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半兵衛のブログ

映画やドラマ好きなので映画やTVドラマのレビュー、ビートルズ関連の曲紹介や、古い洋楽ロック、気になるJポップスのレビューをしています。ペタは見ません、いいねを中心に訪問しています。

Lemonは2018年3月に発売された米津 玄師( よねづ けんし)の作品

死を扱ったTBSテレビドラマ「アンナチュラル」の主題歌として作られました

 

※ドラマアンナチュラルは、不自然死の解明・解決が行われない日本にできた架空の機関「不自然死救命研究所」でのドラマで、出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝など。視聴率は9%~13%台でした。

 

◆死を扱ったドラマの主題歌として死をテーマにした作品

失恋や離婚などをテーマに作品は多いですが、生きていればお互い次の幸せという希望に向かって人生は続いていきますが、別れの原因が死となるとそうは行きません。

 

米津さんはこの作品を作曲中に祖父が亡くなってしてしまったそうです。

そんな悲しみの中、死と向かい合ったからこそ出来上がった曲だと言えます。

 

「この曲を作っている最中にうちのじいちゃんが死んだんです。それで今まで自分の中で作り上げてきた『死』に対する価値観がゼロになった。結果、『あなたが死んで悲しいです』とずっと言ってるだけの曲になりました」米津玄師

 

歌詞を見ると、死んでしまった彼女との会話形式になっていることがわかります。

今生きている恋人に、自分のことは忘れて新たな人生を歩んで欲しいという願いを投げかけています。

 

◆ミュージックビデオ:3億回突破!売上も300万枚超!※ダウンロード含む

ドラマに合わせて、教会で死者を悼む様子を山田智和監督が撮影しました。

ユーチューブでの再生回数がこのブログを書いている2019年4月19日現在で、357711480回となっており、日本のアーティストでは初の3億回を超えをしており更に数字は伸び続けるでしょう。

 

 

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Lemon                作詞・作曲:米津玄師

 

 

夢ならばどれほどよかったでしょう 

未だにあなたのことを夢にみる 

忘れた物を取りに帰るように 

古びた思い出の埃を払う 

 

戻らない幸せがあることを 

最後にあなたが教えてくれた 

言えずに隠してた昏い過去も 

あなたがいなきゃ永遠に昏いまま 

 

きっともうこれ以上 傷つくことなど 

ありはしないとわかっている 

 

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ 

そのすべてを愛してた あなたとともに 

胸に残り離れない 苦いレモンの匂い 

雨が降り止むまでは帰れない 

今でもあなたはわたしの光

 

暗闇であなたの背をなぞった 

その輪郭を鮮明に覚えている 

受け止めきれないものと出会うたび 

溢れてやまないのは涙だけ 

 

何をしていたの 何を見ていたの 

わたしの知らない横顔で 

 

どこかであなたが今 わたしと同じ様な 

涙にくれ 淋しさの中にいるなら 

わたしのことなどどうか忘れてください 

そんなことを心から願うほどに 

今でもあなたはわたしの光 

 

自分が思うより 

恋をしていたあなたに 

あれから思うように 

息ができない 

あんなに側にいたのに 

まるで嘘みたい 

とても忘れられない 

それだけが確か 

 

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ 

そのすべてを愛してた あなたとともに 

胸に残り離れない 苦いレモンの匂い 

雨が降り止むまでは帰れない 

切り分けた果実の片方の様に 

今でもあなたはわたしの光

 

 

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◆ミュージックビデオの謎

①ハイヒール:「亡くなってしまった人と、その自分との間の中にある、他の誰がわからなくてもいい。
その2人の中だけでわかるようなものが、そこにあればいい」米津玄師

 

②ウエッウエッ:人の声のサンプリングだった。「なんかもう…これはホントに自分の中で重要な音であって、あるのとないのとでは全然こう…意味合いが変わってくる感じがあって自分の頭の中で。それが何故なのかって言われたら正直自分でもわかんないんですけど。ホントに重要な音だと俺は思ってますね」米津玄師

 

