右上の方にについてのアンケートを設置してみました。1日1回投票可能ですので、どしどし投票してみて下さい。o((=゜ェ゜=))o 定期的に設問内容を変更しておりますので要チェック！
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さて、いきなり問題です。
Q：あなたは今とあるビルの５階にいます。あなたは大事な取引のため一刻も早く最上階の１０階にたどり着かなければなりませんが、体力も限界です。そんな時、通路の奥に階段とエスカレーターを見つけました。階段は１０階までの直通、エスカレーターは少なくとも６階へは通じているようです。さぁ、この状況であなたはどちらを選択しますか？（お好きな方をクリックしてください。）
というわけで、今回のテーマは「姑息なことをすると将来後悔するかも」というテーマで書いていこうと思います。
よく使われる言葉で「一歩ずつ着実に進むことが大事だ」というものがあります。焦って急ぐとかえって失敗するということですね。
さっきの問題でバッドエンドになってしまった方の中にはそういう風に考えて選択したという方もいらっしゃるでしょう。しかし、肝心なことを忘れています。
その一歩は目的地までちゃんと通じているのですか？
それを考えずにこのように姑息的にハードルの低そうな道を選ぶと取り返しのつかないことになるケースはいくらでもあります。ちなみにこのケースで「着実に一歩ずつ」と言うならば
３．階段で１０階を目指すが、体力的なことを考え１階毎に少しずつ休みながら行く
という感じでしょうね。
それでは他のケースにはどんなものがあるでしょうか。
例えば
１．長期的な目線で投資をする
２．リストラを繰り返して確実に短期の利益をあげる
１．なんでもバランスよく食べるように体系的に教える
２．好き嫌いをしたときに「ちゃんと食べなさい」と言って確実に食べさせる
１．日ごろから食事と運動に気を遣う
２．病院に行く前の日だけ絶食して血糖値を確実に下げる
１．きちんと勉強して理解する
２．問題と答えを丸暗記して確実に点数を稼ぐ
１．この薬苦いけど大事な薬だから飲んでねと言って飲ませる
２．この薬は甘くておいしいよと言って飲ませる
まぁ、例を挙げればキリがないのでこれくらいにしておきますが、２．の選択肢は１．の選択肢に比べると楽ですしハードルが低いですね。ただし、長期的に見ると逆に利益を圧迫したり、きちんと身についていなかったり、健康になっていなかったり、今後薬を飲んでくれなくなったり…などなどかえって悪い結果を招きそうです。
「まずはハードルの低いことから確実に一歩ずつ」と言って２．の選択肢を選ぶことを何と言うか
姑息
と言います。意味はその場しのぎって意味です。
ここで言いたいことは姑息なことばかりやっていると将来的にかえって裏目に出て、より悪い結果になるということです。
それでは以下の例ではどうでしょうか？
１．税金は財源ではありません。国民生活を豊かにすることを最優先に考えましょう。
２．財政健全化のためにも経済成長を目指しましょう
１．は私が以前紹介したラーナーの機能的財政論ですね。
機能的財政論
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005136828.html
２．の方はネット上で積極財政派の方々がよく使うようなレトリックですね。
さて、今回のエントリーの流れからすると２．には問題がありそうですが、まず最初の問題が…。
政府「よし、わかった。ネオリベグローバル路線で経済成長と財政健全化が両立できるってわけだな！！ワハハッハハハハ。」
まぁ、こうなってしまっている時点ですでにダメダメなんですか…(;^_^A
というわけで、最初の問題でつまづいているので、これから先の問題を話してもしょうがないのですが、少しでもよりよい方向性を考えていきたいので続けさせていただきます。
２’．財政健全化のためにも積極財政を行いましょう
２．を若干変えてみました。積極財政を政府に行わせるためのレトリックというわけですね。つまり、政府を騙して薬を飲ませるみたいなもんですね。
