(今回も、私小山田の感じたことを雑多に綴っていきます)


51.1.時制(現在形と進行形)


英語学習者にとって、時制は理解が困難な項目の1つです。
今回は、現在形と進行形の違いを考えてみます。

日本語では、「~している」という表現が、英語では
現在形で表現される場合と現在進行形で表現される場合があります。

例えば、聞き手に対して「今何していますか?」は、次の意味を持ちます。

(1)今現在、何の動作をしている最中ですか?
(2)現在の仕事(身分、地位)は何ですか?

それぞれの英語に対応するのは、

(1a)What are you doing (now) ?
(2a)What do you do?

進行形は、あくまでもその時点での一時的な出来事を述べるにすぎません。特に、nowやat the momentなど、時を表わす表現とともに用いられることが多いのです。

いっぽう現在形は、過去も現在も(そしておそらく)未来も変わらず、その仕事や地位でいるであろうという前提です。
よって現在形は、「安定した現状」を表わすといえます(仮に「現状維持形」と名付けておきます)。

(3)I am working at the factory.
(4)I work at the factory.

(3)は、期間限定で(例えば夏休み中の1ヶ月のみ)勤務するのに対して、(4)は職業として過去から現在、そしておそらく将来も勤務するということを表わします。

日本語に引っ張られずに、期間限定であれば「進行形」、変わらない安定した現状の表現であれば「現在形」というように考えれば、時制で迷うことはないのではないでしょうか。


※ただし、I have a cold.などのように、一時的にかかる病気に進行形が使えないのは、haveという動詞が、「~を持っている」の意味では進行形で使えないからです。




(今回も、私小山田の感じたことを雑多に綴っていきます)

50.2.whを伴う疑問文


be動詞文と助動詞文では、Yes-No疑問文を作るのは比較的容易です。

a.He is a student.→ Is he a student?
b.We will be there.→Will we be there?

ところが、一般動詞文では困難な場合があります。

c.He plays soccer.
d.They finished the work.

これらのYes-No疑問文は、それぞれ次のようになります。

c1.Does he play soccer?
d1.Did they finish the work?


ところが、次のような誤りをする学習者も見受けられます。

c2.Do he plays soccer?
d2.Do they finished the work?


そこで前回、「強調文」を作ることで、doやdoesの後ろには原形が来ることを認識させる方法を述べました。

c3.He plays soccer.→He does play soccer.→Does he play soccer?
d3.They finished the work.→They did finish the work.→Did they finish the work?

今回は、いわゆる「下線部を問う疑問文」すなわちwh疑問文を作る時にも、この方法が応用できることを述べます。

c4.He plays soccer.(=c)

このsoccerの部分が分からない場合、次のような過程で、wh疑問文を作る方法が考えられます。

c5.He plays soccer.
→He does play soccer. 強調文を作る。
→Does he play soccer? Yes-No疑問文を作る
→Does he play what? わからない部分をwhatなどwhに置き換える。
What does he play? whatのかたまりを文頭に移動する。

これは、be動詞文でも同様に出来ます(強調文を作らず、Yes-No疑問文から始まります)。

e.He was 25 years old.
→Was he 25 years old?
→Was he how old?
How old was he?

※この場合、*How was he old?などとせず、whのかたまりをまとめて文頭に移動することを意識させるべきです。


(今回も、私小山田の感じたことを雑多に綴っていきます)


50.1.一般動詞の否定文や疑問文

(日本在住の典型的な日本語話者が)英語を習い始めた中学の時に教わったはずの、一般動詞が含まれる否定文や疑問文を作るのが不得意という大学生が少なからずいます。
例えば、次のaのような平叙文を、否定文や疑問文に変えた場合は、正しくはそれぞれbやcのようになります。

a. They went to London.
b. They didn't go to London
c. Did they go to London?

ところが、次のような否定文や疑問文にしてしまう誤りが見受けられます。

b'.*They don't went to London
c'.*Do they went to London?

つまり、否定文や疑問文を作る時、doやdidの後ろに原形動詞が来ることを理解出来ていないのです。

そこで、否定文や疑問文を間違いなく作るために、「強調文」の作り方を理解する方法があります。
例えば、上記aの平叙文からdのような強調文を作るのですが、その際、過去形や三単元のsがついた動詞をいったん「do [does, did]+原形」という形に直します。
そして、次の規則をもとに否定文や疑問文を作るというわけです。

(1)否定文は、didの後ろにnotを置く。
(2)疑問文は、be動詞のようにdidを主語の前に移動する。

d.They went to London.
→They did go to London.(彼らは、まさにロンドンに行ったんだよ)
→They did not go to London.及び Did they go to London?

e.He comes home.
→He does come home.(彼は、やっと帰って来るよ)
→He does not come home.及び Does he come home?


否定文や疑問文を作るのが難しい学習者には、「平叙文→強調文」の過程を学習するというのも、1つの手段ではないかと考えられます。