③ダンサーの逆回転:半兵衛はわざわざ、このMVを逆再生で見たのですが、一部だけ逆再生がおこなわれていました。しかもかなり分かりづらいのですが、ダンサーの髪の毛に着目するとわかります。その意味に関しては推測するしかありませんが、逆回転といえばすぐに思いつくのがビートルズ「ストロベリーフィールズ」のプロモーションフィルムや、多くの曲の中でもテープの逆回転が使われています。非現実の表現だったり、時間の巻き戻しを意味しました。恐らく死をやり直したいと思う気持ちが表現されているのかと思いました。又、ダンサーは死んでしまった彼女の象徴だと思いました。

 

◆海外の反応

再生回数が多くなると、必然的に世界的に注目が集まってきます。恐らく外国の方は「アンナチュラル」を見ていないし、テーマ曲だと知らずに、純粋にミュージックビデオとして見ている方がほとんどだと思います。半兵衛自身もアンナチュラルは観ていましたが、ミュージックビデオはドラマとは全く違う印象を持ちました。

  • 日本語はあまり理解できないけど、なぜか泣けてくる
  • 美しすぎて、文字通り泣いてしまった
  • これが才能というものだ!
  • どんだけ良い歌なの もうこの歌から離れられない

 

歌を除けばメロディーだけが見えてきます。美しい旋律で有ることの証明。侘び寂びを表現する日本の楽器琴。和音階にしていないようですが琴でも普通にポップスを演奏できることに驚きました。

 

渡辺レベッカさん:日本在住の方で、多くの日本の歌を英語に変えて海外に発信されていと同時に英語の歌を日本語に変えて国内に発信されています。

 

気軽な楽器ギターならではで大自然をバックにギターを持ち歩き、多くの楽曲を提供している方。果たして大自然は米津玄師を受け入れてくれるでしょうか?他にアニメナルトなども演奏しています。

 

 

・いつも元気いっぱいの演技をする石原さとみさんからその特徴となる元気を取り除きました。

・井浦新さんの演技はドラマによって人格が明らかに代る演技派!木村拓哉さんとは正反対。

その後のドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」での演技はまるで別人。

・窪田正孝さんは安定の演技、新ドラマ「ラジエーションハウス」と、どう演じ分けるのか注目。

原作:フィリップ・K・ディック 高い城の男(原題:The Man in the High Castle 1962年)ヒューゴ賞

製作総指揮:リドリー・スコット他

脚本:フランク・スポトニッツ

監督:デビッド・セメル

出演者:アレクサ・ダヴァロス/ ルーファス・シーウェル 他

配信:アマゾンプライム、シーズン4(2019年11月15日より配信開始)

おすすめ度 75点 アメリカ人が作った大規模な歴史改変ドラマ。

※日本語版:物議を醸しそうないろいろ不味いところをカットしているそうです(調査中)

 

◆製作総指揮:リドリー・スコット

代表作 エイリアン/ブラードランナー/ブラック・レイン/グラディエーター/ブラックホーク・ダウン他

 

◆フィリップ・K・ディック

映画化作品 ブレードランナー/トータル・リコール/マイノリティーリポート/ペイチェック消された記憶他

 

<ストーリーと見どころ>

◆第二次世界大戦で日本とドイツが勝利したIFの世界

アメリカは戦争に敗れて、国家は3つに分断されてしまいしました。、ニューヨークのある東側を大ナチス帝国が直接統治支配し、太平洋側は大日本帝国日本により支配され、日本太平洋合衆国となりました。その中間地点は大ナチス帝国と日本太平洋合衆国の間にある緩衝地帯があり、中立地帯と呼ばれています。

敗戦により分割統治されたアメリカ 日本側は傀儡国家、ナチス側は直接支配

 

◆ナチスと日本の描かれ方
ナチスはヒトラー総統が治め、科学力が大変発達しています。信長状態で同盟国である日本を除き、世界をほぼ手中に治めています。民族主義を唱え、優生政策をとり、戦時中と同じくユダヤ人を根絶やしにしようとしており、ナチス帝国からユダヤ人が、中立地帯や日本太平洋合衆国に逃れてやってきます。それに対し日本太平洋合衆国は傀儡国家として日本人が治め、、治安は憲兵隊があたっており、ユダヤ人粛清に対しては同盟国との建前上行っていますがかなり緩やかです。ナチスに比べかなり貧乏国家というイメージがあります。また、マフィアに相当する勢力はヤクザが仕切っています。

 

