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半兵衛のブログ

映画やドラマ好きなので映画やTVドラマのレビュー、ビートルズ関連の曲紹介や、古い洋楽ロック、気になるJポップスのレビューをしています。ペタは見ません、いいねを中心に訪問しています。

「ドラゴンクエスト」の第1作は今から約34年前の1986年にエニックスによりファミコンで発売されました。

当時ロールプレイングゲームはマニアックなものが多く、ファミコンの性格上、子供でも気軽に遊べるロールプレイングゲームとして開発されました。

 

ゲームデザインの堀井雄二さん、キャラクターデザインの鳥山明さん、そして音楽にはすぎやまこういちさんという3人を起用して、徐々に日本のロールプレイングゲームの代表的な存在になってきました。

 

今回ご紹介するドラクエ序曲のマーチは日本人なら誰でも知っている曲といっていいほどで、FINAL FANTASYのテーマ曲(未紹介)より有名かと思います。

 

すぎやま氏は84才の今日までドラクエの最新作までドラクエシリーズの音楽を手掛け、「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」としてギネス認定されました。

 

すぎやまこういちさんの代表曲、学生街の喫茶店、花の首飾り、亜麻色の髪の乙女など。

 

当初はロック調でと注文されたが、ゲームの世界観が「中世の騎士物語」ならばクラシック調がふさわしいとすぎやまは主張し、頭に浮かんだリヒャルト・ワーグナーの『ニーベルングの指環』からクラシックをベースにした基本コンセプトが固まった。マスターアップ直前のことであり、1週間で全ての楽曲を製作。ウィキペディアより

 

                             記念すべきドラクエ一作目     ファミコンのPSG音源


私は洋ゲーのウルティマなどをプレイしていましたので、ドラクエはあまりやらなかったのですが、

スーパーファミコンでプレイしたドラゴンクエストV 天空の花嫁 (1992年9月27日)は、今でも記憶に残る素晴らしいゲームだと思います。

 

父と子の冒険から始まり、モンスターを仲間にできたり、衝撃の結婚イベント、更に自分が主人公だと思っていたら・・・など、3世代に及ぶ、深い深いストーリーに感動しました。

 

この天空の花嫁はなんと「ユア・ストーリー」として3Dアニメ化され2019年8月に公開されました。

東宝が何故山崎貴監督を選んだのか?不明ですが、普通じゃつまらないと監督は感じたそうで、私はまで見ていないのですが、最後がメチャクチャらしいです。ちなみにヤフー映画レビューでは2.57点の低評価です。

 

 

ドラクエが人気になるにつれて、すぎやまさんのクラシックコンサートも盛んになっていき、あのPSG音源のテーマ曲が壮大なスケールになって聞けるようになりました。

 

 

ドラクエでのゲーム内での曲はとりわけ、私が好きなのは王宮シリーズです。

必ずと言っていいほど、物語に王様が絡んでくるので、王宮の場面で使用される曲が山程あります。どれも秀逸なのですが、中でも私が好きなのは「王宮のホルン」です。

いつか王宮シリーズを編集して聞いてみたいです。

 

                                                     王宮のホルン

 

                                                                                        王宮のトランペット

 

                                                王宮のオーボエ

 

                                                 王宮のロンド

 

ドラゴンクエストのエニクスは、FINAL FANTASYシリーズのスクエアーに吸収され、社名もスクエアーエニックスになりました。世界的な展開をしてきたFINAL FANTASYシリーズに比べ国内で知名度を上げてきたドラクエですが、7から9にかけて海外でも100万本を超えるヒットとなりました。

 

ドラクエをベースにした、コメディー「勇者ヨシヒコ」とFINAL FANTASYとのコラボ

 

 

最新作ドラゴンクエスト11

ターミネーター:ニューフェイト(原題:Terminator: Dark Fate)は2019年11月8日に公開されました。

 

監督:ティム・ミラー

脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー(代表作:デッド・プール)

