半兵衛のブログ -43ページ目

半兵衛のブログ

映画やドラマ好きなので映画やTVドラマのレビュー、ビートルズ関連の曲紹介や、古い洋楽ロック、気になるJポップスのレビューをしています。ペタは見ません、いいねを中心に訪問しています。

地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子

 

制作:日本テレビ

原作:宮木あや子(校閲ガールシリーズ)

脚本:中谷まゆみ

出演:石原さとみ/菅田将暉

おすすめ度:★★★★☆ 一話目限定の評価 

 

まだ、一話見ただけだったのですが、これがなかなかおもしろい!一話だけなので、ネタバレ全開でレポートしたいと思います。(Huluで視聴)

 

相関関係 日テレHPより。毎週水曜夜10時放送

 

 

◆面接シーンの面白さ

景凡社入社にかける情熱はすごいものがあり、編集者の募集はしていないにもかかわらず、新卒から毎年むりやり通い続け今年が7回目。夢をあきらめることなくめげずに自分をアピールする姿に感動を覚えました。

 

面接官の「編集者の中途採用は今年もしていない」との問いかけに対し、「愛読誌Lassyの発行部数減少の原因は、編集者の中途採用を全くせず、雑誌作りの殆どの工程をセミプロやフリーの契約スタッフに任せてしまっているからだ」と指摘し、その上で「私を雇えば発行部数減少を食い止めることができる」と力説しました。

 

お金や生活だけのためではなく編集者になって誰でも実践できるファッションを発信するという夢の実現に立ち向かう姿に熱いものを感じました。

 

◆採用は校閲部

採用が決定し、泣くほど喜んだのはつかの間、配属先が派手なファッション現場とは程遠い超地味な部署で、しかも、地下室にある校閲部。

面接官の1人であった校閲部長 茸原(岸谷五朗)からの推薦でした。

さらに部長からは名前が河野悦子なので略して校閲だと言われる始末

「ここで活躍すれば希望の扉は開かれるかも知れない」と後押しされます。

 

しかも、ファッション関係の校閲ならまだ良いのですが、ファッション誌だけではなく景凡社全体の校閲部のようなので、さらに遠い部署へ配属されてしまった感が拭えません。

希望のLassyの編集者ではないので、頑張って認められて半年で抜け出す決意をします。

 

◆人気作家担当に

ひょんなことから、人気作家本郷大作(鹿賀丈史)の校閲を担当することになり気合を入れて校閲をする悦子。今までの校閲とは違う何かを感じた作家先生から気に入られます。

その後の校閲で、立川の立日橋(たっぴばし)立田橋になっていたので指摘したにも関わらずその部分が修正されていないことに疑問を感じてしまい、調査の為に舞台となる多摩方面を見て歩くことになりました。尋ね回るうちに、立日橋近くにある写真館に飾られている本郷先生の家族写真を偶然発見し、気楽な気持ちで「先生の奥様に取り次いでもらえませんか?」と店主に話しかけました。

 

◆本郷先生怒る!

ある日怒り心頭の本郷が校閲部を訪ね「君のしたことは校閲ではなくプライバシーを踏みにじる行為だ もう景凡社には書かない」と言われてしまいます。

実は本郷は20年前に最愛の妻と離婚しており、家族のことに触れることは編集者の間ではタブーだったのです。

 20年の編集部の苦労を一瞬で踏みにじってしまった悦子、クビを覚悟した悦子と編集部の貝塚八郎・・事の重大さに落ち込みます。

 

自宅(一階をおでん屋さんに貸している?)に戻ると、おでん屋さんの常連客のファンからエディターズバッグをプレゼントされました。 

やめたくない思いが強くなっていき、編集部の貝塚に電話をかけ、直接先生にお詫びをしたいと打ち明けました。

 