◆ナチスと日本は冷戦状態

ナチスはもともと民族主義を唱える国なので、いずれ日本もその支配下に置こうと虎視眈々と狙っており、日本側から戦争を仕掛けさせようと様々な手を仕掛けてきます。(※ココらへんのところは、経済的に日本を追い込み開戦に踏み込みざるを得ない状況をつくりだしたアメリカの手口と似ている)

 

史実では、欧米の搾取からアジア人の開放の大義・思想のもと戦争を行いましたので、日本に統治された国家は、日本の莫大な税金でインフラの整備や医療、教育を行なわれましたが、このドラマで治める日本太平洋合衆国はもともとが豊かな国だったし、日本の国力で、税金投入できるような規模でもなく、維持するだけでやっとの状態という設定です。

 

◆文化の発展が止まってしまった

史実では1950年台にはロックンロールが生まれ、この作品の時代である1962年といえばビートルズが誕生した年です。しかし、文化的にはまだ戦後間もない感じがずっと続いていて、文化の発展がピタリと止まってしまったような活気のないアメリカ人の日々の生活が綴られています。憲兵隊の装備なども戦時中のままです。

 

◆見どころ

このドラマの見どころは、そんな中で、あるフィルム「イナゴ身重く横たわる」が出回っておりレジスタンスは「高い城の男」と呼ばれる者にフィルムを渡そうとしますが、、ヒトラーや憲兵隊も必死にそのフィルムを探していています。三者の間でフィルム争奪戦が勃発します。

 

そのフィルムには今住んでいる私達の世界の史実が記録されています。つまり、ドイツや日本が降伏する史実の映像です。このフィルムはどこから来たのか?もしこれが本物だとしたら、アメリカ人はどうするべきか?最終的にアメリカは祖国を取り戻すことができるのでしょうか?

 

ある日レジスタンスの妹から突然謎のフィルムを託された主人公、ジュリアナ・クレインを中心に物語が繰り広げられる群像劇です。

 

 

<登場人物>

 

・ジュリアナ・クレイン(アレクサ・ダヴァロス) 

日本太平洋合衆国サンフランシスコの住民、本作主人公、妹から渡された謎のフィルムを届けることを決意、次第に自分の使命を自覚してゆく。合気道有段者。

※何故か彼女に感情移入できない人続出

 

・フランク・フリンク(ルパート・エヴァンス)

悲劇の恋人:ジュリアナの恋人であり宝飾加工品のアーチスト 模造品のピストル工場で働いているが、ジュリアナの行動に巻き込まれ、ユダヤ人である妹家族を木戸によって殺され恨みを抱いてレジスタンスとして活動してゆく。

 

・田上信輔(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)

通商大臣、ドイツとの戦争を回避するために奔走し、かなり危険な橋をわたる。日本国側はこの田上と木戸警部とで話が進んでいく。特技:瞑想 作品の唯一の良心的な存在。

 

・木戸警部(ジョエル・デ・ラ・フエンテ)

憲兵隊幹部、祖国のために全身全霊をかけて職務に挑む侍的な存在。自らの足で稼ぎどんどん謎を解明していく切れ者。容赦ない姿勢が印象的。

※売春婦に性的な関係を持つことなく、お金と自由を与える姿が本来人間としての木戸警部の姿。

 

・ジョン・スミス(ルーファス・シーウェル)

親衛隊大将、アメリカ人でありながら元帥まで上り詰めた切れ者であり策士、ドイツ側の主人公であり、優生政策をきっかけに、ドイツのあり方に疑問をいだき始める。

※ジョン・スミスの物語としても楽しめます。

 

・ジョー・ブレイク(ルーク・クラインタンク)

ジョン・スミスのもとで働くスパイでその出生は謎に包まれている。次第にジュリアナ・クレインに好意を抱くようになる。

 

◆ナチスドイツの優生政策とは?