原作・制作:ジェームズ・キャメロン

出演者:リンダ・ハミルトン / アーノルド・シュワルツェネッガー / マッケンジー・デイヴィス他

上映時間:128分

制作費:1億8500万ドル(約220億円)

ロッテントマト 評論家71% オーディエンス84%

おすすめ度:75点 いつものパターンとド派手なアクション

お子様度 吹替版を見ましたがお子様連れの親子が多かったです。

 

<ストーリー>

メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーが弟のミゲルとともに、ターミネーター”REV-9”に襲われる。彼らを守ったのは、同じく未来から送り込まれた強化型兵士のグレースだった。かろうじて工場から車で脱出するダニー・ミゲル・グレース。執拗に追いかけてくるREV-9を、ハイウェイで待ち構えていたのは、サラ・コナーだった。

 

ターミネーター2の正当な続編という触れ込みの作品で、T2の25年後という設定。実際にT2が公開されたのが1991年なので2019-1991=28年前の作品となっています。ターミネーターシリーズは映画としては6作品目に当たりますが、生みの親である、ジェームズ・キャメロンが、久々に今作に大幅に関わっています。しかし、最近のキャメロンは総指揮や制作が多く、本業の監督業を他の監督に任せてしまっています。つい最近ではアリータ・バトルエンジェルがそうでした。恐らくアバター2に専念していると思われます。本音から言えばキャメロン自ら監督してほしいですね。

 

今回は間違って吹替版を劇場で見てしまいましたが、違和感はシュワちゃんの声ぐらいで、あまり気になりませんでした。

 

私ごとで恐縮ですが数十年前、T2(ターミネーター2)を家族で見ていました。おとなしく見ていた幼い長男が、ラストでシュワちゃんが溶鉱炉に沈む場面で、感極まったのか、突然画面に向かって泣きながら「おじちゃん 行かないで!」と叫びました。T2は本当に好きな作品で何度も見ていますが、幼い子どもまでも感動させる力をもっていました。

 

※予告編見ないほうが楽しめると思います。予告編でストーリーが分かってしまいます。

1分40秒付近 笑顔で冗談を言うターミネーター

 

 

ネタバレを含む感想

 

◆リンダ・ハミルトンの老け方にびっくり

ところで本作ですが、まずびっくりしたのがサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンの老け方でした。シュワちゃんはミッキーマウスアプローチではありませんが、しょっちゅう他の作品も含めて見ていたので急に老け込んだ感じはありませんでしたが、リンダ・ハミルトンはT2以来でした。つまり、28年ぶりの再開だった訳です。老け込んだのは私も同じなのに、まずはそこが一番のびっくりでした。そして楽しく家族でT2を見たのが2○年も前の出来事だったのにも驚きですw

 

◆ターミネーターという映画のパターンが決まっている

もう、これは仕方ないと思いますが、

・敵の親分はテクノロジー進化の弊害コンピューター

・裸で未来から送られてくる の流れから 服を奪う。

・T2以降シュワちゃんは必ず主人公側に立って戦う。

・敵のターミネーターは執拗に追いかけてくる&なかなか死なない。

・最後は敵のターミネーターと道連れでT-800(シュワちゃん)は死ぬ。

・シュワちゃんが歳を取るので、設定上ターミネーターは老ける。


この設定はT2までは新鮮でしたが、3作目4作目5作目と回を重ねるごとに新鮮味が無くなってくる。極論を言えば送り込まれる敵が違うだけの映画になりかかっています。

今回一足早い全米での公開では予想の4分の1の大苦戦を強いられているようですが、恐らく新鮮味にかけるマンネリ化されたパターン+昔のメンバー集合(リンダ)みたいな、感じで受け止められているに違いありません。

 

◆今回のシュワちゃんはT2のシュワちゃんではなく、ジョン・コナーを殺したT-800

スカイネットからの命令が来なくなって、人間と過ごすようになったT-800という設定。

何故、サラ・コナーがひと目見ただけで息子のジョン・コナーを殺したT-800なのだと分かったのが疑問??息子を殺した時のシュワちゃんは若い頃のシュワちゃんで、今回登場したシュワちゃんはいかにも老けている。何故、犯人のT-800だと瞬時に理解できたのかが疑問です。

