20150209

Jerzy Wołosiuk指揮
Orchestre de l'opéra du Château de Szczecin(シュシェチン歌劇場管弦楽団)

小組曲
葬送音楽
チェーン1
チェーン2
Ilian Garnetz (vn)

2013年録音
レーベル:DUX

 演奏 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ラテン語で「道しるべ」の意味を持つポーランド最大のインディペンデント・レーベル、DUXが昨年の11月にリリースした一連のルトスワフスキのアルバムの中で、手元に来るのが最も遅かった1枚です。
その一連のリリースはどれも素晴らしいもので、この1枚も馴染めているとは言えないルトスワフスキの楽曲をとても鮮やかに、そして繊細に美しく聴かせてくれます。
ポーランドのオーケストラ、指揮者ならではの『お国もの』への自負と自信があるのだと思えます。
Wikiに拠れば、『小組曲』『葬送音楽』は管弦楽曲に、『チェーン1』は室内楽曲に、そして『チェーン2』は協奏曲に分類されています。
『チェーン2』でのソリストを務めるイリアン・ガルネッツは1983年サンクトペテルブルク生まれでモルドヴァ国籍の方ですが、とてもしっかりとした、それでいて気負いの無いヴァイオリンを奏でます。

録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

録音も大変素晴らしいものです。
分かり辛いかも知れませんが、衛星軌道上から美しい地球を眺めているかのような視覚的イメージを持ったりもします。
左右、上方向への響きの広がりもとてもワイドで、定位も良く残響も美しい余韻を残しながら減衰しますが、ステージノイズは皆無であり、全き静寂感が背景にあります。
『チェーン2』でのヴァイオリンには、そのボディの実在感が浮き彫りになって伝わってくるほどの感触もあり、オーケストラとのバランスもとても良いです。
音の切れや立ち上がりも鮮烈ですが、刺々しさなどは感じさせない潤い感も有しています。

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20150208-4

Gianandrea Noseda指揮
Orchestra Teatro Regio Torino(トリノ・レッジョ劇場管弦楽団)
Coro Teatro Regio Torino(トリノ・レッジョ劇場合唱団)
Giorgio Berrugi (T), Vasily Ladyuk (Br)

管弦楽のためのパルティータ
男声(テノール&バリトン)と管弦楽のための『4つの聖歌』
混声合唱と管弦楽のためのカンタータ『闇夜』
男声合唱、3台のピアノ、金管楽器、コントラバスと打楽器のための劇的マドリガル『死者の合唱』

2014年録音(ライヴ)
レーベル:Chandos

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ゴッフレド・ペトラッシ(Petrassi, Goffredo 1904-2003)はイタリアの現代音楽の作曲家ですが私は初めて聴きました。
『現代音楽』と言うと私などは何やら複雑でグロテスクな側面を想像したりもしますが、このアルバムに収められている楽曲にそんな処は全くありません。
パルティータは3楽章構成の管弦楽曲ですが、それ以外は声楽曲で、場面によっては何となくルネッサンス期の楽曲のエッセンスが感じられる処もあります。
ライヴとの事ですが、聴いている限りではそんなことに気が付かにほどの完成度とアンサンブルで、声楽曲にも精緻さと繊細さがあると思います。
難しさは無いのですが、一聴で掴めるような単純なものでもなく、ノセダはペトラッシのマニフィカトと詩篇第9盤を2012年にリリースしているようなので、それも購入して聞いてみたいと思います。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

上述の通り、聴いている間はこれがライヴとは全く気が付きませんでした。
それほどの高い静寂感があり、ステージノイズも聴衆ノイズも皆無で、勿論拍手も収録されていません。
適度な切れのある響きで、奥行き感もしっかりしています。
テノール、バリトンの定位が少し右に偏っているように感じましたが、それを除くと各楽器の位置も掴みやすい再現で、響きそのものは左右にワイドに広がります。
残響も多いほうだと思いますが、音の輪郭を滲ませることもなく、すっきりとした印象がある好録音です。

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20150208-3

Angela Hewitt (p)

ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
巡礼の年 第2年『イタリア』S.161より ペトラルカのソネット第47番
巡礼の年 第2年『イタリア』S.161より ペトラルカのソネット第104番
巡礼の年 第2年『イタリア』S.161より ペトラルカのソネット第123番
巡礼の年 第2年『イタリア』S.161より ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲

2014年録音
レーベル:Hyperion

演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

使用しているピアノいつもの通りファツィオリです。
本当にアンジェラ・ヒューイットは美しい音色で奏でるピアニストだなぁと感じますが、それはファツィオリとの相性、或いはファツィオリを美しく鳴らせる術を知っているからだと思え、他のファツィオリを楽器を弾くピアニスト達とは一線を画しています。
そんな彼女の美しい音色は、巡礼の年、第2年の最初の3曲ではとても効果的で、美しくも繊細でロマンティックな雰囲気が素晴らしいと思います。
ただ、ロ短調ソナタやソナタ風幻想曲では楽曲に激しい部分が多く、音数の多い強奏場面での表現に、ヒューイットらしい美しさが現れていないように感じます。
それは少し厳しい意地悪な聴き方かも知れず、ヒューイットの指さばきに曇りは無いのですが、繊細な弱奏部に比べればやや通り一遍的な音色、響きに感じます。

録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

美しいピアノの音色が楽しめる録音です。
弱奏部ではヒューイットの表現に幻想的な雰囲気が漂いますが、それが実に幻惑的に再現されている録音で、聴き始めこそ硬質感がありますが、聴き進めるにつれ違和感がなくなってきます。
音数の多い強奏場面でさえも、録音そのものは音の一つ一つを明確に捉えており、響きに混濁感や音場の手狭さを感じさせません。
凛とした静寂感も好ましく、残響が豊かではあっても音の見通し感を阻害していない録音です。

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