http://www1.s-cat.ne.jp/0123/Jew_ronkou/NazisGermany/Nazis_yuuseiseisaku.html

2章  ナチス政権が行なった 「強制断種政策」 と 「障害者安楽死政策」

欧米では1920年代後半から、劣等な子孫の誕生を抑制し優等な子孫の誕生を促進することにより、国家全体あるいは民族全体の健康を図ろうとする思想(優生思想)が支配的となってきた。 こうした思想背景の中で、1933年7月、ナチス政権下のドイツにおいて、先天性精神薄弱者、精神分裂病患者、躁鬱病患者、遺伝性てんかん患者、遺伝性舞踏病患者、遺伝性全盲者、遺伝性聾唖者、重度の遺伝性身体奇形者、重度のアルコール依存症患者に対する強制断種を可能とする法律(断種法)が制定された。 この法律に従って、地域の医師や精神疾患施設の責任者は、断種法の適用候補者をリストアップして当局に提出した。 これに基づいて 「遺伝衛生判定所」 が候補者を断種するかどうかを決定した。 もし、断種が決定されれば、本人の同意が無くても強制的に断種された。 この法律により強制断種された人の総数は20万人~35万人と言われている。 念の為に述べておくと、 当時、強制断種政策を実施していた国はドイツだけではない。 当時の欧米諸国、例えば、アメリカ、カナダ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、エストニア、アイスランド、スイス、オーストラリアでは強制断種が行なわれていた。 日本でも1940年(昭和15年)に遺伝性精神病などの断種手術などを定めた 「国民優生法」 が制定された。 

<ナチス・ドイツの優生政策とは より抜粋>

 

◆日本でもあった優生政策 わたしのからだホームページより ←クリックで飛びます

障害者に対する差別は日本にも昔からありましたが、18世紀にヨーロッパとアメリカに拡がった「優生学」を取り入れた結果、それは“近代的な科学”の裏付けをもって法律のかたちに現れました。法律に定めるということは、“障害をもつ子どもの出生は家族と社会の負担であり本人の不幸だから、障害をもつ子どもを産む可能性のある人の生殖機能を奪ってもかまわない”といった障害者への偏見に満ちた考えを、国が表明したということです。また、“子どもを産んでよい人”と“子どもを産んではいけない人”を、国が選別するということでもあります。 

 最初にできた法律は、障害者の断種を目的として1940年に成立した国民優生法でした。当時の日本は、世界大戦への道をひた走っていました。兵士となる子どもを「産めよ殖やせよ」という時代で、避妊も中絶も不妊手術も、一般には許されていませんでした。国民優生法は、「遺伝性疾患」をもつ人に限って、優生学的理由による不妊手術(*)を行うことを認めた法律です。しかし、本人の同意なしに不妊手術ができる条文があったものの実施されず、本人が同意した手術の件数も、目的に反して少なかったのです。国民優生法は断種よりもむしろ、一般の中絶をいっそう取り締まることに力を発揮したのでしたが、それでも、“障害をもつ子を産むかも知れない人は、断種して良い”という考え方を、人々に定着させることになりました。

 

Amazonより感想の抜粋

 

現実世界における、勝者であるアメリカや連合国の国々が必ずしも正義ではなかったのと同じように、勝者によって描かれた歴史観(正義)に疑問を持つ、或いは正しいという思い込み疑う事。現実の真逆の世界を描くことによって、“当たり前を疑う”。これこそがこの作品の根底的テーマにして、良く描けていると思う。strandさん

 

その架空世界だけが取り沙汰されていますが、むしろこのドラマのテーマは「何をもって信じるか」ではないかと思います。Amazonカスタマーさん

 

多分女性とかは好んで見なそうな話です。MRXさん

 

なぜ日本人役に日本人を起用しない?(笑)
「ケンペイターイ」「シツレイシマス」
といった唐突に挟まれる日本語にちょっと笑ってしまいます(笑)Amazonカスタマーさん

 

 

話が進んで行くと、抵抗勢力であるレジスタンスも必ずしも正しい訳ではない…むしろ日本軍やナチと同様に目的のためには手段を選ばず、組織内の権力に取り憑かれた冷酷さを露わにする姿で描かれて行き来ます。どんな立場に立とうとも、権力や組織的暴力を盲目的に信じることの怖さ、そしてそれを阻止することの難しさが浮き彫りになって来て、現在の世界の状況とも重ね合わされ、考えさせられる作品になって来ました。アメリカの作品には珍しく勧善懲悪ではないストーリーです。ルフトバルーンさん


アリータ:バトル・エンジェル Alita: Battle Angel

 

原作:木城ゆきと「銃夢」

監督: ロバート・ロドリゲス

脚本: ジェームズ・キャメロン/レータ・カログリディス

制作: ジェームズ・キャメロン・ジョン・ランドー

出演: ローサ・サラザール/クリストフ・ヴァルツ他

上映時間: 122分

制作費: 1億7000万ドル(約189億円)