 

◆人間と暮らすT-800

本来T-800の任務は潜入型ロボットで人間になりきり潜入して、人間を抹殺する特技と能力を持っています。T-800はT2の時のジョンとの会話から、人間の生活を学ぶ学習能力が有ると証明されていたし。本来はスカイネットからの命令が無ければ、人間の良き理解者になれるほどの性能を持っているモデルであると思われます。人間と暮らすT-800はありだと思いました。

 

◆T-1000型(ロバート・パトリック)の方が怖いし強い?

T2の敵だった変形自在の液体金属ロボT-1000は一切笑わない冷徹な殺戮者という感じでしたが、今回のREV-9は陽気なメキシカンという感じで冗談も言います。T-1000型の方が怖いし強い印象を受けました。

 

「(新型ターミネーターの)REV-9は今回、T-800、サラ・コナー、強化人間のグレースを相手にするけど、3人と対等か少し強いくらいのバランスを心掛けたよ。T-1000と同じように体は刃物に変形するけどそれを投げたりし、レールガンを作ったりできるわけじゃない。そうしないと観客にとって、バカバカしいものになってしまうからね。リミットを設けることで、アクションはもっと面白くなる。何でもありじゃない。『デッドプール』の時でさえルールはあったからね(笑)」 ティム・ミラー監督

 

◆3対1

今作は守護者3人に対して1体のREV-9という構図になっており、数の理論でも感情的に肩入れしにくい部分でもあります。 私が監督ならば次回作は複数のターミネーター投入で絶望感を出し、もう駄目だと絶望的になった時に助っ人T-1000(ロバート・パトリック)登場・・みたいなw コラボがありなら、アリータ登場とか面白いかも。

 

私の感想としては、T2は超えることができていないですが、3.4.5作目よりは面白いと思います。息子が叫んだ「おじちゃん行かないで!」の言葉がこの作品で聞けるかは疑問です。もしかしたら「お姉ちゃん行かないで!」という声が聞こえるかもしれませんね。

 

 

ジョーカー(Joker)は2019年10月に公開された作品

 

監督・脚本・制作: トッド・フィリップス

出 演: ホアキン・フェニックス / ロバート・デ・ニーロ 他

時 間: 122分

制作費: $55,000,000 約60億円

受 賞: 第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞

指 定: R15+ですが、悪に共感して、悪事を働くことを恐れたのか?

おすすめ度 : ★★★★★ 93点!共感できる部分が多すぎる!

         ただし、かなりダーク作品なので、見る人を選ぶかもです。

 

●半兵衛の予想では、今年のアカデミー賞、主演・作品・脚本賞を受賞できる力があると踏んでいます。

 

追記:アカデミー賞 (作品賞・監督賞・主演男優賞・脚色賞・衣装デザイン賞・作曲賞・撮影賞・編集賞・音響編集賞・録音賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ) 11部門 にノミネートされ、ホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞とヒドゥル・グドナドッティルが作曲賞を受賞しました。 脚本賞はノミネートされませんでしたが、主演男優賞は当たりました。

 

○トマトメーター批評家69% オーディエンス88%

ロッテン・トマトメーターで批評家の点数が振るわない原因はストーリーラインがマーティン・スコセッシ作品の「タクシー・ドライバー」「キング・オブ・コメディ」のオマージュである点、暴力や殺人を美化する内容、精神疾患に関する問題があるとされた描写によるものとされています。

<ストーリー>

財政難に陥り、人心の荒むゴッサムシティに住む大道芸人のアーサー・フレックは、母ペニーの介護をしながら、自身もまた福祉センターでカウンセリングを受けながら毎日を過ごしていた。彼は、発作的に笑い出すという病気を患っていた。アーサーはコメディアンを目指していたが、なかなか機会に恵まれず、それどころか不良少年に仕事を邪魔されたことの責任を押し付けられるなど、報われない人生だった。

 

◆ニューヨーク/ロサンゼルス市警が厳重な警戒体制!