◆先生に謝る

先生とアポがとれ立日橋にいるという。

「この度は誠に申し訳ありませんでした」

「別れた妻に会ってきたよ 我々には息子がいて最後にあったのは20年前だった

まだ、舌っ足らずだった息子が立日橋をたった橋と読むのが可愛らしかった

息子だけに送ったメッセージのつもりだったが、校閲をなめていたな・・・・」

「もう2度と先生の担当はいたしませんので、景凡社で書いていただけませんでしょうか」

「息子のことが気がかりで20年間ずっとそのきっかけを探していた。だが、逃げた妻にこっちから連絡するのも癪(しゃく)でね・・君には感謝しないといけないな 河野悦子略してコウエツ・・天職かもしれんな」と言って笑いながら去っていってしまう。

 

◆製本された小説

校閲部のところへ編集部の貝塚八郎が本郷先生の製本されたばかりの小説をもって来て、部長と悦子に一冊ずつ渡しました。チョベリグがしっかり地味にうまい!に変わっており、立田橋立日橋にちゃんと修正されていました。そして最後のページには栞が挟んであり、そこには「贈呈 地味にスゴイ 校閲部河野悦子様 本郷大作」と書いてありました。必死に頑張ってきた苦労が報われた瞬間です。

 

◆出会い 

翌日出勤途中、会社からアルバイトのために来ていた、折原幸人と偶然ぶつかってしまう。

髪の毛ボサボサで赤いジンベエと赤のジャージというかなりダサい格好で一見イケメンに見えないが、悦子は「超絶イケメンでどストライク」だと打ち明ける。

 

※おそらく、折原幸人は本郷先生の20年間あっていないという息子だと思う。学校でもパソコンを使って小説を書いていたし、血は争えないというところでしょうか?

 

◆河野悦子の人物像

  • ファッションにうるさい おしゃれオタク
  • 夢にかける熱い情熱は誰も負けない
  • 常にポジティブシンキング
  • 自信過剰
  • 結構口が悪い(上下関係無視でズケズケと発言する)
  • 空気を読まない
  • 納得いかないことには絶対に引き下がらないタイプ
  • その半面、人に愛されるぶちゃけた人柄
  • イケメン大好き

◆キャラの個性が強い

最近の人気ドラマで、ハマったのは、不動産会社に務める「家を売る女」でした。

北川景子さん演じる三軒屋チーフのキャラが立ちすぎているのが人気の原因でした。

家政婦三田の松嶋 菜々子さんもキャラが立っていましたね。

共通点は、秘密めいた成り立ちと、常識にとらわれない異常なまでの職務能力です。

 

今作の石原さとみさんもかなりキャラが立っていて漫画的でおもしろいですね。

見どころは地味な仕事でも世間の常識を覆しながらも立ち向かっていくところです。一話目の最後で本郷先生からのプレゼントに、悦子の校閲の範囲を越えた行動に疑問を呈していた先輩からは「ありえない」という発言がありました。常識の範囲内での行動しかできなかったからですね。

※真面目に地道に長く続けることももちろん大切です。

 

◆演技について

個人的には、編集部の青木崇高さん演じる貝塚八郎が良かったと思います。

編集部というと、会社に寝泊まりする人たちをイメージしますので、青木さんのボサボサヘアーに無精髭、充血した目など、なかなか役作りに力が入っているとおもいました。青木さんといえば映画「るろうに剣心」で相楽左之助役がバッチリハマっていましたね。

 

森尾登代子役の本田翼さんの目を合わせない演技も、素晴らしいですね。何か深い悩みを抱えていていたり、自信がないとしっかり目を合わせてしゃべらないようになりますが、心ここにあらずの様子の演技がこれからを予感させていいですね。

 

石原さとみといえば、最近では「シン・ゴジラ」での演技が物議をかもしていました。

その前に見たのは「進撃の巨人」です。

シン・ゴジラは、現実対虚構が謳い文句で 徹底した現実に対して唯一の虚構の部分がゴジラだったのですが、石原さとみ演じるアン・パターソンは唯一、現実なのか虚構なのかわからない存在でした。

