TVドラマ 「正義のセ」は2018年4月から6月に放送された日本テレビ系のドラマ。
出 演 吉高由里子/安田顕/生瀬勝久他
原 作 阿川佐和子
脚 本 松田裕子他
挿入歌 福山雅治 失敗学
視聴率 8.9%~11%
評 価 ☆70点 派手さはないが、真面目な作りで感動ありの良作。
お子様度 日本の司法制度を理解するためにもオススメ。
○あなたが新米検事ならどうしますか?正義とはなんですか?
○法廷ものというよりも凛々子の成長に重点をおいた作品。
<ストーリー>
竹村凜々子(吉高由里子)は、この春、横浜地方検察庁港南支部に赴任した2年目の検事。正義感が強く、明るい性格で家族思い。東京の下町で豆腐屋を営む父の浩市(生瀬勝久)、母の芳子(宮崎美子)、妹の温子(広瀬アリス)と暮らしている。検事1年目は大阪赴任だったため、恋人の優希(大野拓朗)とは遠距離恋愛になっていたが、「これからは仕事も恋愛も、両方きっちりやる!」と決意を新たにしていた。
◆検事は嫌な奴なのか?
弁護士が無罪を主張し、裁判で検察官と対決していくドラマ多いですが、設定上対立するわけですから、弁護士が正義なら対決する検事は悪で嫌なやつが多い設定になります。本当に検事は悪人ばかりなのでしょうか?
しかし、よくよく考えると、検事が主人公のドラマは希少ですし、そもそも検事という職業をあまり知らない自分がいました。
そんな検事という仕事をよく知ることができる、大変貴重な作品であると同時に、新米検事凛々子が正義を貫こうと、全力投球であっちこっちぶつかりズッコケながらも、なんとか事件を解決していく成長のドラマでもあります。
私は、こういったシミュレーション的な作品が好きで、自分を凛々子に投影しながら、凛々子になったつもりで、次々に送り込まれてくる事件を一緒に解決していくうちに、検事という仕事を理解し、凛々子と共に少し成長出来たような気がしました。
◆検事の仕事一日の流れ
・毎日大量に送られてくる書類に目を通し、加害者、被害者から状況やその時の行動を聞き取る
・しかしどちらかが嘘をつく
・新米凛々子は、敏腕刑事では無いので、どうすれば解決できるのかわからない
・とにかく外に出て足で稼ぐ ベテラン検察事務官の相原は連れ回されるので迷惑がる
・思わぬ発見があり、事件が解決される。真実は一つ。
・最終的法的な判断をする。
※多くの検事は事故現場や司法解剖以外は外に出ずに書類と双方の聴き取りのみで判断する。
◆有罪率99.9%の嘘
日本の検察官の起訴、有罪率は99.9%と言われていますが、これは、証拠などがあり絶対的に有利のものだけを選んで起訴しているからです。いくら検察官が黒だと思っていても、起訴できない限りは見逃されてしまっているのです。つまり被害者は泣き寝入りすることになります。
◆吉高由里子
興味深いのは、2008年9月20日公開の映画「蛇にピアス」 ルイ 役にて、日本アカデミー賞/ブルーリボン賞 /日本映画批評家大賞 で新人賞を受賞しており、ヌードまで披露していますので本格的な女優といって差し支えないと思います。
下町の豆腐屋の娘という設定ですが、その生活感をなんの違和感もなく見事に演じており、かなりできる役者だと思いました。私の中では凛々子は好感度100%です。安田顕さんの演技も安定の演技でしたね。
◆感想など
なかなかの良作で、感情的に訴える愛すべき作品かと思います。ドラマとしては漫画的にやりすぎぐらいのとんがった主人公が出てくる方が視聴率は高いとおもいますし、私もそんな作品は好きです。例えば「家政婦三田」「家売るオンナ」「過保護のカホコ」「母と義母のブルース」などです。
しかし今作は全く普通の下町の娘が主人公ですし、事件はパワハラや家庭内暴力やオレオレ詐欺や交通事故など身近なテーマが多いので、派手さがないので売るのは大変な作品かとおもいますが、だからこそ、共感できる部分が多いのも事実ですし、主人公の成長の様子もよくわかりました。続きが見たい作品です。
◆老婆心ながら一言・・・
・展開が読めてしまう回や、証拠品に気づくのが遅すぎる回がありました。
・そもそも、検事の凛々子が真相を突き止めることが多いですが、刑事は無能なの??