こんにちは、培養部門です。
今回は子宮内膜スクラッチについて説明します。
以前の記事にも説明しましたが、先進医療には体外受精・顕微授精・胚移植を受けられる全ての方を対象とした技術と反復して着床や妊娠に至っていない方を対象とした技術があります。
子宮内膜スクラッチは反復して着床や妊娠に至っていない方を対象とした技術です。
通常は移植胚から着床環境を整える信号が子宮内膜へ伝達され、着床し妊娠が成立します。
しかしながら、反復して着床や妊娠に至らない方の中には、移植胚の着床環境を整える信号に対して子宮内膜が異常に反応してしまう方がいると考えられています。この問題を解決するために子宮内膜スクラッチが提案されました。
胚移植をする前周期に子宮内膜を擦過して小さな傷をつけることによって子宮内膜の修復を促します。子宮内膜は修復する過程で着床する能力が正常化され、着床の促進が期待できます。
採卵された方や不妊治療卒業メッセージとしてたくさんの方からメッセージをいただいております。
是非、ご覧いただければ幸いです。
お知らせ
当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。
PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。
※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。
PRP療法とは再生医療の一つです。
様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。
子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。
PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。
文責:培養部門
〔生殖医療専門医〕古井憲司