ターミネーター:ニューフェイト(原題:Terminator: Dark Fate)は2019年11月8日に公開されました。
監督:ティム・ミラー
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー(代表作:デッド・プール)
原作・制作:ジェームズ・キャメロン
出演者:リンダ・ハミルトン / アーノルド・シュワルツェネッガー / マッケンジー・デイヴィス他
上映時間:128分
制作費:1億8500万ドル(約220億円)
ロッテントマト 評論家71% オーディエンス84%
おすすめ度:75点 いつものパターンとド派手なアクション
お子様度 吹替版を見ましたがお子様連れの親子が多かったです。
<ストーリー>
メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーが弟のミゲルとともに、ターミネーター”REV-9”に襲われる。彼らを守ったのは、同じく未来から送り込まれた強化型兵士のグレースだった。かろうじて工場から車で脱出するダニー・ミゲル・グレース。執拗に追いかけてくるREV-9を、ハイウェイで待ち構えていたのは、サラ・コナーだった。
ターミネーター2の正当な続編という触れ込みの作品で、T2の25年後という設定。実際にT2が公開されたのが1991年なので2019-1991=28年前の作品となっています。ターミネーターシリーズは映画としては6作品目に当たりますが、生みの親である、ジェームズ・キャメロンが、久々に今作に大幅に関わっています。しかし、最近のキャメロンは総指揮や制作が多く、本業の監督業を他の監督に任せてしまっています。つい最近ではアリータ・バトルエンジェルがそうでした。恐らくアバター2に専念していると思われます。本音から言えばキャメロン自ら監督してほしいですね。
今回は間違って吹替版を劇場で見てしまいましたが、違和感はシュワちゃんの声ぐらいで、あまり気になりませんでした。
私ごとで恐縮ですが数十年前、T2(ターミネーター2)を家族で見ていました。おとなしく見ていた幼い長男が、ラストでシュワちゃんが溶鉱炉に沈む場面で、感極まったのか、突然画面に向かって泣きながら「おじちゃん 行かないで!」と叫びました。T2は本当に好きな作品で何度も見ていますが、幼い子どもまでも感動させる力をもっていました。
※予告編見ないほうが楽しめると思います。予告編でストーリーが分かってしまいます。
1分40秒付近 笑顔で冗談を言うターミネーター
ネタバレを含む感想
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◆リンダ・ハミルトンの老け方にびっくり
ところで本作ですが、まずびっくりしたのがサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンの老け方でした。シュワちゃんはミッキーマウスアプローチではありませんが、しょっちゅう他の作品も含めて見ていたので急に老け込んだ感じはありませんでしたが、リンダ・ハミルトンはT2以来でした。つまり、28年ぶりの再開だった訳です。老け込んだのは私も同じなのに、まずはそこが一番のびっくりでした。そして楽しく家族でT2を見たのが2○年も前の出来事だったのにも驚きですw
◆ターミネーターという映画のパターンが決まっている
もう、これは仕方ないと思いますが、
・敵の親分はテクノロジー進化の弊害コンピューター
・裸で未来から送られてくる の流れから 服を奪う。
・T2以降シュワちゃんは必ず主人公側に立って戦う。
・敵のターミネーターは執拗に追いかけてくる&なかなか死なない。
・最後は敵のターミネーターと道連れでT-800(シュワちゃん)は死ぬ。
・シュワちゃんが歳を取るので、設定上ターミネーターは老ける。
この設定はT2までは新鮮でしたが、3作目4作目5作目と回を重ねるごとに新鮮味が無くなってくる。極論を言えば送り込まれる敵が違うだけの映画になりかかっています。
今回一足早い全米での公開では予想の4分の1の大苦戦を強いられているようですが、恐らく新鮮味にかけるマンネリ化されたパターン+昔のメンバー集合(リンダ)みたいな、感じで受け止められているに違いありません。
◆今回のシュワちゃんはT2のシュワちゃんではなく、ジョン・コナーを殺したT-800
スカイネットからの命令が来なくなって、人間と過ごすようになったT-800という設定。
何故、サラ・コナーがひと目見ただけで息子のジョン・コナーを殺したT-800なのだと分かったのが疑問??息子を殺した時のシュワちゃんは若い頃のシュワちゃんで、今回登場したシュワちゃんはいかにも老けている。何故、犯人のT-800だと瞬時に理解できたのかが疑問です。
◆人間と暮らすT-800
本来T-800の任務は潜入型ロボットで人間になりきり潜入して、人間を抹殺する特技と能力を持っています。T-800はT2の時のジョンとの会話から、人間の生活を学ぶ学習能力が有ると証明されていたし。本来はスカイネットからの命令が無ければ、人間の良き理解者になれるほどの性能を持っているモデルであると思われます。人間と暮らすT-800はありだと思いました。
◆T-1000型(ロバート・パトリック)の方が怖いし強い?
T2の敵だった変形自在の液体金属ロボT-1000は一切笑わない冷徹な殺戮者という感じでしたが、今回のREV-9は陽気なメキシカンという感じで冗談も言います。T-1000型の方が怖いし強い印象を受けました。
「(新型ターミネーターの)REV-9は今回、T-800、サラ・コナー、強化人間のグレースを相手にするけど、3人と対等か少し強いくらいのバランスを心掛けたよ。T-1000と同じように体は刃物に変形するけどそれを投げたりし、レールガンを作ったりできるわけじゃない。そうしないと観客にとって、バカバカしいものになってしまうからね。リミットを設けることで、アクションはもっと面白くなる。何でもありじゃない。『デッドプール』の時でさえルールはあったからね(笑)」 ティム・ミラー監督
◆3対1
今作は守護者3人に対して1体のREV-9という構図になっており、数の理論でも感情的に肩入れしにくい部分でもあります。 私が監督ならば次回作は複数のターミネーター投入で絶望感を出し、もう駄目だと絶望的になった時に助っ人T-1000(ロバート・パトリック)登場・・みたいなw コラボがありなら、アリータ登場とか面白いかも。
私の感想としては、T2は超えることができていないですが、3.4.5作目よりは面白いと思います。息子が叫んだ「おじちゃん行かないで!」の言葉がこの作品で聞けるかは疑問です。もしかしたら「お姉ちゃん行かないで!」という声が聞こえるかもしれませんね。