90.1.flour(小麦粉)


日本人の食生活の歴史において、小麦(wheat)がいつごろから使われていたのか、私には未詳であるが、たぶん味噌の醸造において使われていたのではないだろうか。幕末や明治初年には、パンの製造も始まったであろうから、小麦粉の需要があったはずである。

小麦粉は明治の始めの頃には米国から輸入されていたのであろう。その頃は「メリケン粉」と呼ばれていたようで、この「メリケン」というカタカナ語は American flour の American が「メリカン」とか「メリケン」と聞こえたからであろう(ついでながら、神戸港や横浜港で米国船が入港した港のことを「メリケン波止場」と呼ばれていたのも同一現象であろう)。

昭和44年(1969年)頃、私が教えていた早慶の学生の何人かに「小麦」「大麦(barley)」「小麦粉」に当たる英単語を言ってみるように言っても答えられなかった。受験には関係のない単語だったからかもしれない。