進撃の巨人では、映画なのにまるで舞台演技をしているような場違い感を披露していました。この2作に共通するのは、現実感のない虚構の人物感が強いことです。

そして今作ですが、狭い部屋でも大舞台で演技しているような現実離れした人を演じています。自信過剰で空気を読まない悦子らしい役作りだと信じたいと思います。賛否が別れるところかもしれませんが、このドラマの売りの部分なのだと思いました。

 

 

  ・ビンテージ感漂う、ノー・ダウトのグウェン・ステファニーのKennedy Center Honorsでのステージ衣装と校閲部の藤岩りおんの服は似ている。少し工夫すればかなりファッショナブルに見えますね。※ネクタイと派手目のブーツ、クビレを強調するために胸元のをつめ、袖を短めにしてワイシャツを出してめくりあげる。

 

◆世界で最も美しい顔19位

石原さとみといえばアメリカの映画サイトで世界で最も美しい顔100(2015)で日本人のトップで19位に入っていますね、本人は冗談かもしれませんが、芸能界から干される心配をしており、いつ失業してもいいように看護師になる勉強をしているようですが、辞める前に一度ハリウッドに進出してみてはどうかと思います。ゴジラでも英会話を十分できるレベルだとアピールしましたし。BABYMETALもがんばっていますしね!なによりも国際派の日本人女優は少なすぎますね。

 

 

「地味にスゴイ!」は、女性をはじめ、どんな小さな仕事でも一生懸命頑張っている人を応援するドラマ。自分の居場所はここなのだろうかと悩みながら働いている人ってすごくいっぱいいると思うんですよ。そんな人たちが、本当はやりたい仕事じゃなくても、本気でやれば自分をほめていいんだって思えるようなドラマにしたい。 プロデューサー 小田玲奈(マイナビ・ニュースより)

 

◆追記2話目3話目を見ました。

みなさんがよく言う感想「口が汚い」についてですが、
尖った性格の人が主人公なのです。2話目では自分がしでかしてしまったミスを校閲部のみんなが手伝ってくれるという話。もし、口汚いだけの女性ならば誰も助けないはずです。口汚いがキラリと光る何か、型破りの善意の行動とその行動力、信じるものにまっすぐと突き進む様子など、悦子には自分にないものを持っているナイフのような尖った人という意識が同僚にあると思います。特に編集部の貝塚は「たこ」言われている本人ですが内心ではかなり認めていると思います。

 

ただ単に校閲の仕事を黙々とこなすだけの主人公のドラマではありません。彼女は50年台に現れたロックンローラーのような尖った人(意外とジョン・レノンぽい)を演じています。

そんな尖った性格の人が仕事という人と人とのつながりの中でぶつかりながら成長して行く様子を描いたのがこのドラマの素晴らしいところです。校閲という仕事を通して主人公が成長していく様子や、彼女の成長だけではなく、職場のみんなも彼女から刺激を受け、少しずつ意識が変わっていく様子も上手に描かれています。

 

※ジョン・レノンぽいと感じるのは、口汚く世間の常識にとらわれず、世間に媚びることなく、一直線でバカ正直に次々と型破りな事を並外れた行動で実践するところ。仲間を大切にする親分肌であるところなどです。その行動力の刺激を受けたメンバーがビートルズです。ジョンは高校に通っていた頃、先生から「おまえはこのままでは落ちこぼれてしまう」と言われたときに「そこは天才のたまり場?」と答えました。ファッションに関しては美術学校にリーゼントと革ジャンという当時の常識では考えられない服装で通学して浮きまくっていましたね。

 

http://stat.ameba.jp/user_images/20161005/18/cleanup-time/76/3e/j/o0350047513765493691.jpgTo Love You More199510月に発売されたセリーヌ・ディオンの曲で、鈴木保奈美主演のフジテレのドラマ「恋人よ」のために書き起こされた主題歌で、CMなどにも起用され、日本国内だけでも100万枚以上の売上があります。葉加瀬太郎のヴァイオリンが印象的ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セリーヌ・ディオンといえば言わずと知れた世界の歌姫でその歌声に魅了された人も多いのではないのでしょうか・・名前からするとフランス人のイメージがありますが、フランス系カナダ人です。※もちろんフランス語も堪能。

