原 作 : 原泰久(週刊ヤングジャンプ):累計発行部数4000万部
監 督 : 佐藤信介
出演者 : 山崎賢人/吉沢亮/大沢たかお他
上映時間:134分
再現度 : ★★★★★95点 これ以上は望めない完成度
お子様度 : 歴史の勉強よりの映画見たほうがいい
<ストーリー>
- 時代は紀元前。500年の争乱が続く春秋戦国時代、中国最西の大国「秦」に「信(しん)」と「漂(ひょう)」という名の二人の戦災孤児がいた。二人は、下僕の身分ながら、「天下の大将軍」を夢見て日々修行に明け暮れていた。
- やがて、漂は秦国大臣・昌文君に見出され仕官。しかしある夜、漂は深手を負った状態で戻って来る。息絶えた漂から託された紙に書いてあった場所に辿り着いた信は、そこで漂と瓜二つの少年を目の当たりにする。その少年こそ秦国第三十一代目大王・政(せい)であった。漂落命の原因となった政に激昂する信だったが、自らに託された漂の思いと自らの夢のため、乱世の天下に身を投じるのだった。 <ウィキペディアより>
・相関図 公式サイトより
◆予想を上回る出来!本場の中国でヒット間違いなし!
日本映画を憂いる半兵衛の評価のポイントは今回はズバリ!中国が舞台の日本の漫画の実写版が中国でヒットするか?という視点で鑑賞しました。
※公開して間もない作品なのでなるべくネタバレしないようにしました。
評価できるポイントが高いのでヒット間違いなし
・ストーリーが面白い
・日本人役者の演技力
・キャストがすばらしい
・原作の改変が少ない
・漫画の娯楽要素が歴史物をより見やすくしている
・ハリウッドでは絶対に作れない
◆ストーリーが面白い
2時間を超える上映時間があっという間で、少年漫画独特の夢に向かっていく熱い部分が良く出ていました。
◆日本人役者の演技力
この作品で日本の役者は中国人の武人等を演じているのですが、これが、バッチリハマっている。
なぜかと言うと、日本にはチャンバラがあるからです。日本の歴史で一番おもしろいのは侍や将軍の戦国時代です。「拙者」「・・・でござる」などの話し方と刀による切合をそのまま中国人の衣装で演じればよいのです。ある意味中国人以上に中国人武人を演じられる素養があると思いました。
◆キャストがすばらしい
キャスト寸評 (半兵衛の満点評価のキャスト)
○山崎賢人(信):叫ぶようにしゃべるセリフでうまくワイルドさをだせました。渾身の演技
○吉沢亮:(嬴政・漂):一人二役だと違う人格を演じるのですが、ほぼ一緒なのは原作を意識してか?斉木楠雄のΨ難で中二病の海藤瞬を演じたり、銀魂で沖田総悟など、色々なタイプのキャラクターを演じ分けることができます。人気上昇確実!
○長澤まさみ(楊端和):日本の秘密兵器!美貌と演技力で中国人悩殺確定 日本の宝だと改めて感じました。
○本田奏多(成蟜):和製ジョフリー
○大沢たかお(王騎):この役の為に半年かけて15kgi以上増量の役者魂!オーラがすごかった
○高嶋政宏(昌文君):一番中国人に見えましたgood!
○石橋蓮司(竭氏):思わずここに来たか!と叫んでしまいました。小心者の悪役といえばこの人!
○坂口拓(左慈):原作の改変部分で一番得した人、やる気が無くてめんどくさそうに戦っているのに強すぎる!
◆原作の改変が少ない
1巻から5巻目までの内容を134分に良く詰め込んだと感心しました。脚本の段階で原作者の原先生が関わったのが良かったです。改変も作品をより良くしたと思います。
◆漫画の娯楽要素が歴史物をより見やすくしている
半兵衛の子供時代は歴史が大嫌いでした。何故過去を学ばなければならないのか?暗記のための暗記のようで全く興味がありませんでした。しかし漫画好きの半兵衛はなんと横山光輝先生の三国志を全巻所有していました。更にコンピューターゲームで信長の野望や三国志をやり興味がでてきて、歴史への興味が湧いてきて今日に至ります。
中国の春秋時代をベースにしていますが、この映画を見た少年少女はきっと中国の歴史に興味を持つと思います。何よりも戦闘シーンであるとか、キャラクターの造形など漫画の要素が観やすくしているのが大きいと思います。
◆ハリウッドでは絶対に作れない(ホワイトウォッシュ問題)
前回紹介した日本の映画銃夢など、日本の作品をハリウッドが映画化する際に、アメリカを中心に公開されるので当然、出演者が白人や黒人が多くなりますが、中国人以外で、中国という舞台で中国人を演じられるのは日本人しかあり得ないです。日本にはチャンバラがある!中国刀を振り回してもなんの違和感もない。
つまり、ハリウッドなどの西洋人が絶対に入り込めないニッチ領域であると同時に中国市場は巨大なので、キングダムがヒットということになれば、それを元手に次回作を作ることができます。キングダムは今現在54巻の大作で、今作品は5巻目までなのでまだまだ先があります。
◆佐藤信介監督
半兵衛の主観的点数(その日の気分で変化有り)
70点:GANTZ
90点;アイアムアヒーロー
30点:デスノート Light up the NEW world
60点:いぬやしき
30点:ブリーチ
95点:キングダム
キングダム主題歌 ONE OK ROCK: Wasted Nights [OFFICIAL VIDEO]
感想
山の民との会話の中で、ジョン・レノンのイマジンを連想させるセリフが出てきます。ジョン・レノンの描いた夢とこの嬴政少年が抱いた夢が同じなのは感慨深いものがあります。山の民はその夢に賭けました。