実はこの映画の公開にあたり、ニューヨーク市警やロス市警が映画館周辺を厳重に警戒し、暴動が起きた場合の即時対処を宣言しているのです、この嘘のような本当の話ですが、映画をご覧になればわかります。日本人で良かったw おそらくR15+指定の理由と思われます。

 

 

◆長ーい前置き ※前置きなんていらないという人は、次の◆まで飛んでねw

 

私は映画好きで結構の数の映画を見ます。

最近では、蔦屋のDVD借り放題プランに加入しました。

近所の蔦屋の洋物映画は棚に何千本もの作品があるのですが 、いざ借りようと思うと鑑賞済みの映画ばかりです。今はお試し期間なので短期間で集中的に借りてみて、見るのがなくなったらさっさとやめようと思っています。

 

ところで、私が鑑賞した何千本の作品のなかで、何が一番お気に入り作品かと申しますと、ベスト3に間違いなく入る作品が「ダークナイト」です。

 

知人におすすめ作品を紹介する時に真っ先にあげるのが「ダークナイト」です。

バットマン関連作品なので、単なるアメコミヒーロー物作品かと思われてしまいまが、決して陳腐な作品ではありません。

 

そして、そこに登場するジョーカーなのですが、もう、惚れ惚れする悪役なのです。

何が凄いかというと、

 

①お金には一切目をくれない。

②たった一人でマフィアを潰してしまう。

③いつも先頭に立って戦う!

④頭が良すぎて相手が打つ手を読めてしまう。

⑤アメコミにありがちなスーパー能力が一切無い身体的には一般人

⑥徒党を組まず一匹狼 (※後にハーレークインと行動)

⑦チキンレースでもバットマンに負けない度胸。

 

そして、このジョーカーを演じた「ヒース・レジャー」が、1000%はまっている!

残念ながら彼はこの作品の完成を見ることなく他界してしまいましたが、私のなかでは、この作品限定でヒース・レジャーのジョーカーこそが最高のヴィランなのです。

 

その「ジョーカー」の誕生秘話が映画化されることは聞いていましたが、ヒース・レジャーを超えるジョーカーはいないと思っています。

 

しかし、主役が、ホアキン・フェニックスだったので、気になっていました。

ホアキンといえば、これまた私の大好きなベスト作品の一つ「グラディエーター」で、マキシマスの宿敵コモドゥス帝を演じた名優で、こちらでも最高に憎たらしいヴィランを演じていました。

 

最近、映画館に足を運ぶ衝動に駆られる映画がなかったのですが、「ジョーカー」が封切られたの知り、ヤフー映画で、平均点が5点満点中の4.26でかなり高点数をつけていたので、がっかり映画じゃない事を知った上で、映画館に足を運ぶ事に決めました。

 

いよいよ、映画がはじまりました。

ダークナイトのヒースは28才で、バットマンと対決しました。

しかし、ホアキンは今年45才です。劇中で少年のブルース・ウェイン=後のバットマンと接する機会があるのですが、ブルースがその時に10才として、ヒースが28才の時に対決したので18年後にバットマンとジョーカーが戦闘するとなると、ホアキン45才の18年後となると63才でバットマンと対決することになりますので、かなり無理のある設定だと思います。ダークナイトに合わせるならホアキンが18才ぐらいでないと時系列が合わないことになってしまいますね。ましてやこの映画、ジョーカーの誕生秘話をえがいていますが、45才で誕生は遅すぎる!