 

ディズニー映画「美女と野獣」の主題歌やディカプリオ様主演の大ヒット映画「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴーオン」で一躍世界に躍り出ました。今では曲の売上枚数は2億枚を超えるアーチストとなり資産も軽く300億円を突破しました。

 

「美女と野獣」の主題歌も大好きなのでどちらを紹介しようか迷いましたが、今回は日本で爆発的にヒットし、オリコンでも洋楽シングルチャート18週連続1位を記録した「To Love You More」にしました。

 

その歌い上げ系の素晴らしさと葉加瀬太郎さんのヴァイオリンの名演とあいまって、傑作ナンバーに仕上がっています。演歌の「骨まで愛して」系のストレートで心を直撃する歌詞ですね!日本人歌手に例えると演歌の石川さゆりさんのイメージがぴったりきそうです。

 

----------------------------------------------------------------------------

To Love You More

                              作詞:作曲 David Walter Foster/jr.Miles

 

愛したあなたの腕で

前みたいに私を求めて

もう一度触れてほしい

そして 思い出してみて

他に欲しいものなど何もなかったことを

 

行かないで 私が傷つくのがわかっているのに

あの娘は私のように愛してはくれないわ

私だけがそばに居られるの

あの娘が去れば

私がまだあなたのところにいるのに気づくのよ

 

あなたを想いながら待ち続けるわ

私だけが誰よりもあなたを愛したいと思っているの

必要なものをすべて捧げられるのは私だけだって

わかってくれるはずだから

あなたをどこまでも愛させて

 

初めて出逢った頃のように私を見て

抱きしめて!どこにも行ってしまわないように

ただ信じてくれれば

あなたの本心が望むものを教えてあげる

 

あなたを想いながら待ち続けるわ

私だけが誰よりもあなたを愛したいと思っているの

必要なものをすべて捧げられるのは私だけだって

わかってくれるはずだから

あなたをどこまでも愛させて

 

そして、二人の愛を守り続ける方法を

どんなことをしてでも見つけるから

ただ信じてくれれば

あなたの本心が望むものを教えてあげる

 

あなたを想いながら待ち続けるわ

私だけが誰よりもあなたを愛したいと思っているの

必要なものをすべて捧げられるのは私だけだって

わかってくれるはずだから

あなたをどこまでも愛させて

 

意訳:半兵衛

----------------------------------------------------------------------------

 

 

http://stat.ameba.jp/user_images/20161005/02/cleanup-time/4d/0a/j/o0350034813765038376.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

脚本:マーク・L・スミス(英語版)
撮影:エマニュエル・ルベツキ

原作:マイケル・パンク(The Revenant: A Novel of Revenge)

出演者:レオナルド・ディカプリオ/トム・ハーディ

音楽:坂本龍一
おすすめ度 ★★★☆☆65点 実話の大切な部分を改変しているので微妙ですがディカプリオの迫真の演技は必見!

お子様:熊に襲われるシーンが残酷なのでトラウマになるかも。

 

<ストーリー>

アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。 シネマトゥデイより

 

◆鑑賞前のあると便利な豆知識

1822年、『ミズーリガジェット』紙と『パブリックアドバイザー』紙にウィリアム・ヘイリー・アシュレー将軍の名で募集広告が載る。「毛皮貿易を目指しミズーリ川を船でさかのぼる探検隊の参加者100名公募」この募集はアシュレーとヘンリーが創設したロッキー山脈毛皮会社(英語版)の仕事を請け負う罠猟師を集めるためで、この会社は1822年から1825年にわたり当時の北アメリカ西部の未開地でなんどか大掛かりな罠猟をしている。wikiより。

 