おすすめ度 ★★★★☆ 何も考えずに見れる痛快SFバトルアクション作品

お子様度 100点

 

<ストーリー>

数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。<映画comより>

 

日本好きのオタク、ギレルモ・デル・トロ監督が、「これ、おもしろいんじゃね?」とジェームズ・キャメロンに1991年の作品を紹介しました。惚れ込んだ彼は映画化権を獲得し、ハリウッドの大予算(189億円)で実写映画化してくれました。

 

ジェームズ・キャメロンといえば、エイリアン タイタニック アバター ターミネーターで有名な大ヒットメーカー監督です。今回は「アバター2」製作中なので、監督こそできませんでしたが脚本と製作者で参加しています。監督はロバート・ロドリゲス。

 

第2次世界大戦の「硫黄島からの手紙」や沖縄戦の「ハクソー・リッジ」キリスト教弾圧を描いた遠藤周作「沈黙」など、何故か、アメリカ人が映画化して、他所の国から自国の歴史を教えて貰うことが多いのですが、漫画まで教えてもらうという・・・・なんとも不思議な時代になってしまいました。

 

私はこの作品を3Dと日本語吹き替えで鑑賞しましたが、違和感はありませんでした。

眼が大きいのは日本の漫画の眼が大きいから(原作へのリスペクト)

 

 

ネタバレを含む感想

 

◆ヒロイン誕生

最初の感想は、「ヒロイン誕生しちゃったな!」

アリータは正義感が強く、決め台詞は「悪の存在に対し見て見ぬふりはしない!」です。

片手を失い、両足を失っても、残っているのがたった一本の腕になろうが、最後まで諦めずに戦います。

その一方で、チョコレートをほうばり、犬をなでなでしたり、恋愛もする少女の一面を持ち合わせており、嫌いになる理由などどこにもありません。

 

◆重要な世界観

近未来物作品で300年後の世界が描かれています。その300年後の世界が適当に描かれていれば、まったく作品に入り込めないのですが、誇張された作られ感がなく、住人が本当にそこに住んでいるようなリアルな世界観を実現しています。

 

◆キャメロン監督の原作愛

「キャメロンからのフィードバックが頻繁に来ていて、それは<原作の漫画に忠実にする>ということでした。例えば、アリータの目の下にある血のマークのちょっと場所が違うと言い出して、キャメロンは「原作3冊目の31ページを参考にしろ」と具体的に指示されました。」ニック・エプスタイン

※売るのが目的だけで、原作に対するリスペクトが足りない日本の映画監督は反省してほしいです。

 

◆現実世界にCGキャラクターがいるのに現実と区別つけられない出来栄え

パフォーマンスキャプター(※下のメイキング参照)は実際の俳優の動作や表情をコンピューターで記憶してCG化させていますので、物理法則なども現実に近くなります。「漫画の再現を求めるなら必要なレベルアップだ」 さらに、髪の毛はまとまりではなく一本一本をシュミレートしているというこだわりよう。

 

◆古舘実況

私は3Dの吹き替えで鑑賞したのですが、全く違和感ありませんでした。

話の途中で、モーターボール(アンドロイド版ローラーゲーム)が始まるのですが、どうせ吹き替えで見るのだから、実況中継はやはり古舘だよな・・と考えていたところ、なにやら古舘に似せた実況なので、思っていたことが現実に起こる不思議を感じましたが、あの特有の「おおーと!」が出てこないので、どうせ似させるならそこまでやって欲しいと思っていたのですが、なんとそっくりさんではなく、古舘本人だったようです。ブルーレイが発売されたら、脚本無視で古舘流実況で、「おおーと!」連発の実況でもっと盛り上げてほしいとお願いしておきます。


◆制作費1億7000万ドル(189億円)

もう、クレージーという言葉しか見つかりませんが、すでに2億は9000万ドル稼いでいますので、黒字確定です。こんなお金のかかった作品がたった2000円弱で見れるのは素晴らしいですね。

この作品がヒットすれば、今後も続々と漫画をハリウッドが映画化してくれますので、応援するしか無いですね!

 

※アメリカ本国より中国の方が売上が高いようです。

※ロッテン・トマトでは批評家の評価が低く、一般人の評価が高いのが特徴です。

※続編は日本や中国のヒットにより決まるそうです。