手提げバッグ1つ、書類用のバッグと、レンタルしたパジャマやタオルやアメニティの詰め込まれた袋を持ってエレベーターで5階へ上がる。


ナースステーションはすぐ目の前にあった。


荷物を下ろし、入院受付で言われたことは荷物の多さですっかり忘れ。


ナースステーションの受け付けの人に今日から入院ですと告げるも、すぐに返事がない。

あれ?自分で部屋に行くんだっけ?という間合いかな?と思い聞いて見ると、看護師が説明をしてから一緒に部屋に行きます、と。

・・・なんの間だったのかな?

人それぞれリズムがあるからね。尊重。


コロナ禍で使われなくなった入院患者用の食堂が待合室だった。そこで待つよう言われる。

さっき入院受付から少し早く手続きをしていた女性がすでに別の看護師さんから説明を受けていた。


同じ階の入院なんだ〜と。キョロキョロ。

するとすぐに担当の看護師さんが登場。

開口一番、荷物多いですね〜。カートみたいなの使えばよかったのに、って。おそらく旅行用のスーツケースのことだと思うが。使っていいなら誰か言ってくれればよかったのになぁ。基本、荷物は床置きしないと、入院案内に書いてあったからなんとなくスーツケースは使えないだろうと思っていたが。まったく、こちらも頭が回らない。頭が働いてない感覚は最近ほんとに実感している。


1つ荷物を看護師さんに持ってもらい病室へ向かう。

到着した部屋は、割ときれいな部屋だった。

4人部屋で、コロナ禍対応で個室如く全部カーテンを閉めている。カーテンなので音は筒抜けだが、誰とも顔を合わせることなく入室。

なんとなく窓際がいいなと思っていたが、廊下側だった。窓際も景色のほとんどが病院の隣の外来病棟の屋根でたいした景色はない。


翌日手術をするので、後でシャワーに入るよう指示。シャワーは、このフロアに見る限り1つしかないが、あまり利用する人はいないようだ。


今日はシャワーしたらあとは自由です、とのこと。とはいえ、特にすることもなく、明日は麻酔で眠らされるから今日はやれることをやってしまおうと思っていた。

まずは、荷物整理から。

クローゼットは、汚れもなくとてもキレイだったのでためらうことなく、着替えやタオルをサクサク片付ける。


アメニティでもらったテレビ用イヤホンは片耳のものだった。おまけにコードが3メートルもあった。長っ。

スリッパは、持参したものもあるがもらったスリッパのほうが使い捨てやすそうだったのでそちらを使うことにした。

飲み物は、個別に冷蔵庫が付いていたのでそちらへ収納。テレビはテレビカードを購入して利用するのだけど、冷蔵庫も同じカードでスイッチが入るらしい。普段から常温で飲むことが多い季節なので特に冷蔵庫はスイッチを入れずそのまま収納として利用した。きれいな冷蔵庫だったので安心。


次に、おじのお通夜を控えまだ実家には今日入院することすら話してないのでそこから話を伝える。


コロナ禍でほとんど内々だけで葬儀を済ませるという話が多かったため、おじの葬儀も参列を許可されないと思っていたが、できる限りお世話になった人にはたくさん来てほしいと、今どき珍しい運びとなった。

とはいえ、どこかのタイミングでやっぱり・・と人数制限入るか不確定だったので両親に入院するからお通夜に行かれないことは、ギリギリまで黙っておくことにした。なんなら退院するまで黙っておこうと思った。それでなくても両親自体も葬儀の手配や何やらで自宅にも帰らず奔走している。不要な心配事はかけてもらいたくない。