さて、財政健全化の定義は政府によればPB黒字化だったり債務残高GDP比だったりしますが、積極財政すればこの数字がよくなりますよって言っているわけですね。
その保証は？
積極財政したケースとしないケースを比較したら、長期的には前者の方がいい数字が理論的にはでそうですが、実際に比較することはできません。できるのは前と後の比較のみです。
人の動きが絡んでいる以上、積極財政でPBが黒字化しない可能性も債務残高GDP比が減らない可能性も十分にあるのです。（そもそもPB黒字化なんぞ達成されたら日本経済的には困りますが。）
そうなると、
政府「やっぱり財政健全化しないじゃないか。こりゃ緊縮増税しないとダメだな。」
となりかねません。
そもそも財政健全化するという触れ込みで積極財政をやっていたわけですからね、財政が健全化しなければやる意味はありません。
あるいは、デフレ脱却してインフレが過熱気味になってもなおPB黒字化や債務残高GDP比の低下が達成されない場合に
政府「じゃあ、もっと財政出動しなければならないのか。」
となられると悪性インフレの状況になってしまいかねません。
そういう状況で、「財政健全化のためにも積極財政って言ったのは間違いで、そもそも財政健全化なんて必要ありませんでした。」と言っても
政府「お前あれだけ財政健全化のためにと力説していたではないか。今さらそんなこと言っても信用できるか。」
となるのがオチです。「国民生活のため」よりも「財政健全化のため」を上においたまんまだといつかはボロが出てもおかしくありません。
この時点で「財政健全化のために積極財政を」と主張し続けてきた言論人は発言力を失ってしまいます。最悪のケースでは新たな言論人が機能的財政論を主張するまで、積極財政への道は閉ざされることになりかねません。
以上はあくまでも可能性の話です。が、十分にあり得る話です。
「いや、考え過ぎだよ。」と言う方は
リストラを繰り返して長期的に存するなんて考え過ぎだよ
好き嫌いを無理矢理食べさせて将来偏食になるなんて考え過ぎだよ
病院に行くときだけ頑張っても意味ないなんて考え過ぎだよ
丸暗記ばっかりじゃ身につかないなんて考え過ぎだよ
子どもを騙したからといって薬嫌いになるなんて考え過ぎだよ
と言えますか？
それでも
今リストラしないと会社がつぶれるんだ
今無理矢理食べさせないと片付かないんだ
今血糖値を下げないと先生に怒られるんだ
今テストの成績が悪いと困るんだ
今薬を飲ませないと命に関わるんだ
という主張も分からないではありません。緊急的に姑息的手段を取らざるを得ないことはいくらでもあります。
しかし、たとえ姑息的な手段でも、やるなら将来的に後悔しないやり方を選ぶべきで、「財政健全化のために～」と「財政健全化は不要」という意見を同じ人が言うには信用的に無理があります。なにせ主張が真逆ですので。
しかも「積極財政すると乗数効果でGDPが増えて、税収弾性値的に税収が増えて逆に国の借金が逆に減りますよ。」なんて説明、一般人には分かりにくいです。途中の説明を端折って「国の借金を増やすと逆に国の借金が減るんだよ。」と言ってみますか？
それなら、「日本円は日本政府が作ったから財政破綻なんてしないよ。」と言った方が全然分かりやすいです。つまり、今置かれている状況は
１．１０階まで直通のエスカレーターがある
２．少なくとも６階まで通じている階段がある
みたいなわけで、そもそも２．を選ぶメリットなんてほとんどないわけです。最悪詰みますしね。
以上、その場しのぎで短期的な利益を追い求めると、将来取り返しのつかないことになるかもよというお話でした。
まぁ、実際に政府がやっていることは論外なのですが、だからといって姑息的な手段で将来を棒にふるリスクを背負うことはないというわけです。
そもそも本質的な理解がないまま積極財政をやらせたところで適切な政策運営ができるとは思えませんがね。
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