エッセイ「恩返し」④のつづきです

 

 

 

 

 

恩返し④ 女医の進路 産婦人科の場合 | 三兄弟国公立医学部受験現役合格日記 シンママ産婦人科医の手抜き子育て (ameblo.jp)

 

 

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この春の医学部入試は、「女性差別」が是正された結果、女子学生の合格率が上昇した。

 

現在女子医学生の割合は三割強であるが今後ますます増えていくと思われ、そのうち半数は女医という時代になっていくのではないか。

 

今までのように、女医がマイナー科を選んだり、仕事をセーブするということだけでは現場は立ち行かない。

女医が増えることで、受診のハードルが下がる、子育て経験を生かした診療ができるなど、歓迎すべき点もたくさんある。

 

が不足するマンパワーをどうやって補うのか、産婦人科で言えば、最も修羅場の周産期医療を誰が担うのか?

 

待ったなしの課題だが、いまだ解決策は見えず現場の閉塞感は強い。

 

だからこそ男女を問わず、興味や意欲のある人は産婦人科を選んでほしいし、こころざしをもって入った若い医師たちには何とか元気に仕事を続けてほしいと思う。

 

これから産婦人科医療を担っていく下の世代に、私のできることはあるだろうか?あの時先生の言った「恩返し」は果たしてできているのだろうか?

 

日々、自問自答している。

 

おわり

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2年前同人誌に寄せたエッセイです

 

 

先日産婦人科の

後輩の女医さん達と食事をする機会があった

 

私より少し下の世代

臨床研修制度のはじまる前

医局制度の最後の頃に研修を受けた世代だ

 

中高生を育てるお母さんたちでもある

 

うち一人は東京都心の

超有名病院の産科医

 

聞くとその病院には、研修医も含め

30人近い産婦人科医がいるという爆  笑

 

大学病院だってそんな大所帯はあまり聞かない

さすがに都心のブランド病院だとびっくりした

 

8割が女医で

常に複数が産休や育休を取っているそうだ

 

「先生、うちの病院はね、女医が

子どもを産みに来るんですよ」ショボーン

 

あきらめとも嘲笑ともつかない表情で

40代のその女医さんは言う

 

もちろん、女医がその病院でお産をするという意味ではない

 

妊娠や出産を控える女医が

医者が多く労働条件のいいその病院に集まってくるということだ

 

「今の研修医は

お産の途中でも、緊急手術になりそうでも

(子どものお迎えでーす)って帰っちゃうんですよ

いいですねえ でもそれで研修になるんですかね」えー

 

ちょっとお酒の入ったその先生は

非難するというよりもむしろ、羨ましそうにそう言った

 

 

そう、医者が増えれば

ひとりにかかる負担が減って

女医でも普通に育休や育児時間を取ることが可能になる

 

ただこれは、都会の一流病院だからできること


深刻な産科医不足に悩んでいる病院が、まだまだ圧倒的に多数だ

 

 

女医だからと言って、家庭を犠牲にして

キャリアを積んでいく時代ではもうないだろう

 

もちろん男性の医師も

妻がどんな職業であれ

家庭責任をすべて押し付ける時代でもない

 

女子医学生や若い女医さんが増えている

 

10年後、20年後

彼女たちがボリュームゾーンになって

キャリアと私生活を両立することが日常の風景になった時

 

今までとは全然違う未来が広がっているかもしれないルンルン

 

自分のリタイアの時期を横目で見ながら

そんなことを考えている   

 

     完了