くらえもん的ドラえもん解説・第8回『のび太の魔界大冒険』 | くらえもんの気ままに独り言

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 【くらえもん的ドラえもん解説】も第8回を迎えますが、今回は大長編ドラえもんから、これまた屈指の名作『のび太の魔界大冒険』を取り上げたいと思います。この作品は「月刊コロコロコミック」の1983年9月号~1984年2月号にかけて連載されました。

 本作品は例によって映画化され、『のび太と鉄人兵団』同様、新キャストによるリメイク版の映画も存在します。また、映画版の主題歌は小泉今日子が歌った「風のマジカル」という曲だったのですが、契約切れのため単行本化された際に歌詞は掲載されず(注:大長編ドラえもんには映画主題歌の歌詞が載っている見開きページが途中で挿入されていたのです。)、ビデオ・DVDなどに収録されたのは『のび太の大魔境』の主題歌である「だからみんなで」に差し替えられておりました。


 それでは、以下ネタバレ注意!!


 魔法が使えれば楽チンで便利な世の中なのになぁと空想に励むクズ人間のび太。

 (相変わらずの怠け者根性ですな。空想自体は構わないのだが、空想に耽って、注意散漫となっているところは病的と言わざるを得ないか・・・。)


 しかし、のび太とドラえもんはゴミ捨て場と学校の裏山で二人にそっくりな石像を見つけるのです。

 (序盤からホラーすぎる展開ですね。自分と瓜二つの石像を発見したら、マジでビビります(((゜д゜;))))


 しかも、その石像は庭に置いていたはずなのに、いつの間にか勝手に家の中へ!?

 (バックではカミナリも鳴っていて、完全にホラーものです(;^_^A)


 その晩、のび太は「もしもボックス」を使って魔法の世界を作れば、魔法が使えるようになるのではとひらめきます。

 (石像のことはなかったことのように・・・。ちなみに「もしもボックス」は空想の世界を現実化する道具でございます。いや、設定は話によってまちまちだったりするのですが、考察は後程。)


 さぁ、魔法の世界をつくったのび太とドラえもんはさっそく魔法を使おうと色んな呪文を唱えますが、何も起きません。

 (いきなり、あてが外れたようだな、ククク・・・(`∀´)、二人の呪文のかけあいが大爆笑です。)


 しかし、翌朝空を見ると空飛ぶ絨毯が飛び交っているではありませんか。のび太のママも指から光線を出して何やら料理をしているのです。

 (周りは魔法使いまくっているのに、のび太とドラえもんだけが何もできないというかわいそうな展開・・・。)


 学校では小学一年生クラスの魔法も使えず、先生に怒られる始末。

 (クラスメートが写っているコマがあるんですが、その中の一人が『エスパー魔美』の佐倉魔美だったり、その他のキャラはF先生のタッチではなかったり・・・(他の漫画家のキャラ?)。)


 魔法世界はつまらないと感じながらも、せっかくだから一つくらいは魔法を使えるようになってから元の世界に戻そうと考えるのび太は一生懸命練習を始めます。

 (ほう、なかなかに根性を見せるではありませんか(^-^)。)


 そしてようやくできるようになった魔法が

 スカートめくり!!

 (くだらない、くだらなさすぎる(‐^皿^‐))


 そして、しずかちゃんとほうきに乗って山奥へでかけるのび太とドラえもんですが、ジャイアンとスネ夫と出くわします。しかし、ジャイアンとスネ夫が使い魔の魔法にやられて気絶。

 (なんだか、怪しい雲行きになってきたぞ・・・。)


 近くにある満月博士の家で手当てをしてもらうことにしたのび太たちは、満月博士は魔界が近づいて世界のおわりがくると告げられます。

 (なんちゅう展開だ!?もしもボックス恐るべし・・・。)


 さっそく元の世界に戻そうと思ったのび太とドラえもんでしたが、「もしもボックス」はゴミに出され、つぶれて埋立地の地底深くへ・・・。

 (これで、一生魔法世界の住人というわけですね。いやぁ、のび太君よかったですね(棒)。)


 一方、その頃満月博士「魔界歴程」という魔界攻略の記録(ただし読めない古文字で書いてある)を発見するのですが、その時異様な妖気がせまり・・・。

 (ヒントをつかんだ人が何者かに殺されるという王道パターンか?まぁ、ドラえもんで死人はめったに出ませんが。)


 次の日、満月博士のもとへ向かうのび太とドラえもんとしずかちゃんですが、そこには満月博士の家はなく、いたのは一匹のネコのみ。

 (謎が謎を呼ぶ展開。いやぁ、スリリングな展開ですね。現実世界に帰れないという事態が後方に置き去りにされるほどに・・・。)


