№17
日付:2009/6/27
タイトル:それでも恋するバルセロナ | VICKY CRISTINA BARCELONA
監督:Woody Allen
劇場名:小田原コロナシネマワールド シネマ8
パンフレット:あり(\700)
評価:★★☆
コメント:
ウディ・アレン監督の作品リストを改めて見返すと、1970年代から必ず年1本以上の作品を世に送り出す多作振り。彼にとって脚本を書いて映画を撮る事自体が生活の一部のようなものなのかもしれません。
前々作の「タロットカード殺人事件」に続き、お気に入りのスカーレット・ヨハンソンを迎えての本作品。これまたニュー・ヨークを離れ欧州を舞台に男と女の恋模様を描いてます。が、そこは恋愛映画というよりも、アレン節の利いた軽妙洒脱な人間模様を楽しむ作品に仕上がっています。
ハビエル・バルデムが「ノー・カントリー」とは打って変わって色男を演じていて(こっちが"地"なんですね)、スカーレットは相変わらずとても魅力的。
「タロットカード~」の時は、70過ぎても相変わらずお気に入りの女優さんに作品を介して愛情表現しているかのようでしたが、本人が出ていないとそんな印象も薄れます。
それにしてもやはりこれはウディ・アレン監督のファンの為の作品だという気がします。もちろんこれまでに多くの作品を世に送り、大勢のファンがいるからこそ成立する話であり、息の長い活動を続ける作家が固定ファンを獲得しているのと同じ事です。
やたらとナレーションが多いのですが、それが映画としての説明力不足といった課題に発展しようもない。作品単体ではなく、一連のウディ・アレン作品の中で作風として認知され、そこで普遍性を獲得しているのだから。
よってこれは「恋愛映画」ではなく、あくまでも「ウディ・アレンの(恋愛)映画」として楽しむべき作品かと。