 

私の中では大幅な減点なのですが、これはダークナイトとは別物作品なのだと言い聞かせて鑑賞を続ける事にしました。

 

◆ダークナイトとは別物の傑作映画

見終えて思ったのが、これはダークナイトとは時系列が一致しませんが、ダークナイトビギンでは無く、まさにタイトルどおり、ジョーカービギンなのです。

 

ジョーカーの誕生の瞬間を観客は目の当たりにするのですが、あまりにも彼の生い立ちが社会的弱者として描かれています。ヴィラン(悪役)誕生作品なのに、あまりにも共感できる部分が多いから困ります。

 

この社会は糞ぐらいに格差が激しいし、貧乏人にはあまりにも理不尽が多い!病人が必死に生きていくとなれば差別され、更に生活は厳しいものになります。

そのような厳しい生活の中で追い打ちをかけるような事件が次々に発生します。

 

◆流石ホアキン!(アーサー・フレック役=ジョーカー)

長ーい前置きはさておき、さすがホアキン!貧乏な役回りなので、体重を激減して骨と皮の体(-24kg)に仕上げています。作品にかける意気込みが現れています。リアルの彼はお金持ちなのに完全な病気持ちの貧乏生活者を演じています。今年のアカデミー主演男優賞候補になると個人的には思われる演技です。孤独や苦難、葛藤や狂気を芸術的と思えるほどの演技で表現しています。

 

彼は楽器店の閉店セールでピエロとして店の看板を持って客寄せをするのですが、少年のチンピラ達に看板をもって行かれてしまい追いかけるも、ボコボコにされてしまいました。

 

へ?あの格闘のスペシャリストのバットマンと素手で格闘を繰り広げた気丈なジョーカーなのに弱すぎる! まぁ、これはダークナイトとは別物作品なのだと言い聞かせて鑑賞を続ける事にしました。その上で最後まで鑑賞すると、この作品もヒーローものの枠を越えた傑作だと思いました。

 

内容についてはネタバレになってしまいますので、これ以上は書けませんが、まずは、ダークナイトファンには時系列があわない別作品だと理解して見てほしいです。

 

◆ホアキンのコメント

「最初は簡単な決断ではなかったけど、やっていくにつれて大きくなっていたんだ。予想をはるかに超えたものになっていった。自分のキャリアにおける最高の経験の1つだ」

 

 

劇中でクリームのホワイトルームが使われており、鳥肌がたちました!

動画は一度だけ再結成のクリームライブより。

訃報:この記事を上げた10月6日に、クリームのドラムのジンジャー・ベイカーさんが80歳でこの世を去られました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

・未鑑賞者注意! 以下、ネタバレを含む感想など

◆笑いを広めたい青年

経済格差の中で困窮する市民の中のひとりで、病気の母親を介護しながら、ピエロのバイトをして細々と生活していました。彼の願いは世の中に笑いを広めること・・夢は一流のコメディアンに成ること。

 

◆様々な出来事が襲いかかる

しかし彼自身も精神的に不安定で市のカウンセリングを受けていましたが、財政難でその部署も撤廃されてしまい、薬を飲むこともできない有様に、職場では上司が一方的にミスの責任を追求し、何かと恩着せがましく彼を雇っていました。 母親は困窮した生活を救ってくれると信じて、毎日のようトーマス・ウエイン宛の手紙をしたためていました。 そんなある日、母親から思わぬ告白がありました。 そのトーマス・ウエインはアーサーの実の父親だと言うのです。 その真偽を確かめるためにアーサーはトーマス・ウエインに接触を試みますが、口汚く「お前の母親は気が狂っている、そんな事実はない!」さらに「お前は彼女の養子だと」告げられ、怒ったトーマスに殴られてしまいます。

 

◆知らない自分と母親の過去

信じることができないアーサーは、真偽を確認する為に精神病院の記録を調べましたが、母親は精神病で妄想癖があり、アーサーは養子であり、さらには、幼い時に虐待を受けていたことが判明しました。その虐待こそが、自分が、笑ってしまう病気の原因だと直感しました。

 

◆6人を殺害

地下鉄で絡まれて、3人の勝ち組サラリーマンを殺す。

母親を殺す

バイト先の同僚を殺す

人気コメディアンをテレビ放送中に殺害

 

