№19

日付:1995/9/16

タイトル:マンハッタン | MANHATTAN

監督・共同脚本:Woody Allen

劇場名:銀座文化劇場(現シネスイッチ銀座)

パンフレット:あり(\400) 公開当時のパンフの完全復刻版(嬉しいじゃありませんか)

評価:-

 

「Woody Allen Classics」と題した前売りの半券がパンフレットに挟まっていた。彼の過去の名作のリバイバル上映を観に行ったらしい。

30代半ばでウッディ・アレン初体験。そのスノッブな会話劇に正直距離を置きたくなった。

この3年後にゴールディ・ホーン目当てで観に行った「世界中がアイ・ラブ・ユー」で少し印象が変わった。2007年に観た「タロットカード殺人事件」で、遅まきながらファンになった。

 

2013年2月9日

WOWOWシネマ(2013/2/5)放送分を鑑賞。

ウッディ・アレン42歳。当時の彼より10歳近く歳を重ねて再見した本作品に、ウディ・アレン作品に、その世界にやられました。

 

所謂"ニューヨーカー"の男女達が繰り広げる他愛もない日常。マンハッタンだろうがどこだろうが、男と女の愛情のもつれに差異はなく、やってる事は当時のフジTVのトレンディ・ドラマと何ら変わりがない。アレンらしいジョーク、マシンガントークの如き会話劇も、今も昔も変わらない。どいつもこいつも身勝手で利己主義で己の本能に忠実で、どーしようもない。

 

なのに、です。

アレン扮するアイザックが、選んだ女に振られた結果ヨリを戻そうと元彼女のアパートにひた走るその姿がいじらしくて仕方がない。映画のラスト、トレイシー(マリエル・ヘミングウエイ)を見つめる彼の表情が純朴に見えて仕方がない。エンディングロールが流れ始めた後で、つまりは映画の余韻に、涙が溢れ出してしまった。こんな事は初めてだ。ジョージ・ガーシュウインの調べが胸に染み入る。

 

アレン監督が愛するN.Y.を舞台に描くしょーもない男女の恋愛話を、今の私よりも冴えない中年にしか見えない彼が等身大に演じるそのさらけ出し方を、インテリぶった会話の裏側にある人間性を、愛すべき世界として受け入れるしかなかった。即ち本作品の作家性にやられたという事。

 

再び往年の作品が再上映される事を、強く望みます。残り全てを映画館で観たい!

 

映画の記憶・・・と記録-MANHATTAN


映画の記憶・・・と記録-MANHATTAN

パンフレット

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