手術をすること自体はずいぶん前に話してある。それについて聞いてこないということはよほど余裕がないのだろう。


LINEで両親に入院するからお通夜には行かれないことを伝えると、おかしな絵文字や反応が返ってきた。こちらが気を遣っているのにそれがわからない人を親に持つと全く困る。気を遣ってあげてあるのだからそちらもそれ相応の返しを、と期待しているわけではなく、なぜこちらがそういう行動を取っているのかということを考えることをしない。おかしな反応を返してきたことは案の定といったところだ。幸い、両親それぞれクセが異なるので何とかかわしながら話を終える。父は、こだわりが少し強いがまだ穏やかで常識的なので会話は成立する。問題は母で主観性が強い。強いというか、客観的な視点が無いに等しい。楽しければ大声出してキャッキャ騒ぐし(TOP無視)ストレスを感じれば、返信を考える時間の作れるLINEやメールでも感情をあらわにし、相手を責める。そんな感じだから、対面は困る。こちらの家に遊びに来て、ご近所に嫌味を行ったり平気でする。こちらはご近所付き合いを大事にしているし、相手の立場になって一瞬考えれば嫌味なんて出てこない状況で、だ。それでいてたまに気をつかえたりもする。そこは自分で気遣いやさんだと思っているに違いない。


子供の頃にお世話になったおじの死を心から悼んでいるのはもちろん、お通夜にすら参列できず心苦しいのはこちらなのに、そういうことを察することができない。自分たちがどうでありたいか、しか見えていない。それに添えないとこちら側が悪いと考える思考回路を持っている。どこの親もそういった一面はあるとは思うが。


案の定の案の定、母は妹に連絡しこちらの話の裏取りや、おそらく愚痴が飛び火したようだ。うまく話をまとめてくれたらしい。


夫が代わりに都合に無理してお通夜に行ってくれるので、そこで両親からおかしな言葉を言われなければよいが。平気で(相手を不快にさせていることに気付かないで)そういうことする人だ。クワバラクワバラ。


母の特徴を初めて言葉にして、おまけに文字にしたためたりしてみたが、ある種の恐ろしい人だということがわかった。お互い歳を取って会話も減らすことができ、穏やかに付き合えてはいるが、今後もなんともいえない不穏はつきまとう。両親には不具合が生じない程度に自由に生きてほしいとも思っている。


両親との関係を見つめ直す入院はじめになった・・・わけではない。

こんなやり取りは日常茶飯事。人生の半分は彼らの元で暮らしていたから慣れている。

親子でありながら属性が間逆なのだ。


話が脱線してるので今日はここまで。


いよいよ病棟へ

さぁいよいよ入院。


入院受付にはすでに数組待っていた。


どの人も今日から入院する人たちのようだ。中には後日入院するための書類の受け取りをしている人もいた。


手際が良いといえばそうなのだが、とにかく説明が早い。幸い自分より前の人達が受けてる同じ説明を何度か聞くとができたので、自分の番が来ても必死になることは必要なかった。

 

まずはアメニティのレンタルに向かうよう、指示。パジャマやタオルをレンタルさせてくれるところだ。指定されたところに行ってみると廊下の一画に露天商のようにあった。病院とは全く別会社が請け負っているようだ。なにせ、狭い。一人ずつしか受付できない。

二組の先客がいるのでしばらく待たされる。


入院面談の時にもらった用紙を家でじっくり検討し、パジャマとタオルのレンタルとティッシュやイヤホンなどアメニティがセットになったものを注文した。

すると、詰め放題か何かで見たことがあるような勢いで後ろの棚から次々に品物を取ってレジ袋に詰め込んでいく。

そのうちスリッパが詰め込まれた。ちゃんとした新品だ。え、室内履き持ってくるよう言われたからわざわざ買ったけど。どゆこと?


大きなレジ袋にパンパンに入れて渡された。これ以上荷物が増えることを想像していなかったから困った。自分で手続きした上、部屋にすら持ってきてくれないのか。コロナのせいか?しらんけど。

 両手に持ちきれないほどの大きさと重さでみっともない姿のまま指定された病棟へ向かう。

エレベーターで5階まで上がった。