◆トラウマを取っ払う方法

地下鉄での殺人で変化が訪れます。

罪の意識に苛まえるかと思いきや、驚くことに殺人を犯したのに逆にスッキリしてしまいました。恐ろしいことに、邪魔者を消してくことで何かから開放される事に気づいてしまいました。

 

◆抑圧された社会がヴィランを生み出す

ジョーカーは悪者なのは分かっているけれど、感情の動きに共感できる部分が大きくて怖いです。

彼は生まれながらにして悪ではなくむしろ心優しい男でした。 社会的に弱者に襲いかかる不当な圧力やいじめの数々、一方的に我慢を強いられる格差、トラウマとして残り続ける虐待・・・これらが、ジョーカーという存在を生み出したといえると思います。 つまり、弱者に情け容赦無い社会が必然的に悪人を作り上げてしまうのです。

そして何よりも、その弱い側の立場の人間同士がお互いを傷つけあったり、無関心であったり、彼ら自身にもその事の原因があることも描かれています。

 

◆金持ちと貧乏人の壁

街頭では怒りに満ちた抑圧されている人達が集まりパニック寸前のデモが起きているのに、金持達は貧乏人を一切気にすること無く、扉一枚隔てた映画館で優雅にチャップリンを見て笑っているのです。 その中にトーマス・ウエインがいるというわかりやすい構図です。 私は今まではバットマン側として見ていましたが、この映像で、ジョーカーの視点に初めて立ちました。 すると、トーマス・ウエインが悪人に見えてくるから本当に不思議です。

 

◆無価値な人間からヒーローになる

私はデモに参加してる無力な人たちの立場で鑑賞しています。 謎のピエロの男は彼らからすれば、支配する側の人間をやっつけてくれたヒーローです。街はピエロの仮面をかぶった人たちで溢れかえっています。

 

アーサーはヒーローになるために殺人を犯したのではなく、地下鉄の3人は自分に絡んできたから殺したし、母親は嘘ついた上に、虐待までしていた事に対する恨みで殺しました。バイトの仲間は嘘の証言で、アーサーが解雇される原因をつくりました。 まだこの時点では、無差別に殺しているわけではなく、自分を貶める者に対して行った事に過ぎませんでした。

 

最後に、デ・ニーロが演じるマレー・フランクリンを殺害したのは、これだけは動機が違っていて、ジョーカーとして自分の存在を世間に広めるためでした。同情の余地がない最悪のヴィラン誕生の瞬間でした。それと同時に、自らの存在価値を見いだせず社会から無視されて孤立した彼が、その、存在を世間に無理やり力で認めさせた瞬間でもありました。

 

◆ニューヨーク/ロサンゼルス市警が厳重な警戒体制!

この作品を見ると本当に弱いものへの不当な風当たりが強いことを改めて教えてくれる作品で、目覚めた市民達が暴動を起こすのでは無いか?と考えるのは現実的な対処方法だと思います。それほど世相を上手に映し出した証拠でしょう! かつてアメリカではバッドマン上映中の映画館で、ジョーカーに感化されてしまった若者が銃を乱射して12人が死亡した「オーロラ銃乱射事件」が起きています。

 

◆最後に疑問に思う事など

・ジョーカー誕生秘話にしては45才のホアキンが主役では年齢が流石に合わなすぎる、18才の役者にすれば完璧な設定でした。シナリオが良かっただけに残念。

・ジョーカーはIQが高い悪者として知られていますが、頭の良さが全く伝わってこなかった。

・ジョーカーは口が裂けていますが、その謎に対する回答は今回ありませんでした。

・ジョーカーの正体はテレビでもアーサー・フレックとして放送されたので、実は謎の人物ではなかったのですね。ダークナイトでのジョーカーは正体不明の新人の悪人という設定でした。

 

この映画が高評価の人は恐らく、虐げられたジョーカー側の人間で観察し、逆に低評価の人は、現状の人生に比較的満足されており、ジョーカーの行動は迷惑で理解できないし、したくも無い人かと思われますが、どうでしょうか?