「わたし、定時で帰ります。」2019年4月16日より放送されたTBSテレビドラマ
原作:矢野帰子(かえるこ) 新潮社yom yom連載の小説
脚本:奥寺佐渡子/清水友佳子
主演:吉高由里子/向井理/ユースケ・サンタマリア
主題歌:Superfly「Ambitious」
おすすめ度 75点 今一度、職場での自分の働き方を見つめ直すチャンス
<ストーリー>
主人公・東山結衣(吉高由里子)はWEB制作会社で働くディレクター。過去のトラウマから入社以来、残業ゼロ生活を貫いてきた。理由が無ければ帰りづらい風潮の中で、仕事中は誰よりも効率を追求し、生産性の高い仕事をし、定時になるときっぱり退社。行きつけの中華料理屋でビールを嗜み、恋人・諏訪巧(中丸雄一)との時間も大切にしている。
だが新任の部長が赴任したことをきっかけに、結衣の前に曲者社員たちが立ちはだかる。
◆働き方を見つめ直す
吉高由里子さんの前回のドラマ「正義のセ」(←クリックで飛びます)では、検察官が主人公のドラマでしたが、今度はWEB制作会社の社員なのでより身近に感じられる職場でのドラマです。政府が働き方改革を提唱する中、あらためて職場のそれぞれの人々の働き方にスポットをあてて、何が問題で何が正しいのか?自分の働き方や同僚との働き方や接し方を見つめ直すことができる極めて真面目で素晴らしいドラマだと思います。
1話:三谷 佳菜子は無遅刻無欠勤、皆勤賞だけが自分の誇り、バリバリの昭和世代に叩き込まれた働き方で、新人社員の教育係として自分のスタイルを押し付けようとする。
2話:ワーキングマザー賤ヶ岳 八重は産休明けで、会社での失われた時間を取り戻そうと必死になり、双子の赤ちゃんは夫にまかせている。必死になるあまり、部下達を巻き込みながら空回ししていく。
3話:新入社員来栖 泰斗はCM撮影中にスマホで撮った動画が知人の手により不適切な動画として拡散されてしまう。不祥事に対して陳謝して回る上司たちをよそに、自分の責任ではないから会社を辞めると謝罪すること無く、さらり言い出す。
相関図 <番組HPより>
働き方改革 厚労省hpより
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
- 長時間労働の是正
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
- 柔軟な働き方がしやすい環境整備
- ダイバーシティの推進
- 賃金引き上げ、労働生産性向上
- 再就職支援、人材育成
- ハラスメント防止対策 etc・・・
◆インタビュー
一般企業で働いている友だちに「会社ってどんな感じ?」って聞いてみたり、マネージャーさんに「どういうときに帰りにくい?」って話してみたり(笑)。残業だけでなく、有給消化やセクハラ・パワハラとか、いろんな問題が取り沙汰されている今、必要なドラマだなと思いました。 吉高由里子さん
キャラクターそれぞれが言っていることに嘘がないというか。「たしかにそうだよな」と思える。ある意味、みんなが正論で、だからこそ相容れないものがあって、だから簡単に打ち解けることができないし、共感することもできないんだと。いろんな人の主観がぶつかり合っているのを、どうやって解決していくのかが、このドラマの醍醐味ですね。 向井理さん
僕が演じる福永は「ブラック上司」って説明がありますけど、自分がやっていることがおかしいと思ってないんですよ。僕自身も福永が、いわゆる「悪役」とも思っていなくて。みんな自分のやっていることに迷いながらも、「間違ってない!」って思って進んでいるわけだから。むしろ福永の立場からしたら、結衣は全く「普通」ではなくて。むしろ、ものすごい変わったやつなんですよ。 ユースケ・サンタマリアさん
◆原作の感想 Amazonより
職場あるあるで入り込んで読んでしまいました。結局、社会や会社が働き方改革をしても、働く人達の意識が変わらなければダメなんですよね。Amazonカスタマーさん
入社22年の私。かつては残業だろうが徹夜だろうが、上の指示なら何でも頑張る私でしたが、ここ10年は結衣のように、1時間当たりの生産性を大事にして、定時退社をしています。それだけに、結衣には感情移入してしまいました。 新しい地図☆さん
実際に主人公のような行動を取るには多大なエネルギーが必要であり、だったら生活のためにも長いモノに巻かれたほうが楽という現実をリアルに見せてくれます。 webikerさん
働くってなんだろう、仕事ってなんだろうってところから見直さなければいつまで経っても帰れなくなって、人生本来の意味を失いかけている ユウシさん
※日本人男性のフルタイムワーカーの平均年間労働時間は年間、2018時間(2014年度)です。労使協定のある会社でも拘束時間が、年間、3516時間を超えてはならない。と法律で定められているようですが、半兵衛の業界は、如何に超えていても超えていないように見せかけるという・・とてもブラックな会社ばかりの業界です。 私のような業界に努めていると 2018時間は夢のような数字です。安倍首相にお願いします。働き方改革を是非この業界にも政府の力でズバッと!メスを入れてください。