 しかも、そのネコは満月博士の娘の美夜子が魔物によって魔法をかけられていた姿だったことが判明。月の光を浴びている間だけ魔法が解けた美夜子は一緒に大魔王デマオンを倒しに魔界へ行こうと言います。しかものび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんは選ばれた勇士だと。

 (い、いや。そんなことを急に言われても。お断りします( ̄ー ̄;。)


 しかし、日に日に異常気象が激しくなる地球。のび太たちは美夜子に協力して魔界へ行くことを決意。

 (大人たちは何をやっているんだ、まったく・・・。)


 ネコの間しゃべれなかった美夜子「翻訳こんにゃく」で日本語が喋れるようになり、使い魔と下級悪魔を撃破した5人と美夜子は空飛ぶ絨毯に乗り、魔界星へと旅立つのです。

 (魔界星までは1ヶ月かかるらしいです。が、その次のコマには魔界星に到着です。)


 ここから魔界大冒険が始まるのですが、長いので箇条書きで(;^_^A

 (ちなみに映画のリメイク版ではマジで魔界の冒険部分はカットされた模様)


・炎に包まれた魔界星

・南極にある炎の切れ目から侵入

・悪魔の出城を横目に「あべこべクリーム」を使い、寒さ対策しながら南極脱出

・人魚の島ではジャイアンの歌で人魚と大怪魔ツノクジラを撃退

・帰らずの原では「道路光線」で迷わず直進

・猛獣の森では「石ころ帽子」で存在感を消し、突破

「タケコプター」の電池が切れて徒歩で魔王城へ

 (いやぁ、このあたりもすごくおもしろかったので、ゆっくり解説したかったのですが、文量が多くなりすぎますし、まだ中盤ですので、断腸の思いで省略しました(ノ◇≦。))


 美夜子から大魔王を倒すのに必要な「銀のダーツ」を分け与えてもらった一行は「石ころ帽子」をかぶりつつ、大魔王の間へ。

 (一気に大魔王戦ですか。ドラクエ風に言えば、「聖水」使いまくりでモンスターとの戦闘を一切しないまま大魔王と闘うと言った展開ですね。)


 そして、一斉に「銀のダーツ」をぶつける5人+美夜子。だが、大魔王はびくともしません。

 (は、話が違うじゃないかー\(*`∧´)/ なんというか、パスワードを入力したけど、パスワードが違いますと表示された時のような感覚に近いな・・・。)


 衝撃波で場外に吹き飛ばされる5人+美夜子。しかし、悪魔の軍団が追撃を開始し、ジャイアンが悪魔の手によって倒れます。

 (これは、やばい。詰んだか?)


 そんな中、美夜子「魔界歴程」の後半部分の解読をのび太に託し、おとりとなって悪魔軍団の前に出ます。そして、逃げのびることができたのはのび太とドラえもんのみという展開。

 (「翻訳こんにゃく」を食べていたはずの美夜子は「魔界歴程」の解読ができたはずなのに・・・。もしかして、読めないという先入観でスルーしていた?ということで、今回の敗戦の戦犯は美夜子!!)


 しかし、ドラえもんは「とりよせバッグ」でのび太の家から「タイムマシン」を取り寄せ、「もしもボックス」を使う前に戻って、魔法世界を作るのをやめさせようと提案します。

 (あー。すべてなかったことにしちゃおうってわけですね。しかし、「タイムマシン」で戻った先は魔法世界の過去ってことにはなるまいか?)


 さっそく、「タイムマシン」に乗って過去へ向かうドラえもんとのび太ですが、大魔王の部下メジューサが亜空間を通って追いかけてくるではありませんか!!

 (ギャーッΣ(゚д゚;) 大長編ドラえもん史上屈指のトラウマシーンです。「逃~~が~~し~~は~~せ~~ぬ~~ぞ~~。」)


 そして、のび太の部屋に現れるメジューサ!?

 (ここは元の世界だというのに!?のび太&ドラえもんは大混乱((゚m゚;) 平和な世界観とメジューサのギャップが不気味さを際立たせております。)


 ついにメジューサの光線によって石化させられるのび太とドラえもん!!

