№4
日付:2024/1/26
タイトル:サン・セバスチャンへ、ようこそ | RIFKIN'S FESTIVAL
監督・脚本:Woody Allen
劇場名:シネプレックス平塚 screen7
パンフレット:あり(\1,000)
評価:5.5

 

スペイン北東部の都市サン・セバスチャンで開催される国際映画祭は(ヨーロッパにおいて)カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭に位置付けられているのだそうです。

ヨーロッパを舞台にした作品は「マジック・イン・ムーンライト」(2014年)以来。スペインとなると「それでも恋するバルセロナ」(2008年)以来の作品。

 

およそ主人公に似つかわしくないウォーレス・ショーン演じるモート・リフキンが人生の節目を迎えるサン・セバスチャンでの数日間。

ロマンティック・コメディみたいに紹介されていますが、そもそも歪な男女構成。後期高齢者にしか見えないウォーレス・ショーンは1943年の生まれで、モートの妻スー役のジーナ・ガーションは1962年。彼女が熱を上げるフィリップ役のレイ・ガレルは1983年で、モートが恋心を抱く女医のエレナ・アナヤは1975年。

ただ、年齢に限らず登場人物たちが恋愛相手をうまく選べていない点について、アレン監督自身が「これはよくある病気だ」と語っているのを知って笑ってしまった。

 

自分が愛する古き名作の数々を大学教授の如き視点でしか解説できないモートと、時代の寵児としてメディアに評価されるフィリップの対立の構図は、「家族の肖像」を連想してしまった。彼が愛する作品の一場面を模した夢の中の心象風景は意外な程に冷静で客観的。図らずも彼が愛した作品の力を借りて、良い思い出と共に人生を見つめ直す事に。

本作に登場する、アレン監督がオマージュを捧げた9本の作品をことごとく観ていない私には、このシーンを十分楽しめていないのが残念ではありました。

 

レイニーデイ・イン・ニューヨーク」の翌年に製作していながら、日本での公開がこれだけずれ込んだのは、やはりプライベートな問題が原因なのでしょうか。ほぼ年1本ペースで作り続けた映画製作も滞り、昨年公開された「Coup de chance」も日本での公開は未定。

そんな中で電子版Hanakoに掲載されていたウディ・アレン監督へのインタビュー記事が興味深かった。日本の制作会社も是非アレン監督に電話を掛けて、「日本で映画を撮りませんか?」と口説いて欲しいものです。

 

77歳と58歳と37歳の三角関係

 

58歳 ⇔ 37歳

 

45歳 ← 77歳

 

マンハッタン」でダイアン・キートンの元夫役で出演したのが最初だと書いてあったので観返したところ、今と変わらぬ風体で出演していました。

 

パンフレット

・イントロダクション

・ストーリー

・プロダクション・ノート

・監督フィルモグラフィ

・「サン・セバスチャンへ、ようこそ」に登場した、9本の映画たち

・キャスト

・スタッフ

・レビュー コーナーを攻める練達の投球術 柴山幹郎(評論家)

・映画の舞台となったサン・セバスチャン 黒田香奈恵(バスク地方観光ガイド)

・レビュー 南波克行(映画評論家)

・クレジット

パンフレットには「『ローマでアモーレ』以来のヨーロッパ・ロケを敢行」と書いてありましたが、制作年度を考えたら「マジック・イン・ムーンライト」の方が後じゃないかと思うのですが・・・

チラシ