ORANGEの備忘記録 -11ページ目

入院初日夜中

入院当日のよるは、あまり眠れなかった。

手術の緊張というよりは、環境の違いというか。

4人部屋だったのだけど、見事に他の3人はイビキ持ち。

おまけに隣の患者さんは、消灯時間を過ぎてはもちろん、夜中ずっと朝までテレビがついている。画面がこちら向きなので、明るいこと、チラチラすること。

眠れない原因はこれが半分くらい。


あとは、大部屋に扉がなく廊下と筒抜けになっている。しばらくは看護師さんや患者さんが会話する声が聞こえてきたり、カタカタ台車が通る音が聞こえてきたり。


ホテルじゃないから仕方ないけど、今までの病院で一番眠れない環境だった。


でも、次の日は全身麻酔で強制的に眠らされるのだから寝不足でも全然構わなかった。

むしろ、術後は眠って痛みをごまかしたいから明日のために今は眠れないほうが都合が良かった。



まだ元気な手術前の夜

翌日に手術を控え、元気な状態で特にすることもなく、暇を持て余していたのでまずは病院特有のテレビカードを買いに行った。


同じフロアに自販機があり千円で購入。確か800分視聴、または冷蔵庫の電源に使用できる。


部屋に帰る途中、やらかした。

部屋を間違えたのだ。


一つ手前の大部屋に入った瞬間、患者さんの検診をしていた看護師さんに『?!違うと思いますよ?』と、声をかけられたのだけど、全く疑いのない気持ちでそこにいるので ちょっと何言ってるのかわからない、状態。


自分のベッドと同じ場所のカーテンをスッと開けた途端、看護師さんの言った意味が理解できた。

自分の親ほどの男性が横たわっている。

『失礼しました!!』

その男性は穏やかな表情をされて、声こそ発しなかったものの、いいよという表情。許してくれたようだ。ますます申し訳ない。


看護師さんもすかさず『部屋がどこも似てますからね~』とフォローしてくれた。


あぁ、部屋番号見ていたし直前に看護師さんに声もかけられていたのにすぐに気付けないとは。

実は、この部屋間違いは、その後夜中にまたやらかすのであった。


夕飯は、病院食だから期待はしていなかったけど暇すぎて待ち遠しかった。


しかし運ばれてきたのは、想像以上の病院食だった。

白身魚のムニエル、野菜の和え物、薄い味噌汁、少ない白米。

写真にとって、家族に報告。すぐさま返事があり一様に『少なっ』だった。

普段、我が家が食べ過ぎなのを、反省した。


その献立の中に、ご飯のお供的な不思議なパックがついていた。

卵かけごはんのもととかいう、ねっとりとした液体状のもの。

見た目は美味しくなさそうなのだけど、ご飯にかけると本当に卵かけごはんの味になる。


恐らく、食事が進まない人に向けた助っ人食品だ。あまりに珍しく、手軽なのですぐさまネットでお取り寄せ。


後日、家族に試してもらったがそんなに旨くないと酷評だった。


明日の手術の順番

シャワーも終わり、あとは夕飯とって寝るだけだ、と。まだ夕方だけど。


すると形成外科手術チームが訪ねてきた。

実はシャワー前に一度、初めてお目にかかる先生が『手術用にマーカーしたい』とやってきた。


まだシャワー前ですけどいいですか?というと、一目散に退散していった。説明用に持ってきたと思われるプリント類も放置して。

何だったんだろう。


改めて、いつもの先生がほかのメンバーと共にやってきて、明日切り取る脂肪腫の範囲に印をペンで書き込んでいった。

そこでさっき別の先生が放置していったプリント類の説明があった。手術の流れの説明だったように思う。


明日の手術の順番は午後になると知らされた。14時半頃を目処に予定している、と。

その前に、何人も手術があるからその実際の手術時間によって大幅に時間が変わるかもしれません、と。

そんなん全然かまへんよーと、快諾していた。


これが後に大変な思いをすることになるとは想像できなかった。