 (これが、序盤で登場した石像の正体だったわけですね!石像の存在忘れてたわ(;^_^A。なお、月の光によって魔法が解けた2人は家の中へ入りますが、月が隠れて再び石化したのでした。)


 そして、史実通り魔法世界を作り出すのび太とドラえもん。

 (現実世界から魔法世界へ移動する道具というよりも、やはり新たな世界を造りだして、時間の流れをそちらにのせる道具と考えた方がしっくりきそうですね。)


 万事休すかと思いきや、22世紀からやってきて2人を「タイムふろしき」で石化前の状態に戻すドラミちゃん。

 (どうやら、22世紀の地球は無事なようですね。)


 ドラミちゃんは「もしもボックス」で元の世界へ戻そうと提案します。

 (そりゃ当然でしょ。そのために過去までやってきて魔法世界を作るのを止めようとしたわけですから。)


 これで、めでたしめでたし。

 (あっけない幕切れでした(^ε^)♪)




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 と思いきや、のび太は魔法世界も助けたいと言い出します。

 (エンドクレジットまで出しておいてなんじゃそりゃヽ(`Д´)ノ 現実世界には関係ないんだからほっときゃいいのに。)


 結局、ドラえもんとドラミちゃんとのび太はタイムマシンで魔界へ戻ります。

 (さっき、逃げ帰ってきた時点に戻ったようです。)


 「魔界歴程」の存在を思い出したのび太ですが、ドラミちゃんが「翻訳こんにゃく」でさらっと解読します。

 (美夜子め・・・。)


 なんと、大魔王の心臓は宇宙の星の海に隠されているということ。

 (そこ肝心な情報じゃないですかΣ(゚д゚;) 美夜子め・・・。)


 ドラミちゃんが花火で悪魔たちの気をひきつけている隙にジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、美夜子満月博士を救出したドラえもんとのび太。

 (どうせなら、こいつらが捕まる前の時間に戻ってくれば手間が省けたのに・・・。)


 ドラミちゃんと合流した一行は空飛ぶ絨毯に乗って宇宙空間へ。大魔王の心臓を探しに行きます。

 (空飛ぶ絨毯は魔界星突入の際に燃え尽きていたのですが、なんと「とりよせバッグ」で灰をかき集め、「タイムふろしき」で修復したとのこと。それができるなら、埋立地に眠る「もしもボックス」だって・・・。)


 そして、大魔王の追撃をなんとかしのぎながら、ついに大魔王の心臓を発見。ジャイアンが投げた「銀のダーツ」が命中し、大魔王は燃えつきます。さらに燃えた心臓が魔界星に激突して魔界星も粉みじんに。

 (いやぁ。強敵でした。なんせ不死身でしたからね。しかし、「魔界歴程」の解読さえ先にできていれば、魔界星に突っ込むことなく大魔王を倒せていたというのに。)


 改めてのび太とドラえもんは「もしもボックス」で現実世界へ戻して物語は終了です。

 (今度こそめでたしめでたし・・・。結果は変わらないが。)


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 この話は時間移動と世界移動が複雑に絡み合うという難しい展開のようですが、のび太が魔法世界を作り出した時点より前の時間の魔法世界というのは存在しないという風に考えられそうなので、並行世界へ移動というよりは新世界創造という設定であったと考えます。(上でも述べましたが、作品によって設定がころころ変わるようです。)


 まず、今回の戦犯ランキング


 第一位 のび太

  魔法世界を作った。ドラミちゃんの「もしもボックス」を使わず、話をぶり返した。


 第二位 ドラえもん

  「もしもボックス」を修復できたのに、しなかった。というかのび太の部屋に「もしもボックス」を出しっぱなしにした。


 第三位 美夜子

  「魔界歴程」を読めたのに、読んでいなかった。


 こう考えると、やらなくてもいい大冒険をやってしまった感がありますね(;^_^A

 石化とか死亡のリスクを考えると、危ないミスが多かった!!


 ちなみに他の大長編と違って、今回の冒険に参加したジャイアンとスネ夫としずかちゃんは魔法世界の住人であり、現実世界の3人は冒険に参加していないということになりましょうか。なんか不思議な感じですね。また、ドラミちゃんが登場する最初で最後の大長編でもあります。やはり、困った時のドラミちゃんですね。(映画ドラえもんでは『のび太のパラレル西遊記』にも登場しますが、こちらは原作(大長編ドラえもん)がないのでカウントしていません。)


 しかし、この作品は内容が濃くて、大長編ドラえもんの中では『のび太と鉄人兵団』に続いて好きな作品でございます。このあたりは好みが分かれるでしょうが。


 それでは、最後にのび太vsドラえもんの魔法合戦をお送りします。


のび「空飛ぶふとんよ、飛び上がれ」

ドラ「チンカラホイ!!」

のび「アブラカタブラ!!」

のび「飛べよゴマ!!」

ドラ「ビビデバビデブー。」

のび「ピクリとも動かないよ。」

ドラ「おかしいなあ・・・・・・。」

ドラ「ドラやきふってこい!!」

のび「教科書よマンガになれ!!」

のび「きみの道具はいつも役に立たないんだ。」

ドラ「魔法なんて無理だといったろ!!」

のび「タヌキになれ!!」

ドラ「ミミズになれ!!」

ドラ「ばかばかしくなった。」

のび「もう寝よう。」


(大爆笑(‐^皿^‐)!!)

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