90.4.「ミルクティー」;「ミルクコーヒー」


この2つのカタカナ語はそのまま英語になると思っている人は、考えが甘い。それぞれ、tea with milk, coffee with cream と表わしている。コーヒーに本物のクリームではなくミルクを入れる時でも、それをcreamと呼んでいるのは興味深い。
90.2.doughというもの

doughは[dou, ドウ]と発音する。小麦粉に水を混ぜて固体の塊にしたもの。パンを作る工程でも、まずdoughにしてから、その後必要な形にするのである。


90.3.doughnutの語形成

dough+nutであり、doughの段階で砂糖などのdoughの段階で砂糖などの甘味調味料を入れ、またdoughは比較的堅めにしてオーブンで焼く。nut(木の実)には<堅い>イメージがあるので、堅めに焼くのである。日本のドーナッツはあまり堅くないのが多いが、英米のドーナッツはさらに堅く作っていなくて、ある意味で軟らかすぎる。

米国で数ヶ所ホームステイしたことがあるが、朝食は子どもはミルクとリンゴとドーナッツを各1つずつ、大人はコーヒー(か紅茶)とリンゴ、ドーナッツ各一つずつですませているところが多いようである。

90.1.flour(小麦粉)


日本人の食生活の歴史において、小麦(wheat)がいつごろから使われていたのか、私には未詳であるが、たぶん味噌の醸造において使われていたのではないだろうか。幕末や明治初年には、パンの製造も始まったであろうから、小麦粉の需要があったはずである。

小麦粉は明治の始めの頃には米国から輸入されていたのであろう。その頃は「メリケン粉」と呼ばれていたようで、この「メリケン」というカタカナ語は American flour の American が「メリカン」とか「メリケン」と聞こえたからであろう(ついでながら、神戸港や横浜港で米国船が入港した港のことを「メリケン波止場」と呼ばれていたのも同一現象であろう)。

昭和44年(1969年)頃、私が教えていた早慶の学生の何人かに「小麦」「大麦(barley)」「小麦粉」に当たる英単語を言ってみるように言っても答えられなかった。受験には関係のない単語だったからかもしれない。