映画中での説明がなかったのですが、これはインディアンの土地に無断で侵入し、インディアンの食料であるバファローなどを殺して毛皮にして持ち帰るという毛皮会社の仕事です。当然生活を脅かされたインディアンはやめさせようとしています。

当時月収10ドル程度ですが、ビーバーの毛皮の帽子が欧州で高値で取引されていて一匹、2匹捕まえると月収ぐらいの収入になったらしいです。

 

 

感想(ネタバレを含む)・・・作品鑑賞後みてね

 

この作品はディカプリオが初受賞という事で、おめでとうの意味を含めて鑑賞しました。

前知識はその受賞のみで、ほぼ前知識が全くない理想的な状態での鑑賞となりました。

 

見終えた直後感想としては、映像はめっちゃ綺麗で、極寒の中での撮影での役者根性は凄いと思いましたが設定のリアリティーが無い感動しづらい作品でした。

 

鑑賞後にいつものパターンでいろいろ調べる事にしました。

するとまず驚いたのが、ヒューグラスが実際の人物でありその伝記小説が元になっていること。米国では有名人らしいです。

音楽を担当したのが坂本龍一さんだったこと。

 

◆実話

グラスは意識を取り戻したものの、重傷でひとり取り残され武器も旅の道具も盗まれたと気づく。片足は骨折、さらにアメリカ領でいちばん近いフォート・カイオワまでミズーリ川沿いに320キロ。折れた足に添え木をしたグラスは仲間が棺おけ代わりに体にかけた熊の皮を体に巻きつけると、這って進み始める。骨にまで達した背中の傷が膿んでただれると壊疽 (えそ) にむしばまれないよう、腐りかけの倒木にもたれて傷の膿んだ部分をウジがすっかり食いつくすのを待った。wikiより。

 

東京から320kmと言うと大体宮城県に到達する距離になりますが、それを骨折した足でたどり着いた事になります。追い続けたインディアンも凄いですね。

 

◆実話との違い

気になるのが、実話を元にしているので実話との違いです。

実話を都合よく改変してしまえば実話の意味が無くなります。

・ヒューグラスには子どもがいなかった。

・悪役の名前はフィツジェラルドではなくフィッツパトリック。

・熊を倒したのは一人ではなく2名の狩り仲間の助けがあった。

・劇中では駐屯地に戻ったヒューグラスはすぐさまフィッツジェラルドを追いかけて行った事になっているが、実際には、傷が治り疲れを癒やしてから。

・フィッツパトリック(フィッツジェラルド)は陸軍兵士になっていたので兵士を殺すことは重罪なので復讐をあきらめた。

・実際の死はフォート・ユニオンの駐屯地で仕事を見つけ、兵士たちの食糧を獲りに出かけた1833年の冬、イエローストーン川の近くでアリカラ族と遭遇し落命。

 

◆家族の物語にすり替えた

最近シン・ゴジラで話題に上がるのが好き嫌いが別れるポイントで、家族愛が描かれていないから嫌いという意見です。

物語に感情移入させるためにハリウッド映画がよく使う手、家族愛。売るためのご都合主義以外の何物でもありません。ハリウッド映画に毒された人びとが、それらをきっぱり切り捨てきった映画「シン・ゴジラ」を批判しているのです。

 

本当の復讐の動機は瀕死状態のグラスがフィツジェラルドに置いてけぼりにされ銃を奪われたことが復讐の動機だったのですが、監督はそんな陳腐な復讐劇じゃ動機が足りないと、架空の登場人物である息子を登場させ、ハリウッド映画で喜ばれる家族愛にすり替えてしまい、そもそも復讐劇であるにもかかわらず、その根本である個人の復讐から息子を殺された為の復讐に変えてしまい、インチキ作品にしてしまいました。

映像にいくらリアリティーがあっても話自体が作り物感がすごかったのはこのためでした。

復讐自体もこの作品では成し遂げられますが、実際には兵士になったフィッツジェラルドを殺すと重罪になってしまうので、自分の身に危険が及ぶとなると、きっちりと復讐をあきらめてしまいましたので、映画のクライマックスシーンも完全な作り物で残念です。

 

◆超人的な回復力

流石にあれだけ熊にやられた(全身噛み傷、引っ掻き傷、骨折はもとより、喉笛まで穴が開いている)となると仮に命が助かっても、骨折した足で何度もインディアンの追跡から逃れ、320kmも離れた駐屯地についた途端にフィッツジェラルドを追いかけ死にそうな病人なのに格闘・・・あまりにもリアリティーに欠ける演出でしたね。

 

◆インディアンの恐怖

インディアンの登場映画となれば、先住民族としてのインディアンの描かれ方も、気になるところです。なにしろ、アメリカは先住民族であるインディアンを大量殺戮して奪い取った土地です。しかし、いわゆる西部劇ではインディアンは悪者扱いです。この作品でもインディアンの恐怖はしっかり描かれていましたが、白人の残忍さは描かれていないような気がしました。

 

白人目線で描かれ、売るために家族愛にでっち上げインディアンの恐怖を描き先住民族を悪者にしてしまった罪深い作品で、結局は、売るために都合よく美談にすり替えてしまった商業主義主体の作品なので、好き嫌いはそれを受け入れる事が出来るか出来ないかです。

 

◆熊に襲われるシーンがすごすぎる

ここ場面CGなのはわかっていますが、現実とまったく区別つかないほどの特撮技術で、米国の凄さが分かります。
よく、山で熊に襲われるという話を聞きますが具体的にどのように襲われているのか見るのは初めて・・・圧倒的な力の前に見るも無残に押し倒され、爪で引っ掻かれ、噛みつかれ何も出来ないままやられまくり、それでも尚、執拗に攻撃してくる・・・

一旦攻撃がやみ少し熊が離れたところ、力を振り絞り銃をやっと手にし再度向かってくる熊に銃撃を浴びせますが、デカすぎる熊に致命傷を与えられず再度攻撃され、押し倒されながらもナイフで果敢に反撃し熊はヒューグラス(ディカプリオ)に覆いかぶさったまま絶命・・ヒューグラスもほぼ絶命状態・・・

プーさんに慣れてしまい熊が怖いものだと知らない子供たちが見たらショックを通り越してトラウマになるかも知れません。

 

◆演技

作品の善し悪しは別にして、セリフが少ないヒューグラスを演じなければならなかったのですが、渾身の演技でした。ベジタリアンのディカプリオがバッファローの肝臓を食いながら吐きまくるシーンや-20度の極寒のでの川に入りるシーン、実物の馬の体で寝るシーン、インディアンから逃げ惑うシーンでのほぼスタント無しで繰り広げられるシーンなど命がけとも思われるシーンの数々。今まで何度もノミネートされては夢と散った賞をとうとう受賞することが出来ました。あの穏やかな表情とは裏腹に想像もできない程の闘志が宿っているようです。日本の役者はサラリーマンすぎるので見習って欲しいです。まぁここまでヤルと逆に怖いぐらいですね。

 

◆撮影監督:エマニュエル・ルベツキ

3年連続でのアカデミー賞受賞の快挙を達成しました。

今回での撮影では、マジックアワーでの撮影にこだわり一日で撮影できる時間が極端に減ったそうです。

マジックアワー:日没後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語で、光源となる太陽が姿を消しているため限りなく影の無い状態が作り出される状態となり、色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える状態 wikiより

 

◆その他

私の場合は11月にキャンプに行ってシュラフ2枚重ねて寝ましたが、あまりの寒さで寝られなかったのを覚えています。あの人たちは雪が積もっているのに、平気で川に入りその濡れた体でなぜ、平気で寝ることが出来るのだろうか?根本的な体の構造がちがうようですね。

 

他の人のレビューを読むと、実際にあった実話の部分より監督によって作られた虚構の部分に感動する人が多いように感じました。つまり、リアリティーを無視して家族愛に仕上げ超人的な回復力を持たせた事が監督の思惑通りの反応